1,800円以上の注文で送料無料

海賊女王(下) の商品レビュー

4.3

40件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かったー。 とにかく話が細かいので、詳細を忘れないうちに、と一気に読んだ。 流石に後半は息切れしたけど、上巻よりも下巻の方が面白かった。 一気にみんなが歳をとっていく様は笑った。が、そこからが長いのでした。 下巻、まずは登場人物一覧が職を放棄してて困った。 必死でヘンリー・シドニーを探した5分間を返して欲しい。 隻眼の商人みたいな雑魚キャラすら上巻では載っていたのになぜ。。。 そして下巻ものっけから誤字。 イニシュモア島はアラン諸島でしょ。正しくはイニシュケア島だ。 ずっとクレア島のクレア城=ベルクレア城だと思っていたので、途中で違う城だと知ってびっくり。 ちゃんと全部地図に載せてくださーい。 あとの版では修正されているのを願う。 ワイルドな戦争が続くアイルランド編よりも、イギリス編の方が権謀術数で面白いなと思ったけど、こっちも本当に血みどろで嫌な世界だ。 イギリス編にでる登場人物の多くが、私が既に、マンガ7人のシェイクピアで見かけていた人物だったので理解が早かった。ありがとう。 グローニャとエリザベスの会見が全てにおけるハイライトなんだろうけど、そこが全然登場しないのが面白い。 でも結局、イギリスに屈するか、仲間内で揉め続けるアイルランドで戦えるのか、で迷っていく。 敵の敵は味方のはずが、なんとも複雑に族長同士が絡み合っていく。 ヒュー・オニールは史実ではこのあとどうなったんだろうと心配だったけど、処刑されたりはしなかったらしいと知りホッとした。 むしろ刑死したのはエッセクス伯とウォルター・ローリーという皮肉。 (しかもエッセクス伯の奥さんがウォルシンガムの娘ということに加えて、ヘンリー・シドニー未亡人だったとあとで知ったので、ここにメモしておく) ネタバレにチェックしたので書いちゃいますけど ロイ!やっぱりいたんかーい。しかし意外と軽い扱い。死に方が辛い。 ハウと騙されてた兄ショーンはどうなったの。いつのまにか消えてて笑った。私が盛大に見逃しただけ? 私はてっきり、ナサニエル=オーランドかと思ってた。そうか、ネルのほうに秘密があったのね。 クリフォードさん、かわいそす。いい人だったのにゆっくり沼に沈んで死んだおじさん。 オウエン、やっぱりかわいそうすぎませんか。マロウより可哀想だよ。 そして、オシーン!!死んじゃって、、、あうあうあ。私もオドンネルの皮剥ぎ手伝うzeeeと思った。 支配者が善人のほうが手に負えない、じわじわ懐柔されていく、という流れにはなんとも言えなくなった。じっさい、ティボットにはその考えが起きていく。 同じゲールでも、同じクラン(族)でも世代や個人で考えも変わるし、一枚岩にはなりきれない。過去の怨嗟も周囲のクラン同士に蔓延る中、手を携えてイングランドに蹶起しようというのは確かに難しい。 なんとか関係を作り上げたアイルランド総督も、数年で交代していく。 次のやつとまた一から関係を作らねばならず、どんな人間か来るかは賭けに近い。 それに大きく左右されていくアイルランド庶民たちの命。 他国からの支配を受けていく、というのはとんでもなく苦しいことだ。 実際、アイルランドの紛争は島を二分し、今も深い深い禍根を残していく。 クロムウェル以前にもうこんなにドロドロなんだし。 アイルランドは北海道より少し大きいと栩木さんの本に繰り返し書かれているが、歴史もやはり似ていると思う。 松前藩もそれなりに彼らを搾取し、差別してきたことは「黒船前夜」でも読んだ。 幕府が長らく蝦夷地に無関心だったのが、アイルランドより幸運だったのかも。 以下は余談。 グローニャネキがアランと体の関係を持つのはまあありそうな展開なんだけど、うっすら嫌だった。でもまあ描写がアッサリしてるからいいか。いや、でも。みたいな気分で読んでいた。 この2人ってほとんど家族だし、同志、相棒、従者、夫的存在、となるんかなあ。長年の絆ってことで。 下巻でいろんな人が消えているのはなんだろう。 ブローナンとかクールミーンが空気すぎる。 そしてあんなに思わせぶりだった、トイリーの過去は出てこないのかよーーー。ちょっと拍子抜けでした。 ビンガムは外道&邪道ですが、植民地での戦争ってこういう奴が死ぬほどいたに違いない。イギリスに限らず。でもイギリスが世界中でやったことがこれだよね。 最後に。1番の功労賞は船でも砲台でもなく、鳩だよなあと思った。

