1,800円以上の注文で送料無料

風の如く 水の如く の商品レビュー

3.6

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/06/12

読んだ本 風の如く水の如く 安部龍太郎 20240612  長らく歴史小説、時代小説ばかり読んでた時期があって、司馬遼太郎、山岡荘八、吉川英治、池波正太郎。人物や出来事に焦点を当てて、それぞれの歴史観、解釈を楽しんでました。  安部龍太郎の場合、設定が大胆なので歴史小説の範疇を...

読んだ本 風の如く水の如く 安部龍太郎 20240612  長らく歴史小説、時代小説ばかり読んでた時期があって、司馬遼太郎、山岡荘八、吉川英治、池波正太郎。人物や出来事に焦点を当てて、それぞれの歴史観、解釈を楽しんでました。  安部龍太郎の場合、設定が大胆なので歴史小説の範疇を超えて時代小説って感じがするんですが、段々とこれが事実のように感じていく。記録に残った事実は皆に知られてるけど、記録に残ってない事実も当然ある訳で、それは作家の想像力が埋めていくって意味では立派な歴史小説なんだよな。  黒田如水は、関ケ原の合戦が行われてる時に九州を席巻して、どさくさ紛れに天下を狙ってたってのは周知の事実だけど、その陰謀が関ヶ原にまで及んでたってお話。それを論功行賞中の合戦後間もない時期に本田正純が陰謀を暴こうと黒田長政や竹中重門なんかを訊問していく。この罪を暴こうと訊問していく形式ってのが新鮮で、戦国小説っぽくないんだけど、登場人物が戦国好きに刺さってくるんですよね。  登場人物の人物像なんかイメージから離れてないし、関ケ原なんかも知ってる通り展開していく。なんだけどひとつひとつの意味が新しく付加されてて新しい歴史観になってます。それぞれの親子や、ラストのユダが誰かってシーンなんか小説としても唸らせられます。

Posted byブクログ

2022/09/24

官兵衛を関ヶ原に深く関与させ、父と子というテーマで話を捉えることもできる。場面がよく変わるので時系列の把握に手間取ったが、推理小説風の歴史小説は斬新で楽しめた。まるっとするっとお見通しの家康様恐るべし

Posted byブクログ

2020/03/28

関ヶ原の前後に繰り広げられる陰謀の数々を解き明かす物語。 もし少しでも誰かの思惑が違っていれば歴史が変わったかもしれない微妙な駆引きというところまでは面白いが、頻繁に時間が変わるので読んでいて混乱する。もう少し章立てを工夫するともっと読み易かったのにと思う。

Posted byブクログ

2017/09/29

黒田如水の密書をめぐり、本多正純が各大名へ訊問する形で話が進んでゆく。 しかし、関ヶ原の前あるいは後と場面が錯綜し、読者もまま惑わされてしまう。 関ヶ原は、家康と三成との戦いというのが歴史の定説であるが、著者はその裏に如水と家康との権謀と策謀の戦いがあったとみる。 これがフィクシ...

黒田如水の密書をめぐり、本多正純が各大名へ訊問する形で話が進んでゆく。 しかし、関ヶ原の前あるいは後と場面が錯綜し、読者もまま惑わされてしまう。 関ヶ原は、家康と三成との戦いというのが歴史の定説であるが、著者はその裏に如水と家康との権謀と策謀の戦いがあったとみる。 これがフィクションなのか、はたまた小説家の想像力によって描き出された歴史の裏面史なのか。 確かに、関ヶ原の戦いの最中、如水は九州の各地を次々と制圧していった。これは史実であるが、その裏にこれ程の策謀があったのだろうか。 如水の密書にいう「三方」とは、誰と誰のことだろうか。後半明かされるその人物の名前には、読者は皆”エッ”との声を上げてしまうかも。 歴史ミステリーファンにとっては、たまらない瞬間といってもいいか。 さらに、秀忠が関ヶ原に遅参したのは信州真田の抵抗によるものではなく、家康からの指示でその場にとどまり、ある勢力の進発に備えたためだとか。 歴史には何が隠されているかわからない、面白いな~。 家康と如水との虚々実々の戦い、「家康は風、如水は水」この例えもなんとなく納得できるなあ。

