あずかりやさん の商品レビュー
大人の童話という印象。視覚を失った預かり屋店主と訪れるお客さんとのやりとりを無機物である預かり物の視点から物語が展開するのは面白い。最後の話は胸が詰まる思いがしたがエピローグで今後の幸せを想像できる終わり方となり嬉しかった。
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わたくもね、年を取りましてね。 昔はどこか別の所に連れて行ってくれるようなファンタジー小説が好きだったんですよ。 若かったですからね。 でも若いだけで意気地も勇気もないもんですから、そういったものが必要そうな冒険や事件は本で済まそう、とそういった意味でもね、よく冒険譚や陰惨な殺人...
わたくもね、年を取りましてね。 昔はどこか別の所に連れて行ってくれるようなファンタジー小説が好きだったんですよ。 若かったですからね。 でも若いだけで意気地も勇気もないもんですから、そういったものが必要そうな冒険や事件は本で済まそう、とそういった意味でもね、よく冒険譚や陰惨な殺人事件のミステリなんかを好んで読んでおりました。 非日常ってやつですね。 もちろん今でも大好きで、ちょくちょく読んではおりますがね。 それがこういった沁み沁みと日常のありがたさを味わうような小説が、それこそ沁み沁みと染みるようになりまして。 中でもこの大山淳子さんの作品はユーモアもあって大変面白く読ませていただきました。 この小説はね、1日100円で何でも預かってくれる「あずかり屋」のお話なんですが、なんと語るのはお店に掛かっている「のれん」なんですよ。 のれん目線で書かれた小説なんて、わたくし初めて読みました。 最初はなんだか児童書みたいなだな、なんて懐かしい気持ちで読んでおりましたが、段々とのれんに感情移入してまいりましてね、最後はのれんの淡い想いを陰ながら応援したいような気持ちになっておりました。 いや、待ってください。 考えてみましたら、のれんに感情移入するなんて、それこそ非日常かもしれません。 でもね、あずかり屋のお店に来る人は、本当にわたくし達と変わらない、悩みや屈折を抱えた人たちなんですよ。
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あずかりやさんというお仕事をする店主をとりまくいろいろな物たちや猫このさまざまな視点からの物語はとてもおもしろい話でした。猫を助けてくれた石鹸さんこの続きがとても謎です。いろいろな話があとからあの時の預かりものの謎がわかりとても楽しく読めました。
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1日百円でなんでも預かってくれる「あずかりやさん」 視点が人やら物やら色々変わりますが、これが私的には面白かったです。 「もしかしてこの本もなんか思ってたりするんかな?」と考えてしまうほど。 最後まであったかい部分があり、読んでてほっこりしました。 ラストの文章で泣かされま...
1日百円でなんでも預かってくれる「あずかりやさん」 視点が人やら物やら色々変わりますが、これが私的には面白かったです。 「もしかしてこの本もなんか思ってたりするんかな?」と考えてしまうほど。 最後まであったかい部分があり、読んでてほっこりしました。 ラストの文章で泣かされました。
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一日100円でなんでも預かってくれる店。もとはお菓子屋さんだったとか。現在の店主は目が見えないため、自分のできる商売をと思い、立ち上げる。 最初、のれん目線のお話の展開にちょっとびっくりした。アンティークのオルゴール、聴いてみたいな。 どなたかのブログで明日町こんぺいとう商店街...
一日100円でなんでも預かってくれる店。もとはお菓子屋さんだったとか。現在の店主は目が見えないため、自分のできる商売をと思い、立ち上げる。 最初、のれん目線のお話の展開にちょっとびっくりした。アンティークのオルゴール、聴いてみたいな。 どなたかのブログで明日町こんぺいとう商店街のシリーズだと知った。これ、読んでみたいな。
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最初は暖簾視点。次に自転車。それからガラスケース。最後に猫。それぞれの視点から店主の身の回りに起こる様々な出来事を描いている。 何とも不思議なファンタジーです。初めて大山淳子さんの本を読みました。素敵な物語を書かれる方ですね。他の作品も読みたくなりました。
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読書初心者です。 スラスラ読め、読みやすく2日で読みました。少し時間を空けながら読んでいたので1日でも全然読めると思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2作目を先に読んでしまったのが惜しい! オルゴールのお話を社長目線で見ると、トロイメライの音色も少し違って聞こえてきますね。 人の手を渡って何十年も奏でられるアンティークの素敵なところが詰まったお話で、いちばんのお気に入りでした。 ゆったりしていて、優しい気持ちになれるお話でした。
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これ、シリーズなのかな。 店主の目が見えない設定にもっと深掘りして欲しいとか、自転車の男の子のファンタジーは一体何だったのか、とか。もう少し読みたかった感が。
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舞台になる街に流れる空気はとても緩やかで優しい感じがして、雰囲気がとてもいい。でもどの一遍もそこはかとなく悲しくて、読んでる側の勝手なんだけど、こんな素敵な街なら幸せな話を読みたかったなと。
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