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開店休業 の商品レビュー

3.8

19件のお客様レビュー

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2020/09/28

【腹減り度】 ☆☆☆ 【食べ物の割合】 ☆☆☆☆ 【1番美味しそうだったもの】 解説にて平松洋子さんが書いたハルノ宵子さん作のコロッケ *感想* 父、吉本隆明さんがdancyuで連載していたエッセイに娘であるハルノ宵子さんが1話1話ツッコミをいれ内容を補完するという面白い形式の...

【腹減り度】 ☆☆☆ 【食べ物の割合】 ☆☆☆☆ 【1番美味しそうだったもの】 解説にて平松洋子さんが書いたハルノ宵子さん作のコロッケ *感想* 父、吉本隆明さんがdancyuで連載していたエッセイに娘であるハルノ宵子さんが1話1話ツッコミをいれ内容を補完するという面白い形式のエッセイ。 ハルノさんが書いているように後半になるとネタが尽きたのか、所々食エッセイじゃなくなっていた。 美味しい食べ物エッセイというよりは家族の思い出を綴ったものだと思う。老いたる自分の味覚(舌)を徹底して信用していない吉本さんの姿勢が可笑しい。ハルノ宵子さんの鋭いツッコミは肉親だからこそだよなぁと思う。1番好きだったのは「このころになると父の文章は、もはや食べ物の話ですらない。老人の“ボヤキ部屋”だ。記憶もかなりあやふやになっている。物干し台のあるアパートに住んでいたことなどはない。」という文章。なんかズバっとしてて最高です。

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2019/02/22

「戦後思想界の巨人」と呼ばれる思想家だそうだけれど、この本は小難しいお話は無し。 最晩年の連載エッセイに、長女である漫画家ハルノ宵子さんが“家族として”エッセイを併せて載せている。どちらかというとハルノさんのエッセイの方が断然面白い。 下町の商店街での買い食いや、家で作る豚ロー...

「戦後思想界の巨人」と呼ばれる思想家だそうだけれど、この本は小難しいお話は無し。 最晩年の連載エッセイに、長女である漫画家ハルノ宵子さんが“家族として”エッセイを併せて載せている。どちらかというとハルノさんのエッセイの方が断然面白い。 下町の商店街での買い食いや、家で作る豚ロース鍋や、子供時代の食の思い出や、弟の授乳をかすめ飲んだおっぱいの味など、食にまつわる内容だ。イコール“家族”のお話でもある。 でも、『共同幻想論』だの、『マチウ書試論』だの、『転向論』だの、バリバリ思想家の著書は、今後も絶対に手に取ることはないだろうなぁ。

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2018/11/13

雑誌dancyuに連載した食べ物のエッセイを長女のハルノ宵子が画・追想を記載。 ☆長女(漫画家らしい)は、両親と一緒に暮らし、最後まで看取った。 やや気取った感もあるエッセイに対し、長女の追想からリアルな姿がかいま見える。

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2015/05/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

食と記憶は繋がってるんだな、と改めて思うと同時に、それがもうこの世にいない吉本隆明さんと生きているハルノさんとの思い出や体験を交互に読んでいると、また、吉本隆明さんの死にゆく者の、年老いた者の、つまりある意味過去を振り返って紡ぐ言葉たちが、なんとも切ないというか、寂びしいというか、哀しいというか、面白いのにちっとも心が弾まない、という不思議な気分になる一冊。 きっと「こんなに食べ物とお父さんの記憶が連動してるのはさぞや辛かろう…」というのは間違い で、ややもすれば冷たいというか距離の感じるものだけど、本文にあるように親子なんてそんなもんだ。ろう、たぶん。 でもハルノさんの書く文章はまぎれもなく、子のもの。 ーーーーーーー と、読み終わる寸前に書いたのがここまで。 この本でもっとも撃ち抜かれたのは「氷の入った水」で、ハルノさんの親子間独特の照れ屋なところがよく出ている一編だと思う。 死にゆく側は「思い出して欲しい」という思いがなくても、生きていく側にとってはやっぱりこういう共通の記憶があるのは大事なことなんだな。 まさに「"食"を巡る物語は、そのまま"家族"の物語だ」という一文の通り、食べ物を通じで家族の意味のようなものまで触れてしまった気がする。

Posted byブクログ

2014/06/12

「dancyu」での食に関するエッセイ。 吉本さんが亡くなる直前まで書かれてたようだ。 娘さんのハルノ宵子さんが、いろいろ解説も入れてくれている。 これは評価はしてはいけない気がした。 タイトル通り、吉本さんのマイペースな内容でした。

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2014/05/14

吉本隆明さんについて「入試によく出てくる小難しい文章を書くおじさん(そして吉本ばななのお父さん)」という非常に酷いイメージしかなかったですが、この本は(食の)エッセイなのでとても読みやすかったです。 下町で過ごした幼少期の数々の食エピソード、東北の学生寮での泥酔事件、何度も出てく...

