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木皿食堂 の商品レビュー

3.8

30件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2015/06/19

新聞掲載のエッセイや、対談や、講座のまとめや、雑誌のインタビュー…いろいろ集めた一冊。 「すいか」と「野ブタ。をプロデュース」は観たけど、「Q10」は観てない。 脚本家の仕事を垣間見ることができます。

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2015/05/12

彼らのドラマを見たことはないが、 NHKのドキュメンタリー番組で二人を知って、 同じタイトルの本を見つけたので読んでみた。 文章がとても読みやすく、気持ちがいい。 神戸新聞連載のエッセイは読んでいてじんわりと幸せな気持ちになる。 創作の現場をのぞくようなインタビュー、対談も興味深...

彼らのドラマを見たことはないが、 NHKのドキュメンタリー番組で二人を知って、 同じタイトルの本を見つけたので読んでみた。 文章がとても読みやすく、気持ちがいい。 神戸新聞連載のエッセイは読んでいてじんわりと幸せな気持ちになる。 創作の現場をのぞくようなインタビュー、対談も興味深い。 愛とパワーと責任感とやさしさが全編に通じている。 一つも見たことのないドラマだけど、何かの機会に見てみたいと思わせる。

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2015/03/09

脚本家・木皿泉のエッセイや対談集。 「すいか」「野ブタ。をプロデュース」「Q10」などで知られる夫婦の合作ペンネームです。 小説の「昨夜のカレー、明日のパン」が面白かったので、読んでみました。 全体としては、作品を書き上げるのに苦闘する様子が一番印象に残りました。 脚本家という...

脚本家・木皿泉のエッセイや対談集。 「すいか」「野ブタ。をプロデュース」「Q10」などで知られる夫婦の合作ペンネームです。 小説の「昨夜のカレー、明日のパン」が面白かったので、読んでみました。 全体としては、作品を書き上げるのに苦闘する様子が一番印象に残りました。 脚本家というのは視聴率のプレッシャーがあって大変だろうとは思うものの、ここまでのたうち回る仕事だとは。 ところどころにきらりと光る言葉があって、なるほど、そこまで言葉を大事にしているから、この文脈でこう出てくるのだろうと。 人に何を届けたいのか。 何が幸せなのか、そこにいていいのか‥ どうやって伝えるのか。葛藤しつつ生み出しているんですね。 漫画家の羽海野チカとの対談は微笑ましいです。 羽海野さんが必死で書いている様子は内容からもあとがきからも以前から想像がついていたので、似たもの同士理解し会える人に出会えてよかったねー‥と。 「Q10」は好きでしたねー。 「すいか」はよく覚えていないし、「野ブタ」はちょっとしか見ていないので、細かいところとどう照らし合わせるような話なのかがはっきりわからなくて、残念。 普通の恋愛物を書きたくないという人だというのは、言われてみれば、なるほど、です。 美男美女の俳優が誰がやってもいい恋愛のプロセスをたどるだけ、という恋愛もの批判はちょっと謎でしたが。 時期的にも、ちょうど恋愛ものが飽きられてきたタイミングだったようです。 茫洋としていてたまに神様のような発言をするという木皿泉(男)という旦那さん。 言葉数多く、どんどん書くのと同じようにどんどん話題にも食い込んでいく印象の木皿泉(女)さん。 夫が大福、妻がかっぱというあだ名で載っている対談もあります。 病に倒れた旦那さんを介護しながらの生活。 受け止めてくれる、甘えてもらえることが幸せだという。 性格はドライと言いつつ、ご夫婦のお互いをかけがえがない大事な存在としている様子が伝わってきて、じわじわ心温まりました。

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2015/03/08

「すいか」「セクロボ」が大好きで読んでみたがタイトルにもなってる 木皿食堂の連載がつまらない。 旦那さんが元漫才作家でも「相方」という表現にゲンナリする。 文章で飯を食ってる人だけに余計に安く感じてしまい、 ぐるなび等で結婚相手や交際相手をそう呼ぶ人達と同じような目で見てしまう...

