三月 の商品レビュー
今のところ、大島作品に外れなし。 順風満帆に見える人間でも、みんな紆余曲折あるわけです。 そこを表現するのが巧い。 仕事に生きてマンションまで買い、犬と幸せに暮らしている人は失業に悩み 稼ぎのいい夫と可愛い娘と幸せに暮らしている人は夫の浮気(浮気じゃなく本気だと啖呵を切られた...
今のところ、大島作品に外れなし。 順風満帆に見える人間でも、みんな紆余曲折あるわけです。 そこを表現するのが巧い。 仕事に生きてマンションまで買い、犬と幸せに暮らしている人は失業に悩み 稼ぎのいい夫と可愛い娘と幸せに暮らしている人は夫の浮気(浮気じゃなく本気だと啖呵を切られたわけだけど)に悩み 誰もが認める美人でお金持ちのお嬢様は、長年の恋に破れ いつまでも仲良し夫婦で通っている女性は、共通の友人の自殺に夫が絡んでいるのじゃないかと疑心暗鬼していたり 夢をかなえてアメリカで役者として成功している女性は、じつはそんなことは全て嘘で、挫折と失敗を繰り返しながら日本に帰る勇気もなく一人で暮らしていたり。
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彼は本当に自殺だったのか?から始まったのでミステリー要素があるかと思いきやほぼ無し。一本の電話をきっかけに短大時代の仲間が集い、卒業後の20年をそれぞれが振り返っていく。変わらないね、私達もそう思うしそう言い合いますが、変わらないわけもなく。確実に刻まれる年齢と経験の皺。そんなの...
彼は本当に自殺だったのか?から始まったのでミステリー要素があるかと思いきやほぼ無し。一本の電話をきっかけに短大時代の仲間が集い、卒業後の20年をそれぞれが振り返っていく。変わらないね、私達もそう思うしそう言い合いますが、変わらないわけもなく。確実に刻まれる年齢と経験の皺。そんなのを一気に飛び越えてあの頃に戻れる貴重な時間。震災に絡めたラストには少し違和感もありましたが、それぞれ、本当にそれぞれの年月を経た今とこれからが幸せであるように…作品中の同年代の彼女たちへ…心からそう願います。
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短大時代の同期と20年を経て電話で繋がり再会する物語。といってもそれぞれの章ではひとりひとりのその頃と今を丁寧に描いており、同じくらいの年ごろの私としてはとても共感できるし、リアリティがある。 学生時代の友だちが亡くなってしまったところの云々は再会の序章と思っていたが、阪神淡路、...
短大時代の同期と20年を経て電話で繋がり再会する物語。といってもそれぞれの章ではひとりひとりのその頃と今を丁寧に描いており、同じくらいの年ごろの私としてはとても共感できるし、リアリティがある。 学生時代の友だちが亡くなってしまったところの云々は再会の序章と思っていたが、阪神淡路、東日本大震災を経ての命の尊さと生きる力強さに繋がっていくとは…。最後の部分はやや駆け足気味なのは否めず少し残念だが、全編を通じて心の機敏も丁寧に描かれた良作だと思う。
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知らずに借りたが震災関連の作品だったか。人生色々、そんな話かと思いきや突然の震災。そのぐらいのショックがなければ動き出せないことも確かにあるかもしれないけども、うーーーん。話自体は面白く読めた。
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学生時代を共にした女性6人のそれからの20年。あの頃思っても見なかった、だけど当たり前の「生きることの難しさ」が書かれていた。 自分の10年後のような気がして気が滅入った。 2014.7.27
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良かったです。私も彼女たちと同じくらいになったら学生時代の友だちと旅行にいきたいなぁ。 バリバリ稼いで、男友だちも沢山いて、恋愛にはクールで…就職で遠く離れたのもあるけれど、あの頃の私とは違いすぎて、その違いを知らせたくもなくて会うのが億劫になってしまっていた。けれどやはり生きて...
良かったです。私も彼女たちと同じくらいになったら学生時代の友だちと旅行にいきたいなぁ。 バリバリ稼いで、男友だちも沢山いて、恋愛にはクールで…就職で遠く離れたのもあるけれど、あの頃の私とは違いすぎて、その違いを知らせたくもなくて会うのが億劫になってしまっていた。けれどやはり生きているうちに会いたいな。久しぶりに電話をしよう。知られたくないことも正直あるけれど、それより話したいことがたくさんあるよ。
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短大を卒業してから20年経って、仲の良かった友人6人が連絡を取り合う中で、学生時代の男友達との関係のことや、その後のそれぞれの人生が描かれている。大きなドラマは無いが、いろいろな想いで歳月を重ねている女性を暖かく表現している。
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三十路を迎え、それぞれの「平凡ながらそれなりに激動な」人生を送っている6人の同級生たち。彼女たちは、一人の同級生の電話によって、過去を思い出しまた向き合うことになる。一人の男子学生の自殺は、ほんとうに自殺だったのだろうか。すでにすべてが済んだその疑問から、彼女たちの過去と現在が交...
