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恋しくて の商品レビュー

3.8

92件のお客様レビュー

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2013/10/23

村上春樹が翻訳したものと書き下ろしたものが入ったラブストーリーの短編集。 翻訳の方は、純粋な気持ちになれるものと渋い感じのものと両方楽しめました。書き下ろし小説は、カフカの「変身」のその後といった趣のもので、正直ちょっと気持ち悪いとも感じたのですが、でも「恋する気持ちはみんな同じ...

村上春樹が翻訳したものと書き下ろしたものが入ったラブストーリーの短編集。 翻訳の方は、純粋な気持ちになれるものと渋い感じのものと両方楽しめました。書き下ろし小説は、カフカの「変身」のその後といった趣のもので、正直ちょっと気持ち悪いとも感じたのですが、でも「恋する気持ちはみんな同じだよね!」と思います。

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2013/10/20

村上春樹作「恋するザムザ」 マイリー・メロイ「愛し合う二人に代わって」 デヴィッド・クレーンズ「テレサ」 の三編のみ読む。 途中であるが、あまり好まない作品であった。

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2013/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

10編の小説(9編は外国の小説の翻訳、1編は村上春樹さんの書き下ろし)を見渡してみての感想。 一番好きだなと思ったのは、一編目の「愛し合う二人に代わって」でした。村上さんも評する通り、設定はちょっと変わってますが、いかにもアメリカっぽく、ストレートなストーリーで、読後感は、春先の爽やかな風が吹き抜ける感じです。 一番切ないなと思ったのは、二編目の「二人の少年と、一人の少女」。こういうシチュエーションに陥っていた時があります。より男の方が共感できるお話でしょうか。苦甘酸っぱい感じ?! 今年のノーベル文学賞を受賞されたカナダのアリス・マンローさんの「ジャック・ランダ・ホテル」は、小説としての完成度が一番高いと思いました。文体も好きです。しかしそれは村上さんが訳しているから私の好きな文体になっているのか、原文を英語で読んでもそう思うのかは分かりせん。いずれにせよ、ノーベル文学賞最有力候補の作家が翻訳するノーベル文学賞受賞者の小説。何かぜいたくな気分! 村上さん書き下ろしの「恋するザムザ」は、設定が一番凝っているなと思いました。しかしこれは恋愛小説なのだろうか?(笑) 「L・デパードとアリエット~愛の物語」は不思議なお話です!村上さん評するように、短編なのに壮大な叙事詩という印象。ラストは穏やかに受け取れましたが、途中は辛い! 「恋と水素」は史実にアイディアを借りて書かれたものだそうで。設定は面白いです。まあ好きにはなりづらいですが。 「テレサ」は幼い恋愛。「甘い夢を」は純文学っぽいです。 全体的には満足できる短編集でした。結構おススメ!

Posted byブクログ

2013/11/01

どれもいいんだけれども。こう、バランスがとれててストーリーとして面白いなあと思ったのは、ノーベル文学賞受賞のアリス・マンローのジャック・ランダ・ホテルかなあ。しかし、私がぐっと心を掴まれた、本当に好きだと思ったし怖いと思ったのは、ペーター・シュタムの甘い夢を。盲目的な幸せと、二人...

どれもいいんだけれども。こう、バランスがとれててストーリーとして面白いなあと思ったのは、ノーベル文学賞受賞のアリス・マンローのジャック・ランダ・ホテルかなあ。しかし、私がぐっと心を掴まれた、本当に好きだと思ったし怖いと思ったのは、ペーター・シュタムの甘い夢を。盲目的な幸せと、二人の違う人間が相対していることによる微かな軋み、しかしそれを受け入れまいと目をつむる感じや、受け入れて落ち込む感じ。なにもかもが心に刺さる。このイノセントさも。若いということは、イノセントということなのだろうか。やっぱりこれ、自分の年齢や、自分の人生が現在置かれている場所によって心惹かれる話が違う気がする。裏を返せば、そんな様々なお話が入っているということ。一話ぺろりと書いてしまった感のある村上春樹の恋するザムザについては、遊び心もあって春樹らしい内容。以下に、私が一番好きだった甘い夢をの村上春樹の解説を一部抜粋しておく。 やがて時の経過とともに過去のものとなってしまうであろう、若い男女の純粋でイノセントな日々。湖では水死体が発見されるし、犬たちは毒殺されている。テレビはすぐに映りが悪くなる。そのような冷ややかなすきま風な、窓の隙間から僅かに吹き込んでくる。しかしまだしばらくのあいだ、二人はお互いの温もりを感じあいながら、幸福に暮らし続けるだろう。

