14歳、ぼくらの疾走 の商品レビュー
SL 2022.3.6-2022.3.7 14歳のマイクとチックのひと夏のロードムービー。盗んだ車で出かけた先で起こるさまざまな出来事。かなりムチャクチャで楽しい経験。 チックと、旅先で出会った邪悪じゃない1%の人たちによって大きく成長するマイク。 一生忘れられない夏休みだね。
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青春の煌めき。 主人公は14才のマーク。 この世でいちばんの小心者、史上最低のつまんない男、最低の意気地無し、と自分で思い込んでいる。 学校では友達なし。家庭では、アル中のお母さんがリハビリ施設に行っている間お父さんは若い女性と旅立ってしまう。そんな最低な毎日を送っていたが、...
青春の煌めき。 主人公は14才のマーク。 この世でいちばんの小心者、史上最低のつまんない男、最低の意気地無し、と自分で思い込んでいる。 学校では友達なし。家庭では、アル中のお母さんがリハビリ施設に行っている間お父さんは若い女性と旅立ってしまう。そんな最低な毎日を送っていたが、転校生の不良少年と盗んだ車で旅に出る。 旅先で出会うのが今まで会ったことない種類の人たち…家でも学校でも「人間は邪悪だ」と教えられてきたのに、邪悪じゃない人にばかり出会っている❗ 一緒に旅に出たチックとは、どこか遠い星にきっと生命体がいるっていう話で盛り上がったり、つまんない男だなんて一度も思ったことないって言われたり、瑞々しい感動がちりばめられているのだ。 自分の知っている世界なんて狭いものなんだね。その中で考えていることなんて、ほんのちっぽけなものかもしれない。だから、それに縛られて苦しむなんて、もったいないことだ。 勇気を出して広い世界に飛び出してみよう‼️
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クラスでイケてる女子タチャーナが、夏休みにクラスのほぼ全員を泊まりの誕生日パーティーに招待した。マイクは、自分も招待されるものと思いプレゼントにタチャーナが好きなビヨンセの巨大スケッチを4週間かけて描き上げたが、マイクは招待されなかった。その上、アルコール依存症の母親は依存症克服...
クラスでイケてる女子タチャーナが、夏休みにクラスのほぼ全員を泊まりの誕生日パーティーに招待した。マイクは、自分も招待されるものと思いプレゼントにタチャーナが好きなビヨンセの巨大スケッチを4週間かけて描き上げたが、マイクは招待されなかった。その上、アルコール依存症の母親は依存症克服キャンプヘ、父親は若い浮気相手と旅行へ、マイクは父親からお金を渡され、一人家で夏休みを過ごすことになる。そんな時、クラスの嫌われ者のロシア移民のチックと出会い、チックの盗んだ車でチックの祖父が住むというワラキアを目指す。 とんでもない道中だし、お金はあるものの14歳ではガソリンは買えず、車と同様盗む事になるし、そもそも運転免許はまだない。そこここで出会った忘れられない人たち。なんとも、スゴイ夏休みだ。
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映画から観て、原作を読んでみた。 あまりやらない方法だったけど、原作者が同年生まれということで気になって、映画で観たいろいろな演出や発想が、映画監督による脚色なのか、原作にあるのか確かめてみたくて読んでみた。 あぁ、やはり原作者の想いなんだなというのが確認できてよかった。昭和40年男の感慨は、国境を越えてドイツと日本で響きあった。 作品としての感想は、映画の鑑賞メモに記したので、そちらに譲ろう。ともかく、 「自分が14の時、何をしでかしたか!? 忘れた人、忘れたふりしてる人、必見!」 の内容。 原作は、文章で読むだけあって、映画よりもう少し思索に富んでいるし、14歳の「僕」の視点で描かれるが故の、世界に対する瑞々しい発見があって趣き深かった。 つまり、原作者のヴォルフガング・ヘルンドルフが、よくも14歳の気持ちになれたな、ということの驚き! ”「弁護士を呼んでください」。 (中略)このセリフがなにを意味するのか、僕自身がさっぱりわかってないってこと。” ”この車を流れている電気と、物理のときにやったワイヤーを流れている電気とじゃ、まったく違うものに思えた。ここはパラレルワールドなんじゃないかっていうような。でもどっちかというと、あの物理の授業のほうが、パラレルワールドなのかもしれない。” これらの気持ち、50を手前にしたオヤジにはなかなか書けないぞ、と思いながら読んだ。そうだ、そうだ、14のあの頃なら、こんな風に考えたろうな、という表現が随所にあった。原作者は、どうやって40年近く時を遡って、主人公マイクの気持ちを表現できたのだろうと不思議でならなかった。 映画も、原作も、それぞれに良さがあって、どちらも良い作品だったなあ。 タイトルの変遷が面白い; 「TSCHICK」・・・原作 「14歳、ぼくらの疾走(マイクとチック)」・・・邦訳 「50年後のボクたちは/TSCHICK」・・・映画(邦題/原題) 映画は、確かに50年後に会おうと約束する場面が印象的だった。原作はそこは意外とサラっとだった気がする。でも「TSCHICK」のひと言で済ますほど、原作のTSCHICKは、意外とインパクト薄い印象。むしろ、映画のチックのほうが大柄で迫力があり、映画の原題(原作と同じ)が、内容とのマッチングがベストだったかな。 翻訳本の「14歳、ぼくらの疾走」もいいタイトルだと思う。 自分の外の世界の全てが新鮮で、それでいて日常がたまらなく退屈だったあの頃の、何かをブレイクスルーしたい気持ちを、もう一度思い出させてくれた良作だった。 下記の発想も大好きだ。 「日曜日の明け方。チックにいわせると、四時がいちばんいい時間らしい。」 同年代の原作者、映画『Mesquite Coast』でハリソン・フォードが演じた主人公のセリフに感動したクチかな? コトを決断するにあたり必要なのは、ただの勇気ではなく、 「午前四時の勇気だ - 4 O'clock morning courage.」 と、つぶやくのだった。 午前四時の勇気を持って、何かコトを起こそうぞ!
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ドイツエンターテインメントの夕べで「日記は囁く」とともに紹介された一冊。冒険ですね!どんな展開になるのか楽しみながら読めました(^^)
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車は盗むし、ばれないようにナンバープレートも盗んでつけかえるし、はっきり犯罪の域に入っちゃってるんだけど、おどろくほど悪ぶってなくて、むしろきらきらするくらいすなおでかわいい14歳のふたり。なんだよ、これ、どうしてなんだよ、と思いながらぐいぐいひっぱられて読み切った。 いわゆるプロブレムノベルみたいな深刻な書き方はちっともしてないんだけど、よく考えるとふたりともけっこうひどい状況にはまっていたのよね。それをぶちやぶるには、アウトバーンをつっぱしるしかなかったのかもしれない。 そして最後には、父親と真っ向から正面衝突。かっこいい。 ママの断捨離も含めて、壁を突破することの爽快感と、でもそこに含まれる破壊的なエネルギーのあやうさを味わわせてくれる。そう、14歳ってのは、爆発的で、危険で、純粋なのだ。
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