あずかりやさん の商品レビュー
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大山 淳子さん、初読。明日町こんぺいとう商店街西はじにある、心やさしい店主・桐島透が営む、不思議なお店「あずかりやさん」が舞台の6編の短編連作長編。表紙にあるさとうと書かれた暖簾の視点から、各編ごとに高級自転車、空洞のガラスケース、成長した赤いランドセルの女の子、店主の手のひらで蘇生した子猫と視点が変わり語られていく…。スタートは児童書?と感じるような易しい語り口で、両親を亡くし目が見えなくなった桐島透が祖父が開業した和菓子屋を、一日百円でどんなものだろうと預かる店を始めた経過が語られる。 一枚の紙、高級自転車、遺書、少年が依頼された札束が入った鞄、一通の封筒、大切な本…。お客さまが持ち込む「あずけもの」に隠されたそれぞれの思いと秘密が交差する。ファンタジーのようなほんわりした作風に次第に引き込まれていきました。悩み傷ついていた心がじんわりと癒される物語。信号のない歩道で子猫を助けた石鹸さんが、「あずかりやさん」をまた尋ねて来たらよいなぁ。 読書メーター読友「kai-sou」さんの感想・レビューから気になり借りてきた本です、『児童文学のようなふんわりとした優しさを感じさせる反面、切なさやほろ苦さをも内包していて、じんわりと心に響く物語』全くその通りですね、とても良い作品の紹介ありがとうございます。
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【収録作品】第1章 あずかりやさん/第2章 ミスター・クリスティ/第3章 トロイメライ/第4章 星と王子さま/第5章 店主の恋/エピローグ 目の見えない店主と店のたたずまいの穏やかさに惹かれる。
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短編集。前半、何度かうるうる。このまま後半は号泣になるのかと思いきや…。結果的に前半の三作が良かったな。
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「たいせつなことは目に見えない」あずかりやさんの店主の温かく綺麗な手で、そっと心を包まれたような安心感。物語る視点も違和感無くすんなり受け入れる事が出来る。街に、あの店主が座るあずかりやさんがあればふらりと立ち寄りたくなる。
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猫弁シリーズの大山淳子さんの新刊。やっぱり出てくる人はやさしい人ばかり。終盤せつないけれどほんのりあたたかい気持ちにさせてくれるラスト。大山さんって猫が好きなんだなあ。凛としたあずかりやさんはとてもすてき。
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高級自転車、遺書、一通の封筒、大切な本…。 あずかってと言われたものをあずかり、それがどんなものだろうと、一日百円。 心やさしい店主・桐島透が営む、不思議なお店「あずかりやさん」を舞台に、お客さまが持ち込む「あずけもの」に隠されたそれぞれの思いと秘密が交差する。 悩み傷ついていた...
高級自転車、遺書、一通の封筒、大切な本…。 あずかってと言われたものをあずかり、それがどんなものだろうと、一日百円。 心やさしい店主・桐島透が営む、不思議なお店「あずかりやさん」を舞台に、お客さまが持ち込む「あずけもの」に隠されたそれぞれの思いと秘密が交差する。 悩み傷ついていた心がじんわりと癒される物語。 物語の語り部が、店ののれんだったり、ショーケースだったり、猫だったり、するのがおもしろい。 店主が盲目だからこそのあずかりや。 オルゴールや星の王子様等、大切なあずかりものが増えるのも素敵。
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盲目の店主、一日百円で何でも預かります。お客様の名前とあずかりものとその期間は忘れません。 まだまだ謎がたくさん、あずかりもののお話をもっと聞きたいです。
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ほんわかとしたムードでちょっぴり不思議な、心温まる物語。ややミステリ的要素もあり。 一日百円、なんでも預かる「あずかりやさん」。こんな商売あったとしてどう使うの?って思いましたが。うーむ、なるほど。さまざまな事情でさまざまなものを預ける、さまざまな人の物語はそれぞれに深く。ほろり...
ほんわかとしたムードでちょっぴり不思議な、心温まる物語。ややミステリ的要素もあり。 一日百円、なんでも預かる「あずかりやさん」。こんな商売あったとしてどう使うの?って思いましたが。うーむ、なるほど。さまざまな事情でさまざまなものを預ける、さまざまな人の物語はそれぞれに深く。ほろりとさせられたりしんみりとさせられたり。 謎めいた店主も魅力的。時を超えても変わらない魅力が素晴らしいなあ。彼の物語はもっと読みたい気もします。
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毎月購入している「asta」で「明日町こんぺいとう商店街」 にあるお店の連作の1つとして掲載されていた「あずかりやさん」。 大好きなお話だったので、単行本化されてうれしい!! 「asta」に掲載されていた1話目を始まりに あずかりやさんの4話の新作とエピローグで成り立つ連作短編。 店先の「のれん」やガラスのショーケース、自転車、オルゴール と、人ではなく物からの視点で多くが語られる物語。 明日町こんぺいとう商店街の西のはじにある のれんには藍染にしろぬきで「さとう」と優しい字で 書かれてあるけど、本当のお店の名前は「桐島」。 和菓子屋さんだった頃のそのままを残しているあずかりやさん。 ガラスケースの向こうに小上がりがあり、その六畳間の片隅の 文机で大きな本を開いて読んでいる店主。 店主の横に置かれた、ふっくらとした座布団の上には白い猫の「社長」。 生まれてすぐ死の淵にいた猫の「社長」。 その社長を手でくるみ、温め、店主の手のひらから 花のつぼみをひらくようにして生まれた こんぺいとう生まれ、こんぺいとう育ちの社長。 あだ名は「ポーチドエッグ」。 1日百円でどんなものでも預かってくれる「あずかりや」さん。 聞かれるのは預かる日にちとナマエだけ。 理由や中身、その人の人となりは目の見えない店主の あずかり知らぬところで、商売が続いている理由の1つ。 純粋に預かることを仕事としている。 期限が過ぎたものは、売れるものは売り、使えるものは使い、 処分すべきものは処分する。 あずかりやさんにやって来る人たちは 大なり小なりなんらかの問題をかかえ、それを棚上げするために預けにくる。 預けたものを取りに来る人、来ない人。 戻るも戻らないもその人の意思で、店主はただただ待つのが仕事。 いつまでも変わらず待ってくれている、 「あずかりやさん」はみんなの帰る場所。 「星の王子様」の本の中で宇宙旅行をし、 社長と一緒に暗闇に美しく幸せな光を見た店主。 最後に吹いた風が、店主と社長にとって幸せな風だと信じたい。
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設定もキャラクターもよいと思いますが、 なんとなく、活かしきれてないよぅな…。 (お話が表面的で薄っぺらぃのかな~?) それと…、ストーリーテラーも、 固定した方がよかったよぅな…。 (最後の、社長さんはよかったと思ぅ…) 時間軸をあまり動かさず、 また、お客さんも一見ゲスト...
設定もキャラクターもよいと思いますが、 なんとなく、活かしきれてないよぅな…。 (お話が表面的で薄っぺらぃのかな~?) それと…、ストーリーテラーも、 固定した方がよかったよぅな…。 (最後の、社長さんはよかったと思ぅ…) 時間軸をあまり動かさず、 また、お客さんも一見ゲスト扱いせずに、 順次、メインのキャラに追加していけば、 小路さんの「東京バンドワゴン」風の、 下町のアットホームなシリーズ展開も、 あるんではないか、と思いましたが…。 「猫弁」を書かれた作者さんですから、 そのあたりは、比較的うまい方なので、 次回作(あれば)に期待したぃな~と。 評価は、ちと甘め…。
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