Posted byブクログ

2021/06/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全体的に興味深かった。 ただ、私の場合は、特にロバート・セシルに興味を持っていったので、オーランドの秘密が知れたあたりからは雑に感じた。ロイも再会までは面白かったのに再会したあとは呆気なく感じたし、オーランドも結局オーランドの気持ちがよくわからなかった。 ただ時代と題材は興味深かったし、文章も面白かった。読ませたいものと読みたいものが違った印象。

Posted byブクログ

2018/08/05

『聖餐城』同様、まだ海の狩人たちが横行していた時代のイングランドを舞台に繰り広げられる歴史小説。流血と略奪、この世の恐ろしいもの全てを生きるために使う男たち。言わずもがな、主従とも魂の双子ともいえるグラニュエルとアランが物語を彩っていましたね。

Posted byブクログ

2016/04/24

休日に一気に読みました。たのしかったなぁ。最後までアイルランドの運命がどう転ぶのかわからず、入り込んでしまった。 ラストもいいですね、こんな終わり方。映画みたいです。

Posted byブクログ

2016/03/22

2016/02/某。 図書館。二週間程で了読。 皆川さん神過ぎ。 アイルランドに行きたくなった。ロンドンもまた行きたいな。

Posted byブクログ

2016/03/19

アイルランドとイングランドのせめぎ合いを背景に描いた女海賊の冒険譚、下巻です。 小生意気な少女だったグローニャも四十歳を過ぎ、分別や交渉を覚えるようになっても陣の先頭に立って戦いに挑むさまは変わらない。うう、ひたすらに恰好良いのです。それでいて、ようやく目覚めた母性を見せる一面や...

アイルランドとイングランドのせめぎ合いを背景に描いた女海賊の冒険譚、下巻です。 小生意気な少女だったグローニャも四十歳を過ぎ、分別や交渉を覚えるようになっても陣の先頭に立って戦いに挑むさまは変わらない。うう、ひたすらに恰好良いのです。それでいて、ようやく目覚めた母性を見せる一面や、相変わらず艶のある女である一面、という多面性が彼女の魅力をさらに引き立たせます。そしてアランとのゆるぎない信頼関係が、とてもうつくしくたくましく、一心同体の生き方というもののストイックさ、貴さを感じさせてくれました。 物語はグローニャ達には過酷な方向に進み、何度も悲惨な目に遭っていきます。けれどもそれでも信じる道を誤らず、ひたすらに自らたちのために生きた彼女と彼女の「男たち」の生きざまがとても胸に迫ってきたのでした。ここまで後悔なく生きることを貫くということはなかなかできるものではないでしょう… エリザベス女王と取り巻く男たちの権謀術数、意外な出自を持っていた彼や彼女、とさまざまな伏線もめぐらされ、贅沢にどっぷりと海賊の冒険譚を楽しめました。 本当に皆川先生は不世出の作家だと思います…!

Posted byブクログ

2015/12/23

読み切ったー! けど最後の方はだれたなぁ。なんか展開が一緒で代わり映えがしないとゆーか。 ロイとの再会、またロイの死とか、なかなか衝撃的なことがけっこう淡々とかかれていたなぁ。 2015.12.23

Posted byブクログ

2015/12/03

アイルランドを舞台にした作品は初めて読んだけど、改めて、じわじわと侵入してくるイングランドとの闘いの大変さを感じた。

Posted byブクログ

2015/11/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

イングランドの侵攻が続くが、ゲールの各クランは内部対立を繰り返す。イングランドでのロバート・セシルとエディンバラ公の対立をはさみつつ、息子をとらわれたグローニャがエリザベス女王へ開放嘆願を行う。 イングランドの脅威と、ゲールの誇り、クランの平和に板ばさみになりながら、次世代に望みを託して最後の先頭にグローニャと男たちは向かう。 魅力的なキャラクターが多いが、すっと退場していくので淡々とした感じがあるが、アランが家族をもったせいか当事者的な態度がまして話に乗りやすくなっている。

Posted byブクログ

2015/09/22

ものすごいボリューム。女海賊、グラニュエルの一代記。1600年ごろのイングランドのアイルランドへの侵攻や統治、スペインとの関係をものすごく細やかに書いてあった。前半はゲールのクラン同士の戦いなど、比較的小さな範囲の話だったが、後半は対イングランドの色が強い。 人が簡単に殺され、処...

ものすごいボリューム。女海賊、グラニュエルの一代記。1600年ごろのイングランドのアイルランドへの侵攻や統治、スペインとの関係をものすごく細やかに書いてあった。前半はゲールのクラン同士の戦いなど、比較的小さな範囲の話だったが、後半は対イングランドの色が強い。 人が簡単に殺され、処刑される、そんな恐ろしい時代。 とにかく戦闘描写ばかりで、なかなか血なまぐさい。同じ人物が違う名前で出てきたり、相続したり、小さな事件が出てきたり、とにかく人物が多いのと、出来事が細々と続いて理解が追いつかないところもあった。

Posted byブクログ