公共入札・契約手続の実務 の商品レビュー

鈴木満(著者)

2024/08/30

☆令和５年４月の市長選挙？まとめるのに３か月…→今令和６年８月末日読了

2013年10月発行

会計法29条の３　自治法234条→一般競争が原則
予算決算及び会計令94条　自治法施行令167→指名競争できる場合

納税者の求める４条件　透明性，効率的（競争性・効率性），客観性，公正・公平性→恣意的に税金使う・政治家・役人のため×

見積り合わせ（２人以上から見積もり），特命随意契約（取引の相手方は発注者が決め，相対で価格を決める仕組み）の２種類

平成18年８月谷垣財務大臣通達「公共調達の適正化について」
随意契約によらざるを得ない場合→電気，ガス，郵便，出版社からの書籍，美術館等における美術品

☆事例紹介　市川市（市内業者で同じメンバーが付き合いで入札参加）

国交省が所管する２つの財産法人　経済調査会　建設物価調査会

工事完成保証人制度（平成６年に廃止・入札指名を受けた業者から選ぶ・談合破りで安く落札したら保証人になってくれない）

P45　契約担当者の発注能力不足　仕様書があいまい且つ不正確だと情報格差→安かろう悪かろう

工事の総合評価方式　発注者の発注事務が煩雑，行政コスト

P70予定価格設定のための見積徴取→情報格差を埋める努力必要（他の発注者に聞く，専門家コンサルを活用）

全社が予定価格を超過・業者が拒否権→入札参加者ゼロ物件の増加

P81顕微鏡を特命随意契約で長年調達→従来調達してきた機種を参考品・同等品可→業者が勝手に「発注者の本音は参考機種を求めている」と判断

工事品質の確保は発注者の責務　一般の商品であれば品質と価格が相関（連動）

P82立川市の事例　落札率と工事成績とは相関なし

平均額型最低制限価格制度，変動型☆ランダム係数…？？みんな最低価格で札入れしくじ引きを防ぐ仕組み

平成21年９月千葉県野田市　公契約条例　官製ワーキングプア対策→支払賃金の確認
行政コストがかかる（最小の経費で最大の効果を挙げるよう求める自治法抵触の懸念）
⇒他市への広がりは少数

談合防止マニュアル　国交省マニュアルの問題点→やりましたと素直に答える人まずいない

新しいごみ処理施設　平成22年　松阪方式☆水戸市と似たようなもの（専門委員，関係会議，発注のための仕様書作成委託…）

2016/04/27

真面目で堅苦しい本ではあるが、使用している用語が難しくなく、読みやすかった。

内容的には官公庁(というか大部分は地方公共団体)の入札制度の話で（契約の話はあまりない）、予定価格の公表非公表や最低価格の決定方法による入札行動の変化や各種入札方式のデメリット（総合評価落札方式で実際に会った不服申し立ての内容）等、タイトルとおり実務者向けな内容が主になっている。

事例紹介が主の本であるが、入札方式や最低価格の決め方は、オークションの理論なり行動経済学を用いて理論的な解を導き、当該理論値との間の比較、理論を基にした最適な決定方法の検討等が行われていれば、なお実務者には参考になったと思う。