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妖琦庵夜話 その探偵、人にあらず の商品レビュー

3.9

89件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

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2017/03/10

人ならぬ者たちの物語である。 見た目は人間と少しも変わらないのだが、遺伝子レベルで人間とは違う存在「妖人」。 彼らの中には特殊な能力を持つ者もたまにいるが、ほとんどは普通の人間と何ら変わらない。 優しく、思いやりがあり、仲間を大切にする妖人たち。 それに比べて、登場する事件関係者...

人ならぬ者たちの物語である。 見た目は人間と少しも変わらないのだが、遺伝子レベルで人間とは違う存在「妖人」。 彼らの中には特殊な能力を持つ者もたまにいるが、ほとんどは普通の人間と何ら変わらない。 優しく、思いやりがあり、仲間を大切にする妖人たち。 それに比べて、登場する事件関係者たちの身勝手さが妙にリアルで怖い。 他人に対する優越感、くだらない対抗心、無自覚な悪意。 せめて大切な人を守り切った満足感を感じながら逝ったのであればと思う。 哀れなほどに無垢な魂は切なく、胸が痛んだ。 脇坂のキャラクターがいい。 妖人という差別されがちな存在に対し、純粋な好奇心を隠そうともしない脇坂。 けれど、そこには蔑むような感情は一切ない。 大好きな妖怪・・・脇坂には妖怪と妖人の区別がよくわかっていない・・・に会えることが単純に嬉しくてたまらないのだ。 気難しい伊織にも気に入られたのは、脇坂の性格を考えれば当然かもしれない。 異端の存在はいつの時代も怖れられ忌み嫌われる。 自分たちとは違う存在だから怖いのだ。わからないから怖れるのだ。 事件が起これば妖人のせいだと言う。 自分たちとは関係のない存在が起こした・・・そう思うことで安心したいだけなのだ。 妖人だから罪を犯すのではない。 罪を犯すような奴だから事件を起こすのだ。 妖人であろうと人間であろうと、そういう奴は必ずいる。 「妖琦庵」に集う人たちはみな優しい。 泣き顔で一生懸命に小豆を洗っているマメを想像するだけで、ほっこりとした気持ちになれたりする。 異端の人たちがひっそりと集まり、けれど堂々と生きているあたたかな物語だった。

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2017/02/15
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妖人という設定も不自然でもなく、伊織や脇坂のキャラもしっかりしてて、読みやすくあっという間に読んでしまいました。まめや座敷わらしも可愛かった。それにしても女性が妖怪より怖いです。

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2016/12/21
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突如発見された「妖怪」のDNA。それをもつ存在は「妖人」と呼ばれる。 洗足伊織の左目がとても気になる。封印されてるものって気になる(笑) 今回は妖怪「アブラトリ」が関わっているとされる女子大生殺人事件。 家令で≪管狐≫の夷芳彦は勝手なイメージで、私のタイプだなぁ。 手伝い人で≪小豆とぎ≫の弟子丸マメ。いやぁ、かわいい、あの、うるうるな感じで、伊織がやられちゃうのわかるし、芳彦と二人でほっぺたのばすところも良かったなぁ。 そして、青目。どんな男なのだろうか。以後気になる存在。 ダイエットへの執着、女同士の醜い感情。わかる。いや、いるよね~っと思って、私が友だちになるタイプではないけど。いらいらするよ。最後の名前忘れた。インタビュー受けてたぽっちゃりの女。いちばん嫌い。地獄に落ちろと思った。 ≪座敷童子≫は本当に悲しかった。でもたくさんの時代をすごしてきたんだよね、その中で、幸せだと思いながら死ねたのなら、良かったのかな。いや、本当は生きてそばにいたかっただろうな。

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2016/12/01

初めましての作家さん。 ヒト変異型遺伝子保有該当者(妖人)絡みの事件を担当するのが Y対の鱗田と新人の脇坂。 妖人が不必要に差別されないように捜査協力をしてるのが 「妖琦庵」の主である洗足伊織。 家令の夷(えびす)と、マメと一緒に暮らしていて3人とも妖人である。 この主要キャラを...

初めましての作家さん。 ヒト変異型遺伝子保有該当者(妖人)絡みの事件を担当するのが Y対の鱗田と新人の脇坂。 妖人が不必要に差別されないように捜査協力をしてるのが 「妖琦庵」の主である洗足伊織。 家令の夷(えびす)と、マメと一緒に暮らしていて3人とも妖人である。 この主要キャラをみて、まるで薬屋探偵だなぁ~と思ってしまった。 妖人が絡んでいるらしい事件が発生。 Y対の出番であるのだが、その裏に見え隠れする青目という妖人。 こいつが最も厄介で謎なのである。 読み難かったけど、座敷童がとにかく可愛かったのでOKです。 うっかりウルっとしてしまいました。

