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秋葉原事件 の商品レビュー

3.6

25件のお客様レビュー

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2014/02/13

動機を明らかにしたいという著者の気持ちが取材力に出ていた本でした。両親も友人も同僚もいて、趣味も行動力もあったけれど、リアルな世界では人間関係が希薄でも良いと考え、ネットの世界で人間関係を築こうとしていました。この感覚が特別なことではなく、多かれ少なかれネット上で表現をする現代の...

動機を明らかにしたいという著者の気持ちが取材力に出ていた本でした。両親も友人も同僚もいて、趣味も行動力もあったけれど、リアルな世界では人間関係が希薄でも良いと考え、ネットの世界で人間関係を築こうとしていました。この感覚が特別なことではなく、多かれ少なかれネット上で表現をする現代のみんなに共通して理解出来る感覚でないかという指摘に大いに納得。

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2013/12/30

確かに家庭環境や人間関係、仕事、ネット活動などうまくいっておらず、ずっと抑圧されていることはわかったが、それでも人との繋がりで涙するこの人がどうして無差別殺人を起こしてしまったのか、理解に苦しむ。社会は何をすべきなのか…。

Posted byブクログ

2013/10/16

小説のようにすらすら読める。加藤は絶対に許されるべきでは無いが、やはり人が成人するまでに絶対的な関係を良くも悪くも持たざるを得ない「家庭」というのは、その人間を形成する全てのファクターに通じる根幹を担うモノなのだと改めて確認させられた。先日、みのもんたの息子が逮捕され、みの自信が...

小説のようにすらすら読める。加藤は絶対に許されるべきでは無いが、やはり人が成人するまでに絶対的な関係を良くも悪くも持たざるを得ない「家庭」というのは、その人間を形成する全てのファクターに通じる根幹を担うモノなのだと改めて確認させられた。先日、みのもんたの息子が逮捕され、みの自信が謝罪会見を行った際に、「どこまでが親の責任か?」みたいな議論が巻き起こっていたが、まず間違いなく言えることは、加藤にしろ、みのの息子にしろ、そんな大人になってしまった源泉は、小中学生時代=人格形成期での「親」の彼らに対する接し方、育て方にある。それは間違いが無いと思う。

Posted byブクログ

2013/08/03

秋葉原無差別級殺傷事件の被告人の生い立ちやらネットでの関係やらを詳細に記した本。正直言って、何でこうなるのか結局のところ全然分からんし、ただひたすら幼稚で自己中心的な被告人に腹が立つ。同情するなんておかしい、ほとんどの人が建前で上手く生きてて、現実世界で本音を受け止めてくれる人な...

秋葉原無差別級殺傷事件の被告人の生い立ちやらネットでの関係やらを詳細に記した本。正直言って、何でこうなるのか結局のところ全然分からんし、ただひたすら幼稚で自己中心的な被告人に腹が立つ。同情するなんておかしい、ほとんどの人が建前で上手く生きてて、現実世界で本音を受け止めてくれる人なんてそうそう持ってる訳じゃなくてそれで当然じゃないの? ただ、幼少期の教育(という虐待)が人間のその後の思考や行動に与える影響には考えさせられるものがある(もちろん言い訳にはならないが)。 あとは、マスコミで騒がれた派遣切り云々は直接の原因ではないという点で、世間の無責任さを感じもした。

Posted byブクログ

2013/07/01

人の温かさを感じる本だった。もちろんこの本は凄惨な殺人事件の犯人を迫ったルポ、こんな感想を抱くのは見当違いかもしれない。しかし、彼をとりまく人たちの中には意外にも温かい人が多かった。幼いことに辛くあたった母親にしても、後に彼に向けて謝罪の言葉を口にしているし、事件後に母親が泣き崩...

人の温かさを感じる本だった。もちろんこの本は凄惨な殺人事件の犯人を迫ったルポ、こんな感想を抱くのは見当違いかもしれない。しかし、彼をとりまく人たちの中には意外にも温かい人が多かった。幼いことに辛くあたった母親にしても、後に彼に向けて謝罪の言葉を口にしているし、事件後に母親が泣き崩れて謝罪する写真(モザイクは付いていたが)もネットで見たが、なんとも言えず切ない気持ちだけが込み上げる。 一言で片付けられがちな事件、特に「母親からの厳し過ぎる教育」「良いとは言えない容姿」「派遣社員」とキーワードがいくつも揃っていればなおさら。でも実際は、彼が他人からの優しさに触れながらも拒絶してきてしまった過去、人から受けた優しさに対する涙、なんでもない日常のやり取り、ネットで知り合った女性との本音の会話、職場で評価されるような勤務態度、突如としてキレるという一面、そしてコミュニティの中での「ナナメ」の関係を失った現代社会、様々な要素が絡んでいる。 中村うさぎの著書と同様、彼の軌跡をたどること自体が、この事件に対する祈りであり、救いの行為であると思う。

Posted byブクログ