「すいか」「セクロボ」が大好きで読んでみたがタイトルにもなってる 木皿食堂の連載がつまらない。 旦那さんが元漫才作家でも「相方」という表現にゲンナリする。 文章で飯を食ってる人だけに余計に安く感じてしまい、 ぐるなび等で結婚相手や交際相手をそう呼ぶ人達と同じような目で見てしまう。 ドラマの裏話が聞けたのは嬉しかった

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2015/02/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ー第2話で、人魚姫の話を呼んだQ10の台詞「どうしてウソを書くのですか?」がすごく印象的で、最後まで見ていくうちに、このドラマ全体がその言葉に対する答えなのかな、と思いました。 妻鹿:そうですね、やっぱりずっとウソの力、物語の力というものについては考えていますね。河合隼雄さんが何かの本で引用していた、どこかの国の神話があってー 和泉:アフリカやな。 妻鹿:それはどうやって世界ができたかっていう話で、ウサギとワニが出てくるんです。ワニが寝ている間にウサギが世界の半分を作る。で、ワニは起きると「世界が半分できたね」って言って、また眠ってしまう。その間にウサギが世界の残り半分を作った。また、ワニが起きて「世界ができたね」って言う。それで世界はできたっていうお話。 和泉:それってウサギだけやんか!って話です。 妻鹿:この神話って、成果主義的な世界に対するアンチテーゼなんじゃないかと思うんです。眠っている人、そこで夢を見ている人がいるから、ウサギも世界を作れるんじゃないか。世界って本当はそういうものなんじゃないかなって。今って成果主義というか、現実的な部分ばかりがすべてみたいなところがありますよね。でも本当は世界はそれだけでは成り立っていない。実際に働いたウサギだけではなくて、そこで夢を見ている存在も不可欠なんだって。その夢というのは物語だったり、ウソのお話だったりするんじゃないかなと思うんですよね。だから、誰もが立ちすくんでいるような今の世の中を打ち破るのは、やはりフィクションなんじゃないかと。反対に、そういうものじゃないと現実はもう打ち破れないんじゃないかなという気がしているんです。 ーそれこそが物語の力ですね。 妻鹿:私たちはいろいろなルールを守って生活しているわけですけれど、それは、単に皆が便利だからそうしているだけです。じゃあ実際問題、そのルールが揺らぎのないものかといえば、実はそんなことはない。 和泉:世界なんて、今、たまたまこんなふうなだけで、明日はまったく違っているかもしれない。少し視点をずらすだけで世界は変わります。 妻鹿:ルールに縛られて、生きにくかったり、息苦しかったりすることも、少し視点を変えるだけで楽になることもある。今ある世界を揺さぶることになるので、それは少し怖いかもしれないけれど。私たちの書く物語がそのきっかけになればいいと思うんです。

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2015/02/07

我らの行く道が あまりにも長くてしんどい… と、思わず腰を降ろしてしまった時。 ふふ、と込み上げた謎の可笑しみが だんだんだんだんふくらんで 結局、バカみたいに笑い転げている。 もはや、何が可笑しいのか まるで不明なのに 涙が出るほど笑って 「あーぁ…」 で終わる、あの切ない爽...

我らの行く道が あまりにも長くてしんどい… と、思わず腰を降ろしてしまった時。 ふふ、と込み上げた謎の可笑しみが だんだんだんだんふくらんで 結局、バカみたいに笑い転げている。 もはや、何が可笑しいのか まるで不明なのに 涙が出るほど笑って 「あーぁ…」 で終わる、あの切ない爽快感。 エッセイを読み終えて感じたのは その「あーぁ…」同様の気持ち。 羽海野チカさんとの対談や 書評も大変面白かったので、 夫婦で脚本家だという彼らの作品の評価を ドラマを見ていた息子に聞いてみたら (野ぶた。をプロデユースやQ10など。) 「普通。」 と、答えた。

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2015/01/04

心洗われる言葉やはっと気づかされる提案のオンパレードで、 読んでる間まるでセラピーを受けているようだった。 「いてよし」って思えるような人間関係を、私は築けていなかった。

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2014/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

