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鴉浄土 の商品レビュー

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2024/08/15

公事宿事件書留帳シリーズ第20作。 『木端の神様』 京都の吉田神社近くにある吉田村にある樹齢400〜500年の樅の木を村の難儀を解決するために売り払ったというお話。彦七は、村人が御神木と崇めていたその御神木の木端で神仏を作り、御神木で隠居屋敷を建てた小間物問屋の十四屋の大旦那四郎...

公事宿事件書留帳シリーズ第20作。 『木端の神様』 京都の吉田神社近くにある吉田村にある樹齢400〜500年の樅の木を村の難儀を解決するために売り払ったというお話。彦七は、村人が御神木と崇めていたその御神木の木端で神仏を作り、御神木で隠居屋敷を建てた小間物問屋の十四屋の大旦那四郎左衛門に木端の大黒天を届ける事にする。 御神木で隠居屋敷を作るという不埒な事をしたとして四郎左衛門は悔いており、村人に善行を行うようになるという。 京都の情景が手に取るように浮かんでくる文章。素朴な人々の心情。人は変われるという事など、読んでいて心地よい。

Posted byブクログ

2016/08/27

6話の短編が書かれている。 題名の「鴉浄土」は、墓前にいつも現れる鴉を、妻お民の生まれ変わりと信じる骨董好きな九郎右衛門。 温和な隠居で、物事を悪いようにしたくないと心がけ1ている。 そう、亡くなった人いるとき、今まで、自分の回りにいなかったモノ、ここでは、鴉であるが、私の場合...

6話の短編が書かれている。 題名の「鴉浄土」は、墓前にいつも現れる鴉を、妻お民の生まれ変わりと信じる骨董好きな九郎右衛門。 温和な隠居で、物事を悪いようにしたくないと心がけ1ている。 そう、亡くなった人いるとき、今まで、自分の回りにいなかったモノ、ここでは、鴉であるが、私の場合は、大きな蜂であった。 花好きな私に、何かを伝えたいのか49日の間、朝だけに飛んできていたことがある。 自分の思い込みだけかもしれないが、、、 だから、一輪でも、家に咲いた花を、仏壇の花の中に入れて飾っておいた。そんなことを思い出しながら読んでしまった。 「陣屋の椿」も、盗賊が、出てくる話なんだけど、そして、えん罪で、痛めつけられる 昔大店の子供だった国松で、どうなるのだろうと、思いつつ引き込まれた。 どちらも、最後は、言い終わり方で、締めくくっている。 「師走駕籠」「木端の神仏」も、大店の主が、登場するが、最後は、人の好い素敵な人物に描かれており、澤田ふじ子氏の、優しいストーリーにしていると思う。 弘法大師の「生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死に死に死んで死の終わりに冥し(くらし)」と引用されている「世間の鎖」で、人は誠にわからない生き物で、状況によって良い方にも悪い方にも転び、犯罪に手を染めながら良いことをする場合もあるし、普段良いことをしている者が、ふと、悪事に引きずり込まれることもあると、、、、、 自分を過信せずに、用心しながら毎日をいきていくようにと、、、、 この本では、極悪人らしい人物が、出てこないで、なにか ほっこりするような話で、読み終えた。

Posted byブクログ