三十路を迎え、それぞれの「平凡ながらそれなりに激動な」人生を送っている6人の同級生たち。彼女たちは、一人の同級生の電話によって、過去を思い出しまた向き合うことになる。一人の男子学生の自殺は、ほんとうに自殺だったのだろうか。すでにすべてが済んだその疑問から、彼女たちの過去と現在が交差して、それぞれにさざなみをたてていく…。 ほのぼのとした、口語体混じりの軽い筆致で、さりげなく「イイ歳した」女性たちのリアルな姿を浮き出していきます。何気ない会話から、それが浮き立ってきて形を持っていくので、流されるように読んでいたら、突然「え!?」とびくっとしてしまうことも。そういったことは普通の会話でもあることで、それだけ自然な流れ、ということなんでしょうね。 彼女らの悩みは、なにか事件を起こしたりというような結果にはならず、そしてまた劇的に解決をするわけではありません。けれども、それでも、ポジティブにやっていこうという姿勢を、この再会が生んだのは間違いなく、そう考えれば「友達」の絆というもののたくましさ、かけがえのなさをひときわ感じられるのです。 タイトルの由縁はお察しのとおりというか。 ただ自然にめぐってきたひとつの「事件」として描かれており、不自然な印象はなく、その過酷な現実をも受け止めて生きていく彼女達の姿にこそ、この物語のキモはあるわけでしょう。彼女たちは強い、わけではない。けれども強く生きようとしている、それがわかるから、とてもすがすがしく、そして未来を祈りたい気持ちに、させられるのです。
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先に読んだ大島さんの作品『チョコリエッタ』が、私の中で評価がかなり低かったものだから自分でもびっくりです。すごく良かった! 短大の同窓会の案内が届いた事をきっかけに、今まで疎遠になっていた女友達と連絡を取り合っていく過程が描かれています。40歳になる彼女達。私も今年36歳になる...
先に読んだ大島さんの作品『チョコリエッタ』が、私の中で評価がかなり低かったものだから自分でもびっくりです。すごく良かった! 短大の同窓会の案内が届いた事をきっかけに、今まで疎遠になっていた女友達と連絡を取り合っていく過程が描かれています。40歳になる彼女達。私も今年36歳になるのでとても感情移入しやすかったです。30歳以上の女性は共感できる部分が多いのではないでしょうか。 大人になった今改めて感じるのは、若い時、特に学生時代はなんだかんだで特殊な環境ですよね。周りはみんな同世代で、気の合う仲間だけと関わり合っていれば済むし、それが許される。 社会にでてみると、その世界がいかに狭い視野で出来たものでいかに自由な環境だったんだと思い知らされます。 生きるという事は厳しい。一生懸命に生きていても、いい事も悪い事も突然思いもよらぬ方向に転がったりと。 それぞれが別々の人生で、一生懸命今を生きている姿がとても良かったです。また、友達っていいな、捨てたもんじゃないなと思えたラストもまた心に残りました。
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短大時代の友人たちが40歳になり あるきっかけで集まろうとする。 あるきっかけとは仲良くしていたグループの中の 森川雄士という自殺または事故でビルから 落ちて死んでしまった友人がグループの一人のノンの夢に 出てくること。そこからノンが短大仲間に連絡をとり、 みんな色々な事情があり...
短大時代の友人たちが40歳になり あるきっかけで集まろうとする。 あるきっかけとは仲良くしていたグループの中の 森川雄士という自殺または事故でビルから 落ちて死んでしまった友人がグループの一人のノンの夢に 出てくること。そこからノンが短大仲間に連絡をとり、 みんな色々な事情がありながらも、ノンの結婚先の 東北で集合することになる。 40歳にもなると一人一人に色々な事情があり、 一人は会社が倒産して無職、一人は親の介護に追われ 一人は中々子供が出来ない、一人はバツ一子持ちと 結婚して中学生の継母になっている。 一人一人がオムニバス形式で主役になって物語が 紡がれているのでとてもよみやすく、その人の 背景もよくわかってよかった。 20年ぶりでも、当時の楽しい思い出を共有しているからか 会ってからはすぐにその時代に戻ってとても楽しく 過ごすことができていて、そうだよな、思い出って 一緒に過ごした時間って目には見えないけど かけがえのないものなんだよなってしみじみ思った。 やはり女性は結婚や出産で独身時代の友人関係を 継続して続けることは難しく、疎遠になってしまうことも あるけれど、大切な時間を共有した仲間たちとは あっという間にその時間に戻れるんだなって思った。 最後に震災があり、話がまとめられているんだけど それぞれ前に向かって進んでいく様子が好ましく 元気をもらえる物語だった。
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