世界泥棒 の商品レビュー
三田文学掲載の新作より。荒いけれど読ませる力強さがあると思いました。あまり書籍化されておらず残念ですが追いかけたい著者です。
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ズルズルとメリハリのない文章で本当に読みづらい。まるで息継ぎしないでしゃべってるみたいな、息苦しい感じがした。 それにピトピトとまとわりつくような不気味な感じがするんです。心が病んできてしまいそう。この独特な世界観、私には難しかったなぁ。ごめんなさい。
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世界を盗み続ける「世界泥棒」から、自分の世界を盗まれまいと苦悩する一人の女の子の物語。 それと、その女の子の世界の人々が「テレビや本などで「死」を知っているけれど「死」を実際に見た事がない。事件が起きて初めて死を見て、「死ぬってどういう事なんだろう」」っていう事を考える物語でも...
世界を盗み続ける「世界泥棒」から、自分の世界を盗まれまいと苦悩する一人の女の子の物語。 それと、その女の子の世界の人々が「テレビや本などで「死」を知っているけれど「死」を実際に見た事がない。事件が起きて初めて死を見て、「死ぬってどういう事なんだろう」」っていう事を考える物語でもあったと思う。 最初「読みづらいなぁ」と思ったけど、途中からスラスラ読めた。 「これは一体何を言ってるのか、意味してるのか」っていう部分があったから、一番重要な所でスラスラ読めたんじゃないかと思う。
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読みにくい。と思ったけど、読み方がわかるとそれほどでもない。 ただ、内容は色彩がなく、それが形而上的で、世界を包み込んでいる何かを表しているように感じられる。それは、ハッキリとは提示されない。 戦争を揶揄しているようにも思える。相手を思う気持ち、コミュニティー同士の交流、そうい...
読みにくい。と思ったけど、読み方がわかるとそれほどでもない。 ただ、内容は色彩がなく、それが形而上的で、世界を包み込んでいる何かを表しているように感じられる。それは、ハッキリとは提示されない。 戦争を揶揄しているようにも思える。相手を思う気持ち、コミュニティー同士の交流、そういったものがない世界。 そんなもの盗んでしまえ。どこかへ持っていってしまおう。
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まず思ったのが会話文を地の文で書き続けられてるので読みにくい。漢字も平仮名表記が多かったので読みにくいという印象。ただ純文学なので作者の世界観を出すための手法であればその通りのものが出ていた気がします。 物語の広がり、描写については斬新で楽しめました。最近、昔の純文学を読んでいた...
まず思ったのが会話文を地の文で書き続けられてるので読みにくい。漢字も平仮名表記が多かったので読みにくいという印象。ただ純文学なので作者の世界観を出すための手法であればその通りのものが出ていた気がします。 物語の広がり、描写については斬新で楽しめました。最近、昔の純文学を読んでいたので新しいファンタジー溢れる作品に出合えた気がしました。読み終わったときには満足できました。
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一点をいれるのは初めてなんだけど、それくらい合わない作品だったということで。 まず読み始めても舞台がよくわからない、語り手が良くわからない。50ページを越えたあたりから、これを書いてる人は疲れているのかな、と思い始めた。ずっと会話文が続くのもそういう技法なんだろうと思っていたけど...
一点をいれるのは初めてなんだけど、それくらい合わない作品だったということで。 まず読み始めても舞台がよくわからない、語り手が良くわからない。50ページを越えたあたりから、これを書いてる人は疲れているのかな、と思い始めた。ずっと会話文が続くのもそういう技法なんだろうと思っていたけど、これはこのあやふやな文章をあやふやなままにしておくために会話文だけなんだろうなと。それもあえてあやふやにしているんじゃなくて、世界の構築に粗があるから深く書き込めないんだと思う。抽象的過ぎ具体性なさすぎ作者の脳内で文章が完結しすぎ。 全く興味のない人が書いた夢日記を延々と見続けているような苦痛。100ページを越えたあたりで、これは最後までずっとこのまんま続くんだろうなと。ふつう登場人物に名前をつけたらそいつはこんなやつで、こういう境遇で、と書き込むと思うんだけど、文章を理解させないのはあえてそうしているんだろうと思いはじめた。これはこれで凄いことなんだと思う。なんのためにそうしているのかはわからなかったけど。 読み始めから読み終わるまで「だから何?」と思い続けるような作品。ほんとになんだったんだろうこの作品は