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2013/10/15

村上春樹が選び訳した海外恋愛短編集+自身の書き下ろしが一編。今年のノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローのものもあります(ただしこれは春樹氏ではなく柴田元幸氏の推薦)各文末についている春樹氏の解説と、自分の感想をすり合わせるのが面白かった。 「愛し合う二人に代わって」マイリー・...

村上春樹が選び訳した海外恋愛短編集+自身の書き下ろしが一編。今年のノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローのものもあります(ただしこれは春樹氏ではなく柴田元幸氏の推薦)各文末についている春樹氏の解説と、自分の感想をすり合わせるのが面白かった。 「愛し合う二人に代わって」マイリー・メロイ 「テレサ」デヴィッド・クレーンズ 「二人の少年と、一人の少女」トバイアス・ウルフ 「甘い夢を」ペーター・シュタム 「L・デバードとアリエットー愛の物語」ローレン・グロフ 「薄暗い運命」リュドミラ・ペトルシェフスカヤ 「ジャック・ランダ・ホテル」アリス・マンロー 「恋と水素」ジム・シェパード 「モントリオールの恋人」リチャード・フォード 「恋するザムザ」村上春樹

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2013/10/15

村上春樹選定&訳の「いろんなレベルの恋愛小説集」。 ー ー初心者の震えも、上級者の迷いも、「恋する心」に変わりはありませんーーという帯も、 竹下夢二「黒船屋」の表紙絵も、“少女”(#^.^#)の心をくすぐります。 . 春樹さん書き下ろしの小説が入っている、とあれば、たった一作で...

村上春樹選定&訳の「いろんなレベルの恋愛小説集」。 ー ー初心者の震えも、上級者の迷いも、「恋する心」に変わりはありませんーーという帯も、 竹下夢二「黒船屋」の表紙絵も、“少女”(#^.^#)の心をくすぐります。 . 春樹さん書き下ろしの小説が入っている、とあれば、たった一作であっても、そしてとても短いものであっても、それは買わなければいけないでしょう。(#^.^#) で、もちろん、一番最後に収録された「恋するザムザ」から読み始めた私。 ザムザとくれば当然カフカなのだけど、これはまさに「変身」のその後、という設定。 なんとザムザはまた人間の身体に戻って、でも、変身していた間のことは何も覚えていないどころか、その前の人間だった時のことも記憶にないという…。 よほど長い間を大きな虫として過ごしたあげく、ということになっているらしく、例のベッドの上で目を覚まして非常に戸惑いながらも徐々に体を起こしていく過程が、よいしょ、よいしょと声をかけてあげたくなるようなおぼつかなさで、哀れというか、可愛いというか。 カフカは「変身」を笑いながら書いた、というような話があるけれど、昔々に読んだそれは私にはとても笑えるものではなく、特に最後に家族から打ち捨てられる怖ろしさには、なんなんだ、これは~~!と思った覚えがあります。 で、春樹さんは、その笑いのテイストをとても優しく後日談としての春樹物語にしてくれて、ようやく私にザムザを完結させてくれたんですね、なんて、まるでずっと彼のことを気にしていたみたいに思ってしまったのが可笑しいです。 恋愛小説集なのですから、当然ザムザの前にも女性が現れるわけですが、その彼女がまた、実に味わい深い!! 差別用語をあえて使った、背中にハンデを持つ錠前屋の娘が“変態ファック”について語る口調の諦観というか強さというかがとても好き。 ザムザが部屋に閉じ込められている間に彼の街はとうとう戦闘状態に入ったようで、そんな非常事態の中での“恋”が滑稽で、哀しくて・・・。 後書きもよかったです。 しかしここに収められた作品をひとつひとつ読んでいくと、人を恋するというのもなかなか大変なことなんだな、と改めて痛感しないわけにはいかない。あなたの場合はいかがですか?僕個人の場合もーいちいち細かく説明しているような紙数はないけどーそれなりに大変でした。  でもたしかにいろいろと大変ではあるのだけれど、人を恋する気持ちというのは、けっこう長持ちするものである。・・・・       う~~ん、引用を始めると切りなく続けてしまいたくなるので、こんな半端なところで切ってしまいますが、 「またあなたに会えるだろうか」と尋ねるザムザに 「誰かに会いたいとずっと思っていれば、きっといつか会えるものだよ」という娘の答えが、言ってしまえばかなり陳腐な物言いであるのに、なんでこんなに優しく響くのか。 春樹さんは今年もノーベル賞には当たらなかったけど(ご本人は欲しいとも思ってないんでしょうね。私はくれるんだったらもらってほしいな、って思いますけど。)ぽつりぽつりと新作を発表してくれるのが何よりファンには嬉しいこと、なんて、それこそ陳腐なフレーズで〆ることにいたします。