彼らのエッセイ&対談集。 高山なおみがファンで在るというのも頷ける。 自然な感覚で繊細な心の感情を表す彼らの文体は読んでいて心地よい。 そして、彼らの言葉は身体性を帯びている、体験しているから出てくる言葉ってのを強く感じるのだ。 いてよっし!ってのがなんかとても泣けたんだなあ。 以下引用メモ 引用 22ページ 相方が病院を出て、自宅療養が始まった頃、よく失敗していたなあと思い出す。私が失敗するたびに相方は不安になって、病院に帰りたいと訴えた。私はますます焦って、失敗を繰り返した。 いまなら、なぜ失敗したかよくわかる。その時の私は、何もかも、手早くやってしまおうと考えていた。時間がないと思い込んでいたのだ。介護という人間相手の仕事なのに、自分の思い通りに進めようと無理をしていた。早くやろうと焦ることが、一番の遠回りになる。今ならそのことが身に染みてよくわかる。京都の老舗の豆腐屋さんが、どっちか迷ったら、手間のかかる方を取れと言っていた。 自分にできる最高のことをする。 42ページ 一緒に食べたという幸せな記憶は、いつ必要になるのだろう?たぶん、胸がつぶれるほど嘆く日のためだろう。 未来が信じられない人たちへ 仕事をクビになり、魚屋でバイトもしてた。本当に仕事が嫌になって、全部やめて、服も買わなくなって、引きこもりみたいになったこともあった。大阪にある兄の仕事を手伝ったりもしたが、そこも傾いてしまって本業もなければ副業もないどん底だった。財布に十八円しか入ってなくて、二十円のパンの耳も買えなかった時もあったけど、厭世的にな気分にはならなかったなあ。 私は道が拓ける時って向こうからやってくるものだと思うんですよ。こっちから行こうとしてもそれだけでは絶対ムリ。一人でこじ開けようとするから、厭世的に思っちゃう。 基本的にこの世のことは自分だけではどうにもできません。できると思っているからできないといじけるんですよ。ちゃんと生きてたら三話のモグラの話 みたいに、ぽこっと出会うんですよ。他の誰かと。そこで始めて道が拓ける。でもそのことに気づかず、出会いを掴み損ねている人は多いと思う。周りをちゃんと見るべきです。一人ではどうにもできないですから。 人間関係も完璧じゃなくちゃいけないと思いすぎですよ。 自分のこと全部分かって欲しいとか、丸ごと承認して欲しいとか、そういうのムリですから。逆にあいてのことを全部理解するなんてこともあり得ない。全部揃わなきゃいけないって思いすぎですよ。 いろんな人の寄せ集めで自分ができているのだし、こうして見てくれている人がいて、自分があるわけなんだから、自分の頭のイメージした完璧な自分であろうとするなんて、ムリですよ。 〜自分の好きな所を一つ見つけて、そこを頼りにやって行くしかないんじゃないでしょうか。それでがんばって行くしかない。好きなことがあって、そのことで一生懸命やればいいんじゃないですかね。 ちゃんとなんてしなくていいんですよ。道筋なんて立てなくたっていいんです。どーせとか言ったら、そこでおしまい。やりたいこと、やれあることを自分の力を信じて、最後までやればいいんです。 121ページ 自分たちはここにいてもいいんだ思って欲しいんです。 今の時代って、自分を自分で肯定できない人たちがあまり にも多すぎるから、肯定する言葉をきちんとした場で言ってあげる必要があると思うんです。 世界なんて、たまたまこんな風なだけで、明日全くちがっているかもしれない。少し視点をずらすだけで、あしたはまったくちがっているかもしれない。 ルールに縛られれて、生きにくかったり、息苦しかったりすることも、少し視点をかけるだけで、らくになることもある。今ある世界を揺さぶることになるので、それは少し怖いかもしれないけど。 苦しいからもうやめるなんて、すごく不遜というか、厚かましい話だなあと。そんな風に周りに流されて自分の気持ちが言えなくて、しんどい思いをしている人たちに、いてよし!って、いてあげられるようなドラマを書きたいと、そのとき改めて思ったんです。 48ページ 食べるということは、自分に必要なものを補うというだけではないのだ。外の世界のものを噛み砕いて、自分の体の中に取り入れて行く。自分の口からものを食べるというのは、力強く、外の世界を生きてゆくということだ。誰かが作ったものを食べる。誰かがとってきたものを食べる。食べることを失うということは、外の世界を失うということだ。

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2014/04/30

一緒に食べたという幸せな記憶は、いつ必要になるのだろう?たぶん、胸がつぶれるほど嘆く日のためにだろう。 100ページまで

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2014/03/18

作家の名前だけで、必ずそのドラマを見てしまう。木皿泉のことだ。『Q10』『野ブタ。をプロデュース』『セクシーボイス アンド ロボ』『すいか』などを手がけた彼らのエッセイや対談をまとめた1冊。『Q10』の第10話(最終回の5年後)が収録されているのもウレシい。 こんなに丁寧に自分を...

作家の名前だけで、必ずそのドラマを見てしまう。木皿泉のことだ。『Q10』『野ブタ。をプロデュース』『セクシーボイス アンド ロボ』『すいか』などを手がけた彼らのエッセイや対談をまとめた1冊。『Q10』の第10話(最終回の5年後)が収録されているのもウレシい。 こんなに丁寧に自分をみつめ、できないことを受け止めて、それをセリフに変えていく力は素晴らしい。 『Q10』は彼らのすべてを詰め込んだ作品なのだそうだ。うん、傑作だと思う。視聴率は悪かったらしいけど。

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