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「意味」に満ちた世界から逃走し続ける大泥棒 ~桜井晴也『世界泥棒』 河出書房新社より刊行された、第50回文藝賞受賞作です。 のっけからナニですが、わたくし近ごろ小説からめっきり遠ざかってしまっておりまして・・・。しかもブンガクとなるとさらに敷居が高くなる一方。 えいやッと覚悟をかためて、この改行がほとんどない文章のかたまりにかじりつきました。ノー改行とはいえ、本来漢字で表記しそうなところでひらがなを多用してるので、それほど読みにくさはないです。 物語は夕暮れの教室で行なわれる少年たちの「決闘」から始まります。風変わりでちょっとグロテスク。それはこの小説の持つテイストそのままです。 感情を失い老成してしまったような少年少女たちが残酷さと背中合わせのユーモアの中を漂い、ディスコミュニケーションや疎外感が作品世界を空気のように覆っています。社会問題となっている子どもたちの「いじめ」や社会を震撼させた酒鬼薔薇事件を連想させる部分もあります。 舞台はおそらく僕らの住む現実とは異なる世界なのでしょう。幽霊や怪物らしきものがいたり、国家が分断され戦争も起きてるようですが全体像は曖昧模糊としてよく分かりません。それこそぼんやりと夕闇につつまれたような世界観です。 話は決闘から町はずれの殺人事件、国境の向こうへの旅と脈絡ない感じで(失礼)展開していきます。唐突に主人公の回想になったり誰かの語る話になったり、ほとんど説明らしい説明もないまま時系列も行ったり来たりしているようです。 この小説の手法を真似ようとしても難しいでしょう。もはやワンアンドオンリー、作者以外の書き手には再現不能。まさに文藝賞受賞に値するオリジナリティです。作者は演劇に対する造詣が深いとのことですが、再現不能という点で演劇の一回性と本作『世界泥棒』はどこか共通しています。 作者はページの向こうから多くの“?”を投げかけてきます。分かりやすい本、分かりやすく意味が整理された文章に日ごろ慣れ親しんですっかりなまってしまった僕の感性は混沌の暗闇の海に投げ出され、必死にもがきながら新しい泳法を探す。そして少しずつ長い距離を泳ぐ力を獲得していくのです。 というわけで作品の核心を突いているとはとてもいえない印象評に終始してしまいましたが、感覚に訴えるタイプの本作を「批評」という意味重視の視点からとらえようとすることは矛盾しているし、たぶん作者も嫌がるでしょう。読み手には自らの持ち合わせる感性のみで判断してほしいと思っているはずです。 そうでしょう桜井さん? 遅ればせながら受賞おめでとうございます。また勉強会でお会いしたいですね。 ~元ネタhttp://rcnbt698.blogspot.jp/2014/07/blog-post_4.html
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ひらがなが多く、「」の無い会話文、主人公あやの視点でひたすら描かれている。とても読み辛い。我慢して読み進める内に、描写がすんなりと入ってきて物語に引き込まれるから不思議。 あやの思考、会話、あやが見ている世界、十代の頃の女子の鬱々した言い表せない感情が渦巻いていて、感情移入でき...
ひらがなが多く、「」の無い会話文、主人公あやの視点でひたすら描かれている。とても読み辛い。我慢して読み進める内に、描写がすんなりと入ってきて物語に引き込まれるから不思議。 あやの思考、会話、あやが見ている世界、十代の頃の女子の鬱々した言い表せない感情が渦巻いていて、感情移入できる。作者は女性だと思いこんでいたが、会社員の男性らしい。驚きだ。 あやが通う学校では決闘という名のもとに殺し合いが行われていて、敗者は猫の死体が積み上げられた場所に捨てられる。一家で首を吊った家がそのまま放置されていたり、川を隔てた隣町へ行くには国境があるような世界が舞台。 うまく言えないが、まるで悪い夢を見ているかのような物語。ところどころ、うっとりするような美しい描写があったり、素敵な一文があったりと読み応えがあった。 ネタバレであるが、 世界泥棒である百瀬くん(あやの級友)が美しいものが何も無いこの世界を連れ去りに来た、それに気づいたあやの妹が、この世界は美しい、美しいもので溢れている、やめてくださいと必死に努力したが負けてしまった。百瀬くんは他の星から世界を盗みにきた宇宙人だった(!!) 悪い夢のような世界から一気にSFホラーのような展開に。宇宙人はないな、と結末が残念だったので、星三つ。四に近い星三つで。
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皆さん言ってるように、いやーなんつーかひたすら読みにくかったー。でも、これほどの個性をこの個性のまま一冊の本にした、ってところは素直にすごいと思う。万人に好かれる個性ではないけれど、相手を選ぶ個性だけれど、凡庸な何万冊よりもよほどいい。まぁわたしは相手に選ばれなかったというか選ば...
皆さん言ってるように、いやーなんつーかひたすら読みにくかったー。でも、これほどの個性をこの個性のまま一冊の本にした、ってところは素直にすごいと思う。万人に好かれる個性ではないけれど、相手を選ぶ個性だけれど、凡庸な何万冊よりもよほどいい。まぁわたしは相手に選ばれなかったというか選ばなかったというかで星はふたつですけども。
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寓話。ひらがなが多い文章とカッコのない会話は最初読みにくいが慣れると未整理で非論理的で浮かんでは消える思考の断片や意識の流れを感じられるようになる。ユリシーズのようでもあり失われた時を求めてのようでもあるが結局はワンダースリーかもしれない。意味ちゃん(この名前もいいな~)と主人公...
寓話。ひらがなが多い文章とカッコのない会話は最初読みにくいが慣れると未整理で非論理的で浮かんでは消える思考の断片や意識の流れを感じられるようになる。ユリシーズのようでもあり失われた時を求めてのようでもあるが結局はワンダースリーかもしれない。意味ちゃん(この名前もいいな~)と主人公の会話がとても印象に残る。面白かった。
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