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2013/10/13

村上春樹のお眼鏡にかなった北米の作家たちによる短篇を9篇収録+最後に御大自身の小品という構成。中にはちゃんと本年度のノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローの作品も入っていて、なかなかに慧眼。もっとも、彼女の作品は柴田元幸氏の選らしいのだが。収められた短篇はいずれも大人の恋を描い...

村上春樹のお眼鏡にかなった北米の作家たちによる短篇を9篇収録+最後に御大自身の小品という構成。中にはちゃんと本年度のノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローの作品も入っていて、なかなかに慧眼。もっとも、彼女の作品は柴田元幸氏の選らしいのだが。収められた短篇はいずれも大人の恋を描いて洒脱な風情を漂わせるものばかりだ。村上春樹も若くないのだ(これはいい意味で)。篇中では「モントリオールの恋人」が白眉か。なお、作品集のタイトル『恋しくて』には違和感が否めない。『ラヴ・ストーリーズ』でよかったのではないだろうか。

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2013/10/12

やっぱりこの方、小説家としてよりも翻訳家としてのほうがいいよね。 最初の「愛し合う二人に代わって」がよかった。

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2013/10/07

翻訳でも春樹ワールドを出せるところが流石。 個人的には、村上春樹の短編「恋するザムザ」最初の作者自身の紹介のラスト一文がハルキストにとってたまらないのではないかと。少なくとも私にとっては、あの小洒落たユーモアがたまらなく愛しくて憎くて、やっぱり大好きです。 本編に関係なさすぎてレ...

翻訳でも春樹ワールドを出せるところが流石。 個人的には、村上春樹の短編「恋するザムザ」最初の作者自身の紹介のラスト一文がハルキストにとってたまらないのではないかと。少なくとも私にとっては、あの小洒落たユーモアがたまらなく愛しくて憎くて、やっぱり大好きです。 本編に関係なさすぎてレビューと呼べないけれど、たまにはこういうのもいいじゃない(笑)

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2013/10/05

始めの2つ3つくらいまでが、結構ストレートめのラブストーリーだったので、「ん?」と思ったが、その後からは、癖のあるものも。 「モントリオールの恋人」が読みやすいながらもひねりがあって面白かった。 村上描き下ろしは、力が抜けていて、筆者が楽しんで書いた印象。ザムザが女の子に恋して...

始めの2つ3つくらいまでが、結構ストレートめのラブストーリーだったので、「ん?」と思ったが、その後からは、癖のあるものも。 「モントリオールの恋人」が読みやすいながらもひねりがあって面白かった。 村上描き下ろしは、力が抜けていて、筆者が楽しんで書いた印象。ザムザが女の子に恋してしまうきっかけには、思わず笑ってしまった。

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