悪の引用句辞典 の商品レビュー
手軽で面白かった!ただなんとなく著者の言説の自己矛盾がいろいろなところに出ているので半分ぐらいに読むとちょうどいいと思う。主に著者がいうところの自己中心的な人がマジョリティで生きている世の中で果たして利他的に生きることは可能か?というところだ。たいていの場合、仕方なく自己中心的に...
手軽で面白かった!ただなんとなく著者の言説の自己矛盾がいろいろなところに出ているので半分ぐらいに読むとちょうどいいと思う。主に著者がいうところの自己中心的な人がマジョリティで生きている世の中で果たして利他的に生きることは可能か?というところだ。たいていの場合、仕方なく自己中心的に生きざるを得ないことになっていてそれが連鎖している。 いずれにせよ、諦めがつくまでがんばらせることを許すというのは非常に大切だ。 欧米人にとって言葉はすべて他人の言葉であり、人間のオリジナリティは言葉の運用部分にしかないという認識がある。
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「悪の」とついているのは、引用されているのが悪人という意味ではなく、「善は変数だが、悪は常数」という著者の理念によるらしい。 内容は、古典や論文の一節を引用し、それと現代社会とを照らし合わせた著者の考察が記述されている。約70の著者・作品が紹介されていて、それぞれについて概略が...
「悪の」とついているのは、引用されているのが悪人という意味ではなく、「善は変数だが、悪は常数」という著者の理念によるらしい。 内容は、古典や論文の一節を引用し、それと現代社会とを照らし合わせた著者の考察が記述されている。約70の著者・作品が紹介されていて、それぞれについて概略がつかめるのも良い。またテーマが政治・経済・教育などに分類されていて、それぞれについて多用な視点も得られる。 毎日新聞の連載の書籍化ということで、特に政治について時事ネタが魅力を失っているのが残念。
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フランスのバカロレアでは、引用がどれくらい効果的に行えるか、という能力が試される面もあるという。 引用重視は聖書読解からくる文化では、と。だからなのかわからないが、僕は名言集は好まない。 しかしこの本は、引用句辞典といいながらも、引用句を巧みに操って「ついでに」自分のイイタイコト...
フランスのバカロレアでは、引用がどれくらい効果的に行えるか、という能力が試される面もあるという。 引用重視は聖書読解からくる文化では、と。だからなのかわからないが、僕は名言集は好まない。 しかしこの本は、引用句辞典といいながらも、引用句を巧みに操って「ついでに」自分のイイタイコトを言う、というものである。しかも「悪の」。 いきなり「愛国心は悪党の最後の隠れ蓑だ(サミュエル・ジョンソン)」。アハハハハ。そして著者は「愛国心は悪党の最後の隠れ蓑だ、という言葉こそ悪党の最後の隠れ蓑だ」と。もう、悪党だらけだね。 夏目漱石の「現代日本の開化」から、「面倒くさい」と「楽しい」を「考える」で結ぶことを忘れると亡国へとつながっていく、と。おお、まさに亡国一直線だ…。
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p.208に「生涯の伴侶を選ぶときには好きなものが一致する人よりも嫌いなものが一致する人を選べ。」という一行が印象に残った。 確かに我々は好きなものに目を向きがちなんじゃないかと思う。視点を変えて嫌いなものが一致する相手も選ぶのも悪くはないだろう。
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