「東洋の魔女」論 の商品レビュー
大日本紡績貝塚チームという1企業の女子バレー部が「東洋の魔女」になった背景を語る本であって、彼女たちの軌跡を追う本ではない。 知ってて読んだので私は気にしないが、拍子抜けする読者が多いだろう。なにしろ、214ページの本で前半の90ページは「レクリエーション史」の話である。 女...
大日本紡績貝塚チームという1企業の女子バレー部が「東洋の魔女」になった背景を語る本であって、彼女たちの軌跡を追う本ではない。 知ってて読んだので私は気にしないが、拍子抜けする読者が多いだろう。なにしろ、214ページの本で前半の90ページは「レクリエーション史」の話である。 女子バレーの全日本大会の参加チーム50のうち、20チームが繊維会社のチームが占めていたこともあるというが、要するに「女工」とバレーボールの組合せが強いのだ。 福利厚生としてのバレーボールというと奇麗すぎる。 高校進学率が高まる中で集団就職でやってくる女工に誇りを持たせるためのバレー部であり、だからこそ「東洋の魔女」の選手たちも寄宿舎で一般の女工と一緒に暮らしたとかいう話になる(選手たちは高校バレーで活躍してスカウトされていたのだが)。 女学校との試合で「女工に負けたら恥よ」という野次で動揺して負け、後日リベンジしたら「女工に負けて悔しいか」と言い捨てるエピソードとか、強烈。 そもそもバレーボールが、女子のためのスポーツとしてYMCAによって開発された経緯があり、前半はそれを書いているのだけど、セツルメント運動から書き起こされるとは思っていなかった。 いや、私は薄々わかっていて読み始めたからいいんだけど。
Posted by
国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet.nwec.jp/bunken/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=BB11272986&opkey=...
国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→https://winet.nwec.jp/bunken/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=BB11272986&opkey=B161706469788514&start=1&totalnum=6&listnum=0&place=&list_disp=100&list_sort=0&cmode=0&chk_st=0&check=000000
Posted by
原稿作成のために読んだが,東洋の魔女については3割ほどしか紙面を割かれていない。選手たちの練習時間が書いてあったのはありがたかった。
Posted by
「女工に負けて口惜しいか」 東京オリンピックにて、いち企業チームである日紡貝塚バレーチームが東洋の魔女と呼ばれ金メダル獲得してしまった。よくよく考えれば、おかしな現象を軸に工場レクリエーションとしてのバレーボールを掘り下げた面白い本でした。 工場が福利厚生活動としてレクリエーショ...
「女工に負けて口惜しいか」 東京オリンピックにて、いち企業チームである日紡貝塚バレーチームが東洋の魔女と呼ばれ金メダル獲得してしまった。よくよく考えれば、おかしな現象を軸に工場レクリエーションとしてのバレーボールを掘り下げた面白い本でした。 工場が福利厚生活動としてレクリエーションに、ものすごく力を注いでいる姿は21世紀に就職した自分としては、ちょっと想像できない感じであります。労働者にひたすら冷たい昔の製造業のイメージと合わない。。。 ただ、選手の生理痛を認めず、盲腸だって勝手に切っちゃう監督(昼の顔は庶務課長)のエピソードは、イルな感じというか、労使関係において使用者の圧倒的強さを窺い知れます。
Posted by
オリンピック東京招致活動に便乗したスポーツトリビアものかと思ったらさにあらず、戦後復興から経済成長へ邁進する当時の日本におけるスポーツを触媒とした企業文化・社会論である。死語化しつつある「レクリエーション」に関する第一部の論考は引用が多くてとっつきにくいが、時代の熱い息吹が伝わる...
オリンピック東京招致活動に便乗したスポーツトリビアものかと思ったらさにあらず、戦後復興から経済成長へ邁進する当時の日本におけるスポーツを触媒とした企業文化・社会論である。死語化しつつある「レクリエーション」に関する第一部の論考は引用が多くてとっつきにくいが、時代の熱い息吹が伝わる一冊。
Posted by
- 1