タイム・アフター・タイム の商品レビュー

マルコム・マクダウェル,デヴィッド・ワーナー,メアリー・スティーンバージェン,ニコラス・メイヤー(監督、脚本),カール・アレクサンダー(原作),スティーヴ・ヘイズ(原作),ミクロス・ローザ(音楽)

タイムトラベル映画、初期の傑作！

[左衛門佐]

実は、Ｋ・グリムウッドの名作SF小説｢リプレイ｣をレビューしようと思ったのですが(これはこれで必読!!)、そちらは既に沢山の方々が書き込んでらっしゃったので、
それなら同じタイムトラベル物でも、余り知られていない映画をと思い、この作品を選びました。

『｢タイムマシン｣の著者、H.G.ウェルズは、実際にタイムマシンを製造していた！』と言う楽しい設定のもとに、SFやスリラー、ラブストーリーの要素まで詰め込んだ、まだCGの概念すら無い時代(1979年)に制作された｢タイムトラベル物｣の逸品です。

19世紀の作家H.G.ウェルズが、ある歴史上有名な危険人物を追って、現代のサン・フランシスコに現れたら…という想定のもと、進んだ現代文明に戸惑いながらも、素敵な女性と出逢ったりしつつ、犯人を追い詰める物語です。

この映画の素晴らしい所は、全て脚本に尽きると思います。
その着想、ストーリー展開の上手さ、タイムトラベル故のタブーやパラドックスの使い方、追跡するサスペンスのハラハラ感…等、非常に巧妙な作りをしています。根っからのSF小説家なので、一々自分なりの未来予想図と、20世紀の現代社会とを突合させるシーン等は笑いを誘います。

そして｢ローマの休日｣を思わせるような、恋愛パートの展開も胸をキュンとさせてくれ、意外なラストにニヤリとさせられます。

お暇な休日の午後、のんびりしている時に楽しんでいただきたい、素敵な映画です。