Qrosの女 の商品レビュー
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まずはチラ見した巻末の「参考・引用文献」の最後の一行でギョッとして爆笑。 『攻殻(機動隊)』かよ!(このあたり太字で大きめのポイントで) それから本文を読み進んでいって…… 攻殻っぽいところがないか、すごく気になるところ。現代ものだし、青い多脚戦車を期待したわけではないけど、しいて言えば「情報戦」がそれっぽいのか? でも、章によって主役(視点)が変わり、時系列が少しづつネストしつつ、その時何が起こったのかが明らかになっていく。あれ、「Qrosの女」って、ここでバラす?この後どうなるの? そして第五章で落としどころそこか!と感嘆したところで終章、うまく全ての伏線が回収されて、しかもちゃんと「攻殻」出てくるし! さしずめ、『さて、どこへ行こうかしら。。。ネットは広大だわ』でしょうか(笑) (このカッコつきの笑は、うふふ) すごく面白かったです。読めて良かった。みんなも読んで!
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「Qros」のCMに出演した謎の美女 その正体を探る人々の間で起こるいろいろ 誉田さん,迷走中ですか? 引き出しが,これしかないと思われたくなく 警察ものがあたると違うものが書きたくなると書いたはりましたが ワンパターンでも,それをお願いしたいです
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新境地と謳っているが、どちらかというと原点回帰かな、と思う。 作家以前の誉田哲也氏への回帰、というのか。 世界観は原点に近いんだろうけど、芸能記者の目線、という切り口が 新境地という所以なんだろうな。 格闘技の選手を絡めてきてちょっとコメントを言わせたりだとか 『フェイスプロ』『島崎ルイ』『柏木夏美』といった名前が出てくる辺り 読みながらニヤニヤしてしまった(爆)。 ガールシリーズを再読しようかなという気になった。 章ごとに目線が変わるのは『増山超能力師事務所』みたいな感じ。 章が変わるごとに時系列が戻るので、慣れるまではちょっと戸惑った。 特に栗山の章は訳判んなくなって一旦慶太の章を読み直したくらい。 ただ、それに慣れて来た途端に転がるように面白くなった。 作中で真澄が巻き込まれる状況は本当に怖い。 痛い、グロいという怖さではなく、情報の氾濫というイマドキならではの怖さ。 途中経過は震えがくるほど嫌な気分になる描写もあるのだが なんだかんだで悪人はひとりもいなくて、 終わってみればほのぼのな読後感だったのが不思議だった。 キャラ的にはカッコいいところを持って行った栗山に 頭髪という弱点が設定されているのも面白かった。 正直なところ慶太の彼女的なあの人は余計だと思わなくもない(爆)。 つーかブスはみんなああいう勘違いタイプだと思われると悲しい。 まぁあの人は自分がブスだ(と思われている)とは思ってなさそうだけど。 個人的には、偶然登場人物と似た名前の知り合いがたくさんいて (一字違いとか、漢字が違うだけの同姓同名とか) むしろそっちの部分でニヤニヤしながら読んでいた気がする。
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うん。 誉田先生の本って相変わらず読みやすい。 というか読みはじめたら一気に進む文章を書かれる。 このスタイルは毎回感じるところで今作も例外じゃなかった。
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日本の一大ファッションブランド「Qros」のCMに出演した謎の美女。 何処のどんなタレントなのか、誰も知らない。 噂や憶測は流れども、まるで緘口令をしかれたように、その美女の正体が分からない。 その正体を探ろうとする「週刊キンダイ」の記者慶太。 芸能界やそれにまつわるマスコミ取...
日本の一大ファッションブランド「Qros」のCMに出演した謎の美女。 何処のどんなタレントなのか、誰も知らない。 噂や憶測は流れども、まるで緘口令をしかれたように、その美女の正体が分からない。 その正体を探ろうとする「週刊キンダイ」の記者慶太。 芸能界やそれにまつわるマスコミ取材の裏事情やタレントプロダクションの内情を少しずつ明らかにしながら物語は思わぬ方向に進んでいく。 まあ、実際の芸能界や芸能週刊誌の実態などこんなものだろう。 本当は、もっと欲の塊のような人間ばかりの気もするが、思いがけず登場人物が情に熱い部分を持っているので、読後感はさほど悪くない。 誉田哲也の書にしては、これまでの作品とはまた一風変わった芸能界ものだったが、ミステリータッチでなかなかに面白かった。
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10月にプルーフ本の形で読み終わったのだが、どうも今ひとつ乗り気になれない小説だった。誉田哲也はいわゆるあざとさの目立つ上手な作家なのだが、警察小説ではそのスリルや奇抜なアイデアが活かされるし、さらにスポ根ユーモア青春小説でも若い心の揺らぎや爽やかさを描かせれば天下一品である。...
