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人生をひもとく日本の古典(第6巻) の商品レビュー

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2014/02/12

 「死ぬ」ことにまつわる日本古典の短歌・文30編。大津皇子、人麻呂、業平らの辞世の歌。平家物語、仮名手本忠臣蔵のお軽。方丈記の冒頭の格調高い文章の紹介も。万葉集では死ぬことがテーマで有りながら、死ぬという言葉が出ることは恋の時だけ!和泉式部の恋人の死を悲しむ歌・・・。建礼門院が夢...

 「死ぬ」ことにまつわる日本古典の短歌・文30編。大津皇子、人麻呂、業平らの辞世の歌。平家物語、仮名手本忠臣蔵のお軽。方丈記の冒頭の格調高い文章の紹介も。万葉集では死ぬことがテーマで有りながら、死ぬという言葉が出ることは恋の時だけ!和泉式部の恋人の死を悲しむ歌・・・。建礼門院が夢を見た竜宮城が明石であり、源氏物語においても明石が、死後の世界に特別の意味をもっていたのだ。笑えるのは今昔物語にある「死んだふり」のお話。死を忌み嫌うことを嘲笑うようにお寺の鐘を盗んでしまう怪盗ルパンのようなお話がこんな昔にあったということが実に楽しい。「死」と「別れ」「運命」「愛」「恋」などの概念についての日本古来の共通した考え方を知る好著。

Posted byブクログ