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ミストレス の商品レビュー

2.8

20件のお客様レビュー

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  5. 1つ

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2020/08/10

【計り知れない女の謎】霧のような雨の日に読了。渇きを感じるからか、天候にはよく合う作品かなぁ。5短編ホラー⁈うーん官能の部類なのか…。「ミストレス」必要だと心で叫ぶ幻惑心の叫びは響く。ただ他は物足りなさを感じ3作品で途中下車。男性はこの作品のような女性を求め守りたくなるものなのか...

【計り知れない女の謎】霧のような雨の日に読了。渇きを感じるからか、天候にはよく合う作品かなぁ。5短編ホラー⁈うーん官能の部類なのか…。「ミストレス」必要だと心で叫ぶ幻惑心の叫びは響く。ただ他は物足りなさを感じ3作品で途中下車。男性はこの作品のような女性を求め守りたくなるものなのか。羽毛に包まれたような安らぎは男女とも求めたくなるものだと思うけど今作では私は安らぎに落ちていけなかった。私には再読が必要なのかな。

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2018/08/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

5編からなる短編集。 最後の「紅い蕎麦の実」がよかったので★3つ。 読み終わり、官能小説特集に寄稿したものという記述に描写が濃いなぁと違和感を持っていたので腑に落ちた。 残りの4編、特に「宮木」は世界観と長さが合わず、まとまりきらない印象が強く残った。短編はまとまらないのも、スッキリ終わらないのも余韻として必要だとは思うけど、そこをこえて物足りなさを感じた。

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2017/11/09

男女間のちょっとミステリアスなエピソードを綴った短編集。 ●ミストレス 妻と一緒に行ったコンサートで不思議な夢を見た麻酔医者。夢のことが頭から離れず、彼女の手掛かりを求めるうちに、意外な事実を知る。 ●やまね 同じ会社の派遣社員結衣に好意を感じた翔は彼女に接近し、恋人関係に。...

男女間のちょっとミステリアスなエピソードを綴った短編集。 ●ミストレス 妻と一緒に行ったコンサートで不思議な夢を見た麻酔医者。夢のことが頭から離れず、彼女の手掛かりを求めるうちに、意外な事実を知る。 ●やまね 同じ会社の派遣社員結衣に好意を感じた翔は彼女に接近し、恋人関係に。だが、ある日結衣が音信不通になる。結衣の友人であり現恋人であった真弓から、結衣が低温体質でまもなく冬眠に入ると聞かされる。 ●ライフガード 恋人祐二を亡くした夏帆は、生真面目なだけが取り柄の4つ年下の治行と結婚式をあげ、プーケットへ新婚旅行にやって来た。そこで祐二そっくりの海のライフガードの男性をみかけて、夏帆はひどく驚く。 ●宮木 ゲリラ活動を追っていた男が12年ぶりに日本へ戻ってきた。音信不通にしていた妻のもとを訪れると、以前と変わらない態度で出迎えてくれた。だが、彼女には隠された秘密があった。 ●紅い蕎麦の実 酒への依存症をかかえながら、地元の援農グループに参加をはじめた主人公の男性。そこで知り合った女性の秘密にある日気が付いて驚くことに・・・・。 あちこちにありそうな男女の秘め事が さらりとしたタッチで描かれていた。 篠田さんにはめずらしく、 官能的な描写の作品もあるなと思ったが、 「あとがきにかえて」を読んで納得した。 5編のうち4編までが、 『小説宝石』の春の官能小説特集に寄稿した作品だったそうだ。 描写と文体だけで勝負しなければならない分野だったという。 篠田さんの新分野、力作だった。 個人的には、ホラーのほうが好みだが・・・。

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2016/04/28

官能小説として読むなら全然盛り上がらない。 しかも官能小説の4編は全部馬鹿な男の話。 もう一編もあまりあわず、 普通の長編読むがいいな。

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2016/02/02

短編集 どれも、男って…と思えるような内容。 唯一、ライフガードだけはどちらの男性も良かったな。 やっぱり長編の方が好みです。

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2015/12/03

5話のオムニバスだが、4話までは少なからずスピリチュアル系でもある。生と死のはざまで心が揺れ動く主人公をテーマとしている。しかし最後の「赤い蕎麦の実」は違う。SFでもスピリチュアルでもない。まぎれもない生きた人間同士だ。それにミストレスと言うタイトルは相応しくないようにも思う。一...

5話のオムニバスだが、4話までは少なからずスピリチュアル系でもある。生と死のはざまで心が揺れ動く主人公をテーマとしている。しかし最後の「赤い蕎麦の実」は違う。SFでもスピリチュアルでもない。まぎれもない生きた人間同士だ。それにミストレスと言うタイトルは相応しくないようにも思う。一番、心に残った。本当の純愛ってあるのかもな・・・と思った。そしてこの話のモデルはたやすく想像できる。だからこそリアリティを感じてしまうのだ。世俗的なものをそぎ落として生きてきた女性。その姿はあまりにも切なくそして痛々しい。

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2015/07/15

篠田さんにハズレなし。小品ではあるものの、どれも独特で妖しげな空気感が心地良い。 ミストレス~時を超えて蘇る、かつて愛したコンサートミストレスへの記憶。 やまね~神秘的な女性への、妄信的で破滅的な執着。 ライフガード~見守ってくれていた、かつての想い人。 宮木~利己的な使命感への...