10月にプルーフ本の形で読み終わったのだが、どうも今ひとつ乗り気になれない小説だった。誉田哲也はいわゆるあざとさの目立つ上手な作家なのだが、警察小説ではそのスリルや奇抜なアイデアが活かされるし、さらにスポ根ユーモア青春小説でも若い心の揺らぎや爽やかさを描かせれば天下一品である。でもこの新しいジャンルはどうなんだろう。 垣根涼介という作家が、南米を主題にしたスケールの大きな冒険小説からリストラ小説に転じたように、あるいは奥田英朗がクライム小説からユーモア小説に転じたようには、豪快な大回転も美しい着地もできなかったんじゃないかな、というのが本書に関する正直な感想。好きな作家だけに、このような大衆化を望んではいない自分に改めて気づいた次第。 本書は、謎のCM美女『Qrosの女』を追え、といったテーマになっている。誰も知らないのだが、魅力的なCM美女がネットで話題となり、やがてその映像が捕捉されるに至り、ネットで映像が流されてゆく。彼女は誰なのか? というのが外からの視点。 しかし本書、連作短編集のような形を取り、視点が章ごとに変わるのである。巻半ばにしてCM美女の正体が知れるばかりか、CM美女の視点で語られる事の詳細が早々とあるあたりで、小説は複眼の様相を呈する。誰かを主人公にした小説というよりも謎のCM美女という情報の独り歩きして、より増殖してゆく様子の怖さが描かれてゆくのである。とは言え、もっと怖く(スティーブン・キングみたいに)、エキセントリックに(マイケル・クライトンみたいに)膨らませてゆくことはできるだろうな、この題材ならと思えないこともない。しかし誉田哲也は非常に謙虚に、いつもながらの長くはない小説にこじんまりとまとめてしまっているのである。 なるほどいつもながら綺麗にまとめるものだと関心はする。この手があったかという、およそ解決の見えなかった状況からの脱出口を手品師のように提示して見せてくれる。ここに感服する人が多いのだろう、誉田ファンというやつは。警察小説のように過激でバイオレンスでもなく、青春小説のようにきらきら眩しくもない普通小説としての本作は、その点ではまだまだ物足りないかもしれない。こういう方向に進んで欲しくはないというぼくの希望もあるが。いっそ大沢在昌のように、大作・長編作、ライフワーク(シリーズ物をより高レベルに持ち上げるのでもよし!)と呼べる作品に挑んでみては如何だろうか。それが若手作家からベテラン作家へのひとつのジャンプになるような気がするのだが。
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芸能界のゴシップを扱う週刊誌記者のお話。 同時期の話を各登場人物の視点で何度も書かれていてちょっとくどい気もしたが、そこは、視点が違えば新たな情報もあるわけで、ああ、そういう事ね。と納得する部分もあった。 軽いお話しで、知らない世界の話なので面白く読めた。
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芸能界を舞台にしたサスペンスミステリー。マスコミや芸能界の内幕を描いているが全くお粗末で呆れるばかり。ネット社会の闇や怖さもありきたりで本当に著者の作品かと疑ってしまう。ラストのオチも途中で読める。物語の構成は上手いなと感じた。
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序で、サスペンスミステリーの雰囲気を漂わせ、 破で、ミスリードの詳細なネタばらしを行って、 急で、ミスリードの顛末と真相を描いているけど…、 このうち、〆となる急のパートが、 ちと駆け足気味で、エピローグ気味だったのが、 欲ばりコメだけど、とても物足りなかったです。 文章と構...
序で、サスペンスミステリーの雰囲気を漂わせ、 破で、ミスリードの詳細なネタばらしを行って、 急で、ミスリードの顛末と真相を描いているけど…、 このうち、〆となる急のパートが、 ちと駆け足気味で、エピローグ気味だったのが、 欲ばりコメだけど、とても物足りなかったです。 文章と構成のうまさは、誉田さんらしかったですが、 個人的には…、序のパートで、ミスリードを施した、 サスペンスミステリーのお話を読みたかったかな~。
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いったい、どう終結するつもりかな~?と思いながらも面白く読み進む。 なーるほどね~。。。 それにしても、ネットというのは、やはり恐いな。。。
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