Posted byブクログ

2014/09/21

関ヶ原後に家康の近習である本多正忠が、黒田官兵衛の謀反の疑いを調査する話。家康が天下を取ったらキリシタンを認めないであろうと思い、ならば西軍と東軍が争い疲弊した勝者を滅ぼし天下を取ろうとしたキリシタン大名黒田官兵衛の最後の野心は、わずか一日で東軍圧勝に終わり不発に終わる。そこまで...

関ヶ原後に家康の近習である本多正忠が、黒田官兵衛の謀反の疑いを調査する話。家康が天下を取ったらキリシタンを認めないであろうと思い、ならば西軍と東軍が争い疲弊した勝者を滅ぼし天下を取ろうとしたキリシタン大名黒田官兵衛の最後の野心は、わずか一日で東軍圧勝に終わり不発に終わる。そこまでの水面下の謀略策略は凄まじい。なぜ軍師はそこまで先見の明を持っているのか凡人には理解できないな。

Posted byブクログ

2014/09/03

映画化したら玄人好みの話になりそう。本多正純を主人公として、関が原を巡る如水と家康の伏線の張り合いを、戦後の論功行賞のための尋問を通して解く。如水ならさもありなん...と後世まで思わせるのがすごい。

Posted byブクログ

2014/05/31

関が原の合戦にまつわる数多くの武将たちの攻防、謀略は非常に複雑怪奇でついていくにも苦労した。その表裏を論功の評価調査を通じて解きほぐしていく流れはスリリング、でもこのストーリーの面白さは様々な父と子の関係だ。本田正純と正信、黒田長政と如水、細川忠興と幽斎、前田利長と利家、竹中重門...

関が原の合戦にまつわる数多くの武将たちの攻防、謀略は非常に複雑怪奇でついていくにも苦労した。その表裏を論功の評価調査を通じて解きほぐしていく流れはスリリング、でもこのストーリーの面白さは様々な父と子の関係だ。本田正純と正信、黒田長政と如水、細川忠興と幽斎、前田利長と利家、竹中重門と半兵衛、徳川家康と秀康、等々。さらに歴史小説を読んだらまた帰ってこよう。

Posted byブクログ

2021/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2014.5.8〜 27 読了 関ヶ原の裏側で家康と如水が謀略戦を仕掛けあっていた、という筋立て。徳川の御用史観工作を取り除けば新しい歴史が見えてくる、という訳だ。家康と如水、実際のところどれだけ相手を意識していたのだろう?”播磨灘物語”では如水の九州切り取りを一笑に付して無視したことになっているが・・・

Posted byブクログ

2014/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

関ヶ原の裏での黒田如水の陰謀を本多正純が暴くという内容だが、関ヶ原に至るまでの駆け引きが実際にそうだったのかもと思わせる内容であり、読みごたえがあった。 ただ、「風のごとく、水のごとく」というタイトルは、家康が風で如水が水として本文中で言及されていることに由来するタイトルなのだが、正直これらのたとえの意味はあまりすとんと落ちてこなかった。 どう考えても、化け物のような徳川家康(及び本多正信)と黒田如水との間の、狸のごとく、狐のごとくの騙し合いが実態ではないかと感じた。

Posted byブクログ

2014/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

設定自体は面白いけど、官兵衛の策が明らかになる過程がややだらだらとして新鮮な驚きみたいなものはあまりなかった。 主人公は本多正純で、結局官兵衛の策を見抜いた上、西軍+東軍のほとんどが味方じゃない状況で戦を一日で制した家康すごすぎるだろという話だったので、すごく徳川寄りな話なんじゃないか、という気がしました。

Posted byブクログ