吉本隆明さんについて「入試によく出てくる小難しい文章を書くおじさん(そして吉本ばななのお父さん)」という非常に酷いイメージしかなかったですが、この本は(食の)エッセイなのでとても読みやすかったです。 下町で過ごした幼少期の数々の食エピソード、東北の学生寮での泥酔事件、何度も出てくる「塩せんべい」「三浦屋のレバカツ」、「軽い食事」として好んで食べているカップ麺のことなどなど…半生の折々に出会った食べ物について、温かみのあるタッチで描かれています。 向田邦子さんの食エッセイもそうですが、同世代でないけどどこかノスタルジックな気持ちを共有した気分になれるのはなんなんでしょうね。 個人的に一番ツボだったのは吉本さんが結構バラエティ番組を視ている(しかも好意的)のが垣間見られたこと。夕方のニュース番組での主婦軍団のグルメ巡りが好きだと言ったり、明石家さんまが司会を終えた後に一杯の水を飲む姿が良いと言ったり(「踊る!さんま御殿のエンディングのことだと)。堅物の思想家のイメージを勝手に抱いていたので意外でした。 この本でとても良いなと思ったのは、エッセイごとに娘のハルノ宵子さんの解説(?)があったことです。父の思い違いの指摘・修正や、エッセイ内で触れられていた想い出話の補完、老いていく父の様子の描写…この共演が書かれた時間差があるものの親子の会話のように感じられ、親近感を強くしている気がします。 しょっちゅうでてくるハルノさんの母(=吉本さんの奥様)の食への関心のなさの指摘は、父娘で「お母さんってばちょっとねぇ…」とヒソヒソ話をしているような雰囲気で、読んでいるこちらも共犯になってるような気分になりました。 食の想い出、振り返ると自分にもそれなりにあるもんだと思うと同時に、そこには結構な割合で家族や友人も絡んでいるなーと再認識。誰に読まれるでもないけど、備忘録がわりになんとなく書いてみたくなりました。

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2014/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

吉本隆明さんのエッセイに加えられたハルノ宵子さんの文章が本当に素晴らしい。軽妙な文章で真実ばかりが綴られている。特に最後に召し上がられたものがカップのうどんだったというのは本当に介護をしたことがある者ならものすごく頷けるのではないかと思った。あと、酒席での振る舞いに関してずっと思っていたことがパキッと文章にされていて溜飲が下がった。

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2014/01/11

吉本隆明最後の連載エッセイに、娘のハルノ宵子さんが追想文をつけたもの。あの吉本隆明が、こういう淡々とした食にまつわる思い出話を書いていたとは。「共同幻想論」は遠くなりにけり。 学生の頃、みんなが読んでわかったふりをしていたけれど、今思えばあやしいものだ。全然意味がわからないとこ...

吉本隆明最後の連載エッセイに、娘のハルノ宵子さんが追想文をつけたもの。あの吉本隆明が、こういう淡々とした食にまつわる思い出話を書いていたとは。「共同幻想論」は遠くなりにけり。 学生の頃、みんなが読んでわかったふりをしていたけれど、今思えばあやしいものだ。全然意味がわからないところは、自分の理解力が足りないからだと思っていた、ウブな私。ずいぶん前にパラパラ見返したら、なんともはや読みにくい文章で、「こんな悪文読めるか!」って思ったのだけど、そう思ったことに、なんかちょっと寂しいような気もしたのだった。やっぱり「吉本隆明」というのは、好き嫌いは別にして、ちょっと特別な名前だったから。 進歩的なように見えて、家庭ではあっと驚く専制君主だったりする知識人もいるが、吉本隆明はどうやらそうではなかったらしい。「炊事担当」として、日々下手ながら家族の食事を作っていたそうだ。「男の料理」とか、やたら講釈を垂れたりするのではなく、必要な「家事」としてこなしていたその当たり前な感じが伝わってきて、そこが良かった。 ハルノさんの書きぶりが絶妙だ。ベタベタした湿っぽい雰囲気が全くなく、そこはかとなく温かみのある文章で、父吉本隆明の晩年の日々が綴られている。それぞれが本当の意味で自立した、いい親子だったんだろうなと思う。こういう関係を身近で作れた吉本隆明は、やっぱり偉かったんだな。 亡くなる前の何年かは、ほとんど目が見えなくなっていたという。どんな人も老いと死は避けられないのだと思うと切ないが、その最期の日々にも、間違いなく喜びを感じることがあったのだと思えるエピソードがさりげなく書かれていて、救いを感じた。

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2013/11/08

お父さんがエッセイに亡くなった後で解説みたいな感想みたいな娘さんのエッセイが追加され発行されるなんて試み、新しいし素敵です。

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2013/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ありのまま、記憶や想いを綴ることができる…そんな日がいつか自分にも訪れるのだろうか? いや、きっと来るんだろうな。 自分が気づかないところにきっと来る。 開店休業しても、書くことに拘り続ける、 食べることは、ただ食べ物を食べるだけではないこと。 家族、自分、色んな思い出とそこに繋がる想いを食べること。多分そおいうことなんだと思う。 ああ!ちゃんと食べていけるのかなぁ(笑)

Posted byブクログ