特捜部Q カルテ番号64 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
待ちに待った特捜部Qの最新作。事件は、島にあった女子矯正施設と、ある新進政党をめぐる復讐。矯正施設はなかなか酷いエピソードだが、なんとこういう施設は1960年代まで、欧米で実在したそうだ。 カール・アサド・ローセは相変わらず、ごちゃごちゃしながら事件解決に向けている。しかも今回は警察全体がインフルエンザにかかっているし。さらにこの作家はいろんな登場人物の描写が丁寧なので、エピソードがあっちこっちにいっている。 他のシリーズだったら、「散漫」とかになるかもしれないけど、このシリーズでは、より厚みを持たせていると思う。何はともあれ、読ませるわー。充分楽しんだ。
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過去と現在が交互に出てきてちょっと最初のうちはちょっと混乱した。 途中若干、間延びした感じ。 でもラストは一気に。アサドは何者? そしてカールの事件の真相は?
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すでにシリーズの何冊目かなのに カールの助手たちはあいかわらず謎につつまれているし カールの私生活がダメダメだし、という人間模様と、 昔の事件を掘り起こして 今の事件をひきずりだす彼らの働きっぷりの素晴らしさが とってもいい感じ。 そして掘り起こされた事件のなんと大きなこと...
すでにシリーズの何冊目かなのに カールの助手たちはあいかわらず謎につつまれているし カールの私生活がダメダメだし、という人間模様と、 昔の事件を掘り起こして 今の事件をひきずりだす彼らの働きっぷりの素晴らしさが とってもいい感じ。 そして掘り起こされた事件のなんと大きなことか。
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デンマーク版コールドケースの4作目。 今まで以上にサスペンスを重視した作品のような気がする。 ヒッチコックを連想するところも。 作者のユッシ・エーズラ・オールスンが創造する犯罪はいつも異様であり、今作でもそうなのだが、 それを上回る惨い犯罪がデンマーク国家によってなされたことを...
デンマーク版コールドケースの4作目。 今まで以上にサスペンスを重視した作品のような気がする。 ヒッチコックを連想するところも。 作者のユッシ・エーズラ・オールスンが創造する犯罪はいつも異様であり、今作でもそうなのだが、 それを上回る惨い犯罪がデンマーク国家によってなされたことを知ることになる。
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特捜部Qシリーズ 今回の作品、本当に怖いものだったですね。ハンセン病と同じように、精神疾患、あるいはセックス依存症と考えられた女性を島に閉じ込めて不妊手術まで施していたこと、知りませんでした。デンマークの負の歴史に真摯に向き合いながら、人間の「業」のようなものを、ミステリ仕立て語...
特捜部Qシリーズ 今回の作品、本当に怖いものだったですね。ハンセン病と同じように、精神疾患、あるいはセックス依存症と考えられた女性を島に閉じ込めて不妊手術まで施していたこと、知りませんでした。デンマークの負の歴史に真摯に向き合いながら、人間の「業」のようなものを、ミステリ仕立て語りかけてくれます。 カール、アサド、ローセ 彼らの謎はまだまだ解明されていませんよ
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デンマークの警察物第4段。 読み進めるたびにどんどん謎の深まる助手のアサドと、彼の淹れる飲み物が気になって仕方ない。 プライベートはイマイチな主人公も、また味がある。 事件は女性としては重く、切ないばかり。 オチが途中で見えてしまったものの、読み応えはたっぷり。 今回は体を張っ...
デンマークの警察物第4段。 読み進めるたびにどんどん謎の深まる助手のアサドと、彼の淹れる飲み物が気になって仕方ない。 プライベートはイマイチな主人公も、また味がある。 事件は女性としては重く、切ないばかり。 オチが途中で見えてしまったものの、読み応えはたっぷり。 今回は体を張って活躍した助手のアサドがなかなか良かった。
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ミステリの新刊を楽しみに待つなんてこと私には滅多にないのに、これは別。キャラクターがいい。変に個々の内部まで描写しようとしないで、かといって突き放した目線でもなく、ミステリの体裁はとりつつも、人間を描いている。アサドはやっぱり正体不明。ハーディーに朗報!思わず涙ぐむシーンも2、3...
ミステリの新刊を楽しみに待つなんてこと私には滅多にないのに、これは別。キャラクターがいい。変に個々の内部まで描写しようとしないで、かといって突き放した目線でもなく、ミステリの体裁はとりつつも、人間を描いている。アサドはやっぱり正体不明。ハーディーに朗報!思わず涙ぐむシーンも2、3あった。というか映画化らしい!!!
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1987年に起こった失踪事件を、2010年の現在、特捜部Qが捜査する展開。この構成はシリーズ共通だが、今回は1987年パートが濃すぎる。ここで挿入される回想シーンが強烈で、ある女性の半生が作品全体を深い闇で包み込んでいる。彼女の経験したことは同性としてショックを受けた。ローセの台...
1987年に起こった失踪事件を、2010年の現在、特捜部Qが捜査する展開。この構成はシリーズ共通だが、今回は1987年パートが濃すぎる。ここで挿入される回想シーンが強烈で、ある女性の半生が作品全体を深い闇で包み込んでいる。彼女の経験したことは同性としてショックを受けた。ローセの台詞以上に汚い言葉で罵りたくなる。さらに、あとがきからこういう施設が実際にあったことを知り驚愕した。なんという社会、なんという時代だろう。 過去事件でこれだけインパクトの強いストーリーを描いてしまうと、特捜部Qの活躍がどうしてもライトに映ってしまう。穿った見方をすれば、完全に別々のストーリーをひとつの作中で展開させてるような。長編二本を支えられるネタなだけに、勿体無い気がしてならない。 そんな充実した中身を堪能していたら、いきなりサプライズでやられた。J・ディーヴァーみたいなこともやるんだ、この人。サプライズの出し方としては間違ってない、むしろ王道。しかしよくよく考えるに、サプライズのための伏線とか結果がストーリーに反映されてなくて、衝撃だけ浮いてしまっている。つくづく勿体無い。 三作読んでみて、被害者の多くが女性と子供というのが気になった。今後もこういう被害者でいくなら精神的にしんどいかも。マークを悩ませるもうひとつの事件はすでに見失いつつあるし、どこかで一区切りつけてくれないかなあ。
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