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感染宣告 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2020/08/25

HIV感染者達とその家族への取材。現在では薬の発達により発症も抑えられ、普通の生活も可能になった。しかし制限された部分もある。感染した恐怖により露呈する弱さ苦悩、そこから湧き出る強さ。感染経路を思うと悲しくなる。

Posted byブクログ

2019/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

パートナーがHIVだったら…その子どもを産めるのか? 様々なパターンのカップルの、始まりから経緯、結末まで、なるほど、そのような悩みが出てくるのか、と思った。 夫はHIV陽性なのに、妻には30年間教えなかった… 産まれたこどもが陽性かどうかは18ヶ月後までわからない… なんとも壮絶な話が多かった。 同様の状況の方には参考になるかも。

Posted byブクログ

2017/11/18

HIVの感染率が意外と低いことを学んだ。感染者だけでなく、家族や恋人のことも取材しており、広い視点から捉えることができた。とくに血友病の話では、薬害エイズの背景、非加熱製剤のことを知ることができた。早苗の死を疑っているような描写がいまいちよくわからなかった。

Posted byブクログ

2017/08/19

後天性免疫不全症候群。エイズである。日本でこの病気が知られる ようになった頃は死に至る病だった。 現在では完治することはないものの、適切な治療によりウィルスを 抑えることが出来るようになった。 それでも偏見が残る病であることに変わりはない。血友病患者が 非加熱製剤でウィルスに...

後天性免疫不全症候群。エイズである。日本でこの病気が知られる ようになった頃は死に至る病だった。 現在では完治することはないものの、適切な治療によりウィルスを 抑えることが出来るようになった。 それでも偏見が残る病であることに変わりはない。血友病患者が 非加熱製剤でウィルスに感染した事例は社会問題にもなったが、 多くが性・交渉での感染だからだろう。 ある日、自分自身が、パートナーが、エイズウイルスに感染している と告げられたら私たちはどうしたらいいのだろう。 本書はエイズウイルスに感染した人たちと、パートナー、両親等、 感染者の周囲の人々にも感染宣告がもたらすものを描いている。 切り口としては興味深い。だが、創作が入ってないか?あまりにも ドラマチックな事例ばかりで「本当かよ?」って思ってしまう。 血液製剤感染例は1例だけ。他は援助・交際や風俗店で働いて いた女性や、同性愛者の男性の事例ばかり。 人の心の闇を描くのはいいのかもしれないが、いきなり感染者 ばかりの同性愛者の乱・交パーティから始まるのってどうよ? 必要あるか? エイズウイルスに感染していることが分かったら、パートナーに 告知しなくてはいけないって義務があったはずだが、本書では ひとそれぞれの事情があるからすべての人が話す必要はない なんて話が出てくる。 う~ん…石井さん、大丈夫か?ノンフィクション作家って呼ぶのが ためらわれるなぁ。

Posted byブクログ

2015/08/30

 今までのエイズに対する自分のイメージが変わった。 遠くに感じていたこの病気がとても身近に感じられるようになった。  こういう内容のものって暗くなりがちだけど、淡々と続いていくので読みやすかった。

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2014/09/26

HIVというのが、人生を壊す病であることがよくわかる。 死に至らしめることはほとんどなくなったということだけど、偏見等はまだあって、人間の根源的な部分に関わる重大な病であるということは変わっていない。 感染者と周辺者がともに苦悩させられる病であるということを実感させてくれるルポ...

HIVというのが、人生を壊す病であることがよくわかる。 死に至らしめることはほとんどなくなったということだけど、偏見等はまだあって、人間の根源的な部分に関わる重大な病であるということは変わっていない。 感染者と周辺者がともに苦悩させられる病であるということを実感させてくれるルポ。

Posted byブクログ

2013/06/25

ここに取り上げられているのは、日本国内におけるHIVキャリアの人々のセックスと愛です。このほとの本は全て読んでいますが、初の国内ものです。読んでいただければわかるんですが、重いです。 いま、HIVは治療さえきちんとすれば、死に至る病ではなくなったとはいえ、かならずしも根治しない...

ここに取り上げられているのは、日本国内におけるHIVキャリアの人々のセックスと愛です。このほとの本は全て読んでいますが、初の国内ものです。読んでいただければわかるんですが、重いです。 いま、HIVは治療さえきちんとすれば、死に至る病ではなくなったとはいえ、かならずしも根治しない、と言うのが現代の基本的な知識でしたがいやはや…。毎度のことながらこの作者の書くノンフィクションは衝撃的なものが多いんですが、今回この本で取り上げられている話題は、国内におけるHIV感染者における性愛がテーマです。 実は、この記事を書いている今も、内容が自分の中で整理ができてないです。最初はエイズにかかった同性愛者同士での話に始まって、HIVにかかった人と結婚を決意する女性、パートナーの自殺。HIVに罹患した人に対する偏見、差別がこれでもかといわんばかりに抉り出されてきます。その中である人が言っていたその中でも特に「HIVは私たちのことを試している。」と言う箇所があって、 「エイズは男女にとっていちばん大切なところに忍び込み、彼らを極限の状態にまで追いつめます。弱さや醜さや高慢さといった負の内面をむき出しにし、人間性を試してくるのです。殴ったり、蔑んだり、嫉妬したりして、それでも二人がやっていけるかを冷淡に観察するのです。こんな底意地の悪い病気はありません。試された人間がボロボロになっていくのを眺めているのですから」 と言う言葉の中に、この本の全てが集約されています。そして、僕がいちばん好きな話は、仮名で亜里沙と健太郎と言う一組の男女の話でした、亜里沙は高校時代に援助交際、大学には新宿歌舞伎町でファッションヘルスをやっていて…。彼女がHIVに感染をして…。と言うくだりなのですが。パートナーの健太郎が下した決断には…。自分に思わず問いかけました。 「もし自分がこの状況に置かれたとしたら、はたして彼と同じ結論が出せるだろうか!?」と。 この人の本はここで何回も紹介しておいてこういうことを言うのもなんですが、まず万人ウケはしません。しかし、「愛」と言うものと「性」と言うものに関して、一度じっくりとお考えいただくには格好のテキストであると、固く信じております。

Posted byブクログ