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よだかの片想い の商品レビュー

4

140件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2024/07/15

「たしかに、人は変わることもある。しかし違う人間にはなれない。それは神の領分です」◆人はみな悩みを抱えているもので、それをぶつけあう登場人物たちの恋愛は、はらはらして、わくわくして、どんどん先を読みたくなった。結末にも、満足。人は弱いままで強くなれるはずだ。

Posted byブクログ

2024/03/20

ティーンの棚にあったので見逃していたみたいだけれど、手に取って良かった 恋愛小説なのに、色恋以上に人としての生き方を考えさせられた ティーン向けというよりは若い人に読んでほしい本 私自身はとても下世話で、あざがある人がいれば見てしまうし、単純に気の毒だと思ってしまう 多分、改める...

ティーンの棚にあったので見逃していたみたいだけれど、手に取って良かった 恋愛小説なのに、色恋以上に人としての生き方を考えさせられた ティーン向けというよりは若い人に読んでほしい本 私自身はとても下世話で、あざがある人がいれば見てしまうし、単純に気の毒だと思ってしまう 多分、改めることは出来ないけれど、アイコのように考えられる人もいることがわかったのは、収穫だと思う

Posted byブクログ

2023/06/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

否定も同情もせず、ただ寄り添ってくれる存在がアイコのまわりにいて良かった アイコを傷つけさせまいと知らない間に守ってくれていた母と、優しい父 そんなふたりの優しさや親という立場、悔しさから出る「なんでこの写真なの」という言葉は、幸福そうで前向きな娘を見たかった親としては「なんか違う」と感じられてしまうのは仕方がないことかもしれない だけど、ありのままの姿を残せたことを両親にわかってもらえなかった、自分自身が胸を張れる自分は少しだけ駄目だと言われてしまうようなほんのちょっとの絶望感を書くのが本当に上手 両親を大切に思うからこそ、自分の存在で苦しめてしまっている事実は耐え難いね 「かわいそう」と言われてアイコが初めて気がついたように、どうにもできなくてそれまで特に気にしていなかったことを初めて人に指摘された時の恥ずかしさと心臓が掴まれる感覚、その一方でどんどん冷えていく頭の中で混乱する自分がごちゃ混ぜになるあの瞬間は経験した人しか分からない そういう意味でアイコにとっての飛坂は私にとっての島本理生さんと同じ 最後の方、時間がかかるけどレーザー治療が可能と知ってためらう気持ちがよく理解できた いい面だけじゃなくて、コンプレックスがなくなることで生まれる悪い面というのは必ずある 例えば整形でもこの人は整形前でも仲良くなれてたかな?と自問自答して、まちがいなくそうであると自信を持って言い切れるほどの人物ならきっとそうなんだろうと思う だけどその見極めって難しいしその判断は間違いかもしれない それにしてもアイコがめちゃくちゃ卑屈にならず生きてこれているのは両親のおかげであることを痛感する 「夏の裁断」に引き続き教授がいい人 今まで重ねてきた倍の時間で得たことを伝えられる役割は先生がいちばん身近ですごく大事なのでは そろそろ飛坂について触れよう(笑)率直に言えば、きっと2人とも未熟だったんじゃないかな 「アイコを幸せにできない」と言える飛坂はまだ救いがある方 アイコは飛坂のことを男の子に向かっていけるかっこよさだけじゃなくてそのまっすぐな強さにも惹かれたのかもしれない きっとアイコはこの経験を糧にできるはずだから、この先彼女が幸せな人生を送っていけるように願うしかない

Posted byブクログ

2023/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

顔に痣のある女の子が恋をする話。 主人公は痣のある顔に生まれたことで、両親を責めない。 それは生まれた時から互いに苦しみを共有できていること、大きな心で包んでくれた祖父の存在があったからというのもあるけれど、そのことに胸がいっぱいになった。 「…痣のない普通の顔に生まれることができるならそれが一番なのだろうけれど、そう願うことは両親や自分と同じ境遇の人、もっと大きな困難を抱えている人たちを否定することになってしまうから…」 自分の生まれた姿を否定することは、同じような、もしくはそれ以上に大きな苦しみを抱えている人をも否定することになるということに初めて気付かされた。 映画化されていたのを知っていて、主人公を演じていたのは、頬にほとんど気にならないようなうっすらとした痣があるとても綺麗な顔の女優さんだった。作品のポスターを見かけて、こういう苦しみを描いた映像作品は、観る人に不快感や恐怖心を与えないよう都合よく美化されてしまうのが常なのだと、静かに悲しい気持ちになっていた。 だから小説の方もまったく期待せずに読み始めたのに、とてもよくて心に沁みