文豪たちの関東大震災体験記 の商品レビュー
関東大震災から90年。その関東大震災とは実際にどうであったのか、という本、ではないのです。関東大震災のときに、実際のそれ以上に、人々がどう考え行動したのか。それを紐解く本。つまり事象そのものよりも、その事象によって起こった脳内の出来事と、そのアウトプットの本。 そして関東大震災は...
関東大震災から90年。その関東大震災とは実際にどうであったのか、という本、ではないのです。関東大震災のときに、実際のそれ以上に、人々がどう考え行動したのか。それを紐解く本。つまり事象そのものよりも、その事象によって起こった脳内の出来事と、そのアウトプットの本。 そして関東大震災は、場所柄文豪の被災が多い。その記録も多い。 蔵書を全て消失する。東京帝国大学の図書館が焼ける。原稿を紛失する。愛人の安否を確かめに行く。 人命が多く失われた震災に、恐縮ではあるがこうした部分の描写に僕は心打たれる。芥川龍之介をして、被災時に持ちだしたのは風呂敷に包んだ漱石の書。そしてその時の言葉。 僕の言葉ではうまく伝わりませんが…。
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