蜩ノ記 の商品レビュー
数年後には切腹することが決まってる中での物語。 なんて静かで美しく、悲しい最期なんだろう 読んだら泣く! でも終わりまで見届けねば!! という感情が交互にやってきながらも、何とか最後までたどり着けた 素敵な作品に感謝
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数年後に切腹を命じられた者の監視役として遣わされた主人公。 残りわずかな命にも関わらず凛と生きる秋谷に徐々に影響を受けていく。 お家騒動の真相や村の問題などある中で、覚悟が生まれ友の大切さを知り恋も芽生えていく。 話の展開は基本的に淡々としているが、しっかりと心が動いていく様が描...
数年後に切腹を命じられた者の監視役として遣わされた主人公。 残りわずかな命にも関わらず凛と生きる秋谷に徐々に影響を受けていく。 お家騒動の真相や村の問題などある中で、覚悟が生まれ友の大切さを知り恋も芽生えていく。 話の展開は基本的に淡々としているが、しっかりと心が動いていく様が描かれている。 武士も百姓も、その人となりは死に様が克明に表している。 彼らは最期まで立派な人だなぁ。
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美しい作品だった。秋谷の姿勢や郁太郎と庄三郎のシーン等、自分の事ばかりで周囲の事を考えていないように感じるところは所々にあったが、武士とはそういうものなのかもしれない。 秋谷の最期が変わらないのは良かったと思う。そのせいで単調な物語にならないように源吉を入れたのは上手い構成だと感じた。 兵右衛門がなんだか最後に悟って良い奴感を出してきたのは許せない。笑
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直木賞受賞作。 十年後に切腹することを命じられた武士を中心に、武士の生きざまを描いてる作品。 淡々と物語は進む。 読みづらくはないのだが、予想通りの展開と結末。 時代物なので仕方がないのだろうが、同一人物なのに立場によって呼び名が変わるので、私のようにボケ~っと読んでいると誰が誰だかわからなくなる。 これ以降完全ネタバレになります。 未読の方は読まないでください。 武士だからといって、すべてを受け入れて死ぬのは美しいのだろうか? わからない。 家族がいる。ならば、みっともなくても足掻いて欲しい。 それは武家の作法ではないのだろうけど、それでも、下された切腹を回避するためにもう少し何かできなかったのだろうか? 何より本人にその気がないのでどうにもならん。 いくら武士としての生き方、と言ってもなぁ。 正直潔いとも美しいとも思えませんでした。
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死ぬために毎日を生きている侍とその監視役が少しずつ成長していく姿とが相対しているにもかかわらず、のめりこんでいってしまうほどの作品でした。 今の時代よりも理不尽なことがあり生きづらい世のなかっだたかもしれませんが、そのなかでも人としての信念をもって切腹の日まで過ごすのは並大抵の...
死ぬために毎日を生きている侍とその監視役が少しずつ成長していく姿とが相対しているにもかかわらず、のめりこんでいってしまうほどの作品でした。 今の時代よりも理不尽なことがあり生きづらい世のなかっだたかもしれませんが、そのなかでも人としての信念をもって切腹の日まで過ごすのは並大抵のことではないと感じました。死ぬ勇気に必要なエネルギーも半端ではないと思いますが、生きていくことの大変さに必要なエネルギーもすごいものだということを改めて思いました。 本当に感動する作品でした。
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田舎の村で家譜編纂をしながら切腹の時を待つ武士の元へ、不祥事を起こした青年侍が見張り役として遣わされる。青年侍は武士やその家族、村の人々と交流しながら武士の切腹を回避できないかと考える… 謎解きの様な側面もありワクワクしながら読み進めて行った。 青年侍・檀野庄三郎が戸田家の家族や村の人々と交流を深めて行く様子が微笑ましかった。 侍たちの思惑に翻弄される百姓達が気の毒で遣りきれない気持ちになる。 その中で源吉の腐る訳でも暴力に出る訳でも無く、理不尽さえも受け入れて自分に出来ることを考えて行く姿がとても好きだった。
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家族だけでなく領民と藩のために、自らの命を差し出すという覚悟には感銘を受けた。切腹の日が決まっており、あと何日残されていると意識しながらも武士として凛と生きることはどれほどの覚悟があったのかと考えさせられた。
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平成23年の直木賞作品。 架空の九州の小藩を舞台にしたフィクション。切腹する定めとなっている武士とその家族、刃傷沙汰を起こして彼らを監視する役回りとなっ青年の武士を中心に物語は進む。推理小説の側面もあり、読むうちに次のページへと読者を惹きつける。 「心がけの良き者はより良き道を。...
平成23年の直木賞作品。 架空の九州の小藩を舞台にしたフィクション。切腹する定めとなっている武士とその家族、刃傷沙汰を起こして彼らを監視する役回りとなっ青年の武士を中心に物語は進む。推理小説の側面もあり、読むうちに次のページへと読者を惹きつける。 「心がけの良き者はより良き道を。悪しき者は悪しき道をたどる」最後の場面に出てくるこの台詞が印象的。
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同僚との人傷沙汰により切腹は免れたものの、檀野庄三郎は藩主の側室との不義密通の為、家譜を編纂し10年後に切腹することを命じられた戸田秋谷を監視する役を負う。切腹まで3年に迫った秋谷の人柄を家譜編纂を手伝う過程で目の当たりにしよもや罪を犯すような人物ではないと考え始める。 百姓の生...
同僚との人傷沙汰により切腹は免れたものの、檀野庄三郎は藩主の側室との不義密通の為、家譜を編纂し10年後に切腹することを命じられた戸田秋谷を監視する役を負う。切腹まで3年に迫った秋谷の人柄を家譜編纂を手伝う過程で目の当たりにしよもや罪を犯すような人物ではないと考え始める。 百姓の生活、村を我が物にしようとする商人、体裁を重んじる奉行衆、庄三郎の心の変化の描き方が絶妙で上手い。
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あくまで歴史小説なので実際のところはわからないにせよ、現代との価値観の違いを感じて面白かった。 比較的善人と悪人の区分がはっきりしており、主人公側が出来すぎているのではと思うところもあった。 ミステリー部分に気を取られすぎて感情移入しきれなかったためだろうか。
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