篠田さんにハズレなし。小品ではあるものの、どれも独特で妖しげな空気感が心地良い。 ミストレス~時を超えて蘇る、かつて愛したコンサートミストレスへの記憶。 やまね~神秘的な女性への、妄信的で破滅的な執着。 ライフガード~見守ってくれていた、かつての想い人。 宮木~利己的な使命感への皮肉な小話。 紅い蕎麦の実~そんな時代もあった。そして今、僕はここにいる。 特に「やまね」がツボ。これぞまさに篠田節。

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2015/04/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

官能小説的な短編5話。 ・ミストレス…啓子さん実在してたんだ。ステキ。本気のお金持ちはお菓子を買わず作るのね。勉強になった。 ・やまね…冬眠女に夢中な主人公。やれやれだ。 ・ライフガード…素敵な元カレ。せつなかった。今の旦那さんがやさしいのも素敵。 ・宮木…迷宮に入ってしまったような話。自分のしたことは棚に上げて、因果応報。 ・赤い蕎麦の実…岡野さんステキだったなあ。悠里の酒もやめられると思う。

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2018/09/09

恋愛に関する5編。いずれも幻やホラーがある篠田ワールドでの恋愛様態。 「やまね」は冬眠する習性がある弱弱しい女性に恋してしまう男性の話。5編の中では一番きらいなタイプの女性なのだが、読んで印象に残ってるのがこれとは皮肉。

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2014/05/18

「平成の宮木たち―官能の果てに 」 妻と出かけた避暑地のクラッシックコンサートで、外科医が夢現に見た舞台の上のコンサートミストレス。彼女から想起された激しい感情の正体とは?表題作「ミストレス」ほか「やまね」「ライフガード」「宮木」「紅い蕎麦の実」官能の向こうにある女性たちの真実...

「平成の宮木たち―官能の果てに 」 妻と出かけた避暑地のクラッシックコンサートで、外科医が夢現に見た舞台の上のコンサートミストレス。彼女から想起された激しい感情の正体とは?表題作「ミストレス」ほか「やまね」「ライフガード」「宮木」「紅い蕎麦の実」官能の向こうにある女性たちの真実の姿が見えたとき、切ない思いに胸が揺さぶられる5編を収録。  全般にそこそこ濃厚な性描写があって、篠田さんにしてはこういうテイストの短編集は珍しいなと思ったら「ライフガード」を除く4編は「小説宝石」の春の官能小説特集寄稿の作品とあった。ただ刺激的なシーンも決していやらしくは感じなく、官能的なダンスの動きのように思えるのは、女性作家の手によるもののためか、それとも篠田さんファンである自分のひいき目か。もっとも女性作家でも過激でえげつない性描写する人もいますからね。  どれも短編ながら、常人には理解し難い体質の女性であるとか、援農グループで知り合った中年女性への言葉にし難い思慕とか、謎が謎を呼び、彼女ははたして何者なのか⁈という部分で最後まで目が離せないなのは、嬉しい相変わらず。  中でも「宮木」は最も目が離せなかった作品。ジャーナリストとしての気負いから記者をやめて、高級マンションに妻を一人残して中近東の紛争地へ渡り、音信不通のまま12年ぶりに帰宅した男。そこにはやつれて老いた妻が家を守り夫の帰りを一日千秋の思いで待っていた。彼の知らないクローゼットの奥の秘密の空間で多くの「友人たち」に支えられながら。12年ぶりに妻を抱き微妙な違和感を持った男が妻の秘密をつきとめ、真実を知ってなだれ込むラストまでは息を呑む。  因みに男の名前は「勝太郎」。ここまで書けば、本作品のタイトルと合わせて、おそらくピンとこられる本好きさんも多いことだろう。そう、これ「雨月物語」の「浅茅が宿」が下敷きになってるんでしょうね。ただ作中では「宮木」が雨月の「宮木」ではなく、後拾遺和歌集にただ一首歌が残されているという遊女「宮木」に想を得たということが触れられている。  音信不通にしていた夫が久方ぶりに帰宅した家。そこに待っていた「変わり果てた妻」。雨月の宮木は霊となっていたのだったが現代の宮木は…。宮木だけではない。若き日の痛みを抱えて生きるコンサートミストレスも、永い眠りについた「やまね」も、聖女の中年女性も。上田秋成の「雨月物語」の切なさは怪異の向こうにあったが、篠田節子「ミストレス」のそれは官能の果てにある。

Posted byブクログ