秘められた生 の商品レビュー
かつての秘密の恋人との日々から、どんどん古今東西の古典や文学、詩、音楽、哲学、宗教、ラテン語と広く教養豊かな話になっていく。流れるように美しい詩のような文章。そしてそこから飛躍的に考察が続き、わずか数行でもゆっくりと時間をかけて咀嚼するように読んだ。出生児のトラウマや胎児の記憶か...
かつての秘密の恋人との日々から、どんどん古今東西の古典や文学、詩、音楽、哲学、宗教、ラテン語と広く教養豊かな話になっていく。流れるように美しい詩のような文章。そしてそこから飛躍的に考察が続き、わずか数行でもゆっくりと時間をかけて咀嚼するように読んだ。出生児のトラウマや胎児の記憶から死者への愛。別離。ありとあらゆる愛の全てを網羅し取り上げ徹底的に吟味する。午前11時の光を求めて始まった作者渾身の自らの物語は、不可視の手により触れ、捕らえ、何もかも通り抜け昇華されていく。読んでも読んでも読み尽くせない本であった。
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人生に別れを告げようとする者だけが許された視点。沈黙すること。読むこと。愛すること。思索すること。愛すること。/深い思索が、深過ぎて、振り落とされないようにというより、最初から振り落とされてた。そのままずるずると...引きずられるように...なるほどわからん。なのにページを捲る手...
人生に別れを告げようとする者だけが許された視点。沈黙すること。読むこと。愛すること。思索すること。愛すること。/深い思索が、深過ぎて、振り落とされないようにというより、最初から振り落とされてた。そのままずるずると...引きずられるように...なるほどわからん。なのにページを捲る手が止まらず、夢中で読んだ。手放したくない、不思議な吸引力。 気になるところに付箋をぺたぺた貼っていたら、付箋だらけになった。全然わかっていないくせにちょっとわかったような気にさせられる、恐ろしい書。訳者には頭が下がる思い。
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