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2016/10/15
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魚住くんシリーズをスローペースで読みたいがための間に挟んだこのシリーズ。 中村明日美子さんのイラストがまた素敵。 雰囲気的にいえば 京極堂と薬屋と鬼灯と妖怪アパートあたりを足して三で割ったような感じでしょうか。 ただ、文が入ってきやすい。 結構一気に読めました。 キャラクターがばばばっと出てきたり、最初の方は誰が語ってる文??という文が多かったのでちょっと辛抱が必要です。それか相関図や粗筋を見てからのほうがわかりやすいかも。 内容はなんだか後味悪い事件……というかブラックというか……女性の汚い部分が見えて、女性の作者らしいなぁと。 2巻も手に入れたので、魚住くんシリーズと並行で読んでいこうと思います。 それにしても……ちょうどこれ読み終わって涙した後に魚住くんシリーズ3巻読み終わって同じような展開に涙。。幸せな小説読みたくなってきたなぁ……はは……

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2016/10/08
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人間とは違う妖人遺伝子を持つ存在、妖人。 妖人と人間を見分けることが出来る妖人茶道家、洗足伊織 洗足の家令、夷芳彦 居候の小豆研ぎ、マル 警視庁Y対、鱗田と新人刑事からの依頼で妖人に容疑がかかる事件の捜査に協力する。 女の友情の怖さ。 女好きの反社会的妖人青目甲斐児

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2016/09/19
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榎田さん好きな方に借りる!ありがとうございます~ 小豆とぎと座敷わらしがかわゆすぎる 先生もすき 新人刑事さんもすき キャラいいなぁ 青目さんえろい 続きも読みたい! 死神一巻も借りてるから読まなくちゃ~ 表紙が中村さん!!!!えろい!

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2016/09/17

「カブキブ!」が大変面白いので、著者の別シリーズを借りてみた。 おどろおどろしい(笑)タイトルから察するに、またどうも「妖怪」がらみの筋らしいので、「カブキブ!」のような、軽い学園モノではないだろうと構えて読んだのだけど、それでもなかなか大人な内容でした。 面白かったよ! 重い...

「カブキブ!」が大変面白いので、著者の別シリーズを借りてみた。 おどろおどろしい(笑)タイトルから察するに、またどうも「妖怪」がらみの筋らしいので、「カブキブ!」のような、軽い学園モノではないだろうと構えて読んだのだけど、それでもなかなか大人な内容でした。 面白かったよ! 重いテーマなのに、脇坂くんのキャラがチョイチョイ風通しをよくしてくれていて、そこがよかった。 主観がころころ変わるのって、昔は苦手やったように思うけど、これは抵抗なく読めたなあ。 主観が変わるからこそ、あっちこっちの局面が見えて「大人」な内容になってると思う。 みんな、そうそう思ってること全部を口にしないし、自分のバックグラウンドをさらけ出さないよねえ。 ・・・あ、まあ、そこもテーマのひとつか。 思っていたよりも青目が救いようのないキャラっぽくて意外。 案外、仲良しごっこのお話じゃないんや。 もちろん続編もリクエストしてますよ! ただ、表紙がな・・・。笑 いやいや、すっごい丁寧な挿絵やとも思うけれども、ちょっと、借りにくいわ~(笑)! ひつこいようやけど、内容がわりとダークで大人向けなんやから、装丁ももうちょっとこう、大人でも借りやすい感じにしてほしいな。 ん? この本はラノベなの? (2016.02.17)

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2017/10/14

妖キ庵シリーズ1作目。 表紙の人が主人公の伊織さん。 あの超有名なアニメ○太郎の美形版です。 ビジュアルそのままでなくてもいいので、 目玉おやじ的人物もいたら面白かったのに。 いや、やり過ぎか・・・。 概略で妖怪絡みとあったので手に取りましたが、 予想していたのとはちょっ...

妖キ庵シリーズ1作目。 表紙の人が主人公の伊織さん。 あの超有名なアニメ○太郎の美形版です。 ビジュアルそのままでなくてもいいので、 目玉おやじ的人物もいたら面白かったのに。 いや、やり過ぎか・・・。 概略で妖怪絡みとあったので手に取りましたが、 予想していたのとはちょっと違いました。 妖怪そのものは登場しなくて「妖人」のみ。 突如発見された妖人DNAなるものを持つ見た目普通の人。 もっと言うなら、 DNA鑑定されるまで普通に暮らす無自覚の人がほとんど。 そういう社会で起こる事件を伊織さんたちが解決する話です。 妖人DNAの発見からまだほんの数年なのに、 世間の偏見とか国レベルの法整備とか、 良くも悪くも浸透し過ぎた感じはしましたが、取り敢えず。 「犯人は妖人に違いない」という偏見から冤罪が生まれないよう、 嫌々だったり積極的だったりいろいろですが、 伊織さんたちが動くことになる訳です。 前述で妖人は無自覚の人がほとんどと書きましたが、 妖怪話の中で語り継がれたような特殊能力を発現させた人たちもいて、 それが伊織さんだったり、 同居する家令の芳彦(管狐)や家事手伝いのマメ(小豆あらい)だったり。 そういう人たちも、妖怪の姿に変化したりするのではなく、 あくまでその特徴的な能力(または性質)を有しているだけです。 ただし、相当な割合で性格や人生に影響が出ています。 そこが面白かったです。 私の一押しは座敷童。 かわいくて、健気で、切ないです。

Posted byブクログ

2015/11/06

やっと一作目を読めた。妖怪…ではなく、妖人がいる世界。ちょっとの差ですかね…。脇坂君の明るいまっすぐさがよかった。座敷童がかわいそうで;;人間のほうが怖いですかね…。先生と青目の関係はいつ明かされるのかな

Posted byブクログ