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コルトM1851残月 の商品レビュー

3.7

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2022/03/09

なんだろう、悲しくて、カッコよくて、不思議な感覚。時代劇ではあるが、現代劇のような迫力とスピード感。 面白かった。

Posted byブクログ

2021/08/26

嘉永6(1853)年の江戸を舞台に、コルトM1851を手にした商人が大暴れするという「なんじゃそりゃあ?」な話なんだが、これが滅法おもしろい。主人公の“残月”こと郎次のキャラクターが際立っていて、活劇ファンなら歓喜すること請け合いだ。 読みながら思ったのは、昔熱中した大藪春彦さん...

嘉永6(1853)年の江戸を舞台に、コルトM1851を手にした商人が大暴れするという「なんじゃそりゃあ?」な話なんだが、これが滅法おもしろい。主人公の“残月”こと郎次のキャラクターが際立っていて、活劇ファンなら歓喜すること請け合いだ。 読みながら思ったのは、昔熱中した大藪春彦さんの小説の数々。内に秘めた怒りや憎悪を隠し、ストイックに自分を鍛えていつか成功する日を思う。郎次の過去や現在の境遇などがそれらの作品に重なり、より深い読後感となった。 ……まあ、“人殺し小説”ではあるんだけどね(^_^;)。

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2019/05/28

江戸時代末期を舞台にしたノワール。時代劇にコルトというワンアイデアが面白く、その取り合わせの妙も手伝ってぐいぐいと引き込まれる。拳銃というオーバーパワーな武器を取り入れたわりにはパワーバランスが絶妙で、無敵ではあるが弾丸の装填に時間が掛かる、残弾数が心許ないという感じで上手い具合...

江戸時代末期を舞台にしたノワール。時代劇にコルトというワンアイデアが面白く、その取り合わせの妙も手伝ってぐいぐいと引き込まれる。拳銃というオーバーパワーな武器を取り入れたわりにはパワーバランスが絶妙で、無敵ではあるが弾丸の装填に時間が掛かる、残弾数が心許ないという感じで上手い具合に枷をはめているのが印象深かった。また船上や夜の森、襖のある室内など、戦いのシチュエーションもよく練られており、刀と銃の距離感や間合いの緊迫感は凄まじいものがあった。文章もハードボイルドらしい切り詰めて書かれた乾いた文体で、無駄な説明を省きつつも読みやすい仕上がりになっているため人を選ばない。ただ構成面は良し悪しな部分があり、元脚本家らしい山あり谷ありの筋書きで、キャラもよく立ってはいるものの、反面、展開があまりに映像を意識しすぎていてドラマチック過ぎるきらいがあり、綺麗に整頓されすぎてる印象も受ける。序盤から執拗に張った伏線である積荷、銃弾の補充ネタは、勘のいい読者なら銃もろとも敵の手に渡るのは簡単に想像がつくだろう。確かにそれは面白い展開であり、こちらが想像した面白さは全て提供してくれるのだが、意表をつかれることはなく、コルト以外の驚きや目新しさがなかったのは痛い。最後は女が裏切るかと思ったが、それだとホラーになってしまうため、ハードボイルドらしいすっぱりとした幕切れにしたのは好感が持てる。ただ王道的エンタメとしては十分であり、あくまで「欲を言えば」の部分でしか無いことを付け加えておく。

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2018/10/16

題名通りの幕末ウエスタン。組織を裏切った主人公と組織の幹部の元情婦が組織と戦う。ウエスタン物はこんなベタな展開が一番。

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2018/02/14

江戸のにコルト!綺麗にハマっていて違和感無く楽しめちゃった。(*_*) 最後の最後まで弾数を気にして、数えてて欲しかったかな。

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2017/02/03

無理心中の生き残りの残月,拾ってくれた儀平に忠誠を尽くすがその関係は謀に満ちた汚いものだった.コルト拳銃が存在感を放つ.

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2017/02/01

舞台は江戸時代だけど拳銃を持つ男が主役のピカレスクハードボイルド.殺伐とした江戸の裏社会の雰囲気がよく出ている.松田優作のアクションのような銃撃戦も出て来る.ハードボイルドは一匹狼と言いながら大抵,子供か女または老人が一人味方につくのだが本書は美女.

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2017/01/22

月村作品読んだの2作目。 著者は、武器に対して詳しいのか、 江戸時代とCOLTの組み合わせは意外。

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2016/09/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幕末の江戸を舞台としたコルトを手にした番頭のアクション時代小説。 「週刊文春」で連載が始まった「コルトM1847羽衣」が面白そうなので、シリーズと思って読みました。 いまのところ、「コルトM1847羽衣」とは関連しなさそうです。 月村作品は数作しか読んでいないのですが、時代物は初めてでした。 もっと荒唐無稽なものかと期待せずに読みましたが、弾込めの時間、銃の取り扱い、弾数などリアルっぽいところが最後まで面白く読ませていただきました。 物語はかつての仁侠映画、カンフー映画、ウェスタンのような展開で、飽かずに一気に読みきれました。 ただ主人公の脇が甘すぎなところが、玉に瑕でしょうか。

Posted byブクログ

2016/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 2013年11月第一刷発行。  日経夕刊の書評で評判が良かったので図書館に予約していた本。  月村了得の本は「一刀流無想剣 斬」に続き2作目。その前作同様、今作も一人で何人もの敵を倒す大活劇。  ただし、前作と違って短筒(コルト)が武器なのでリアリティがある。  いやぁ、一気に読まされた。侍の中に次元大輔のような早打ちガンマンがいたら、どれだけ強いか。  さらに、闇金の世界での出世争いと、主人公の出自に係る主との関係によって、描かれる争いにも深みがある。  こんなに面白いとは期待していなかった。    蔵前の札差祝屋は抜け荷をはじめとする闇金商売をしている。その闇の仕事を受け持つ残月こと郎次が主人公。  郎次は、借金のた無理心中を図った商売人の子。実の父に首を絞められたが、一命をとりとめた。  そんな郎次を拾い、育てたのが祝屋の主、儀平。儀平の命で抜け荷のルート開拓をする中で、清国人の灰と出会い、コルトを入手する。6連発の短筒は単発元込め銃しかなかった当時の日本では、最強の殺傷能力をもった武器だった。  郎次は、このコルトを使って裏家業のライバルや目障りな者を消すが、周囲の者は郎次が凄いやり手と手を結んだと考えた。  自分をだました女の取り扱いで、儀平の裁定に不満をもった郎次はその女を殺す。組織にとって、自分は有為な人材だとの思いが、一度決まった裁定を無視しての行動につながった。  しかし、小児の人身売買を始めようとしていた組織にとって、その女が持つ腐れ役人とのパイプが重要であったため、郎次は組織の裏家業からはじかれる。  再起をかけて動こうとした矢先、自分が儀平から信を置かれてなかったことを知り、また、人身売買への嫌悪感から組織に対して謀反を起こす。  最後は、深手を負ったお連とともに、小舟で川を下っていく。開国により抜け荷商売の終わりを迎える寸前、そんな時代の流れを知らず裏の貿易での自分の立場は変わらないと信じ。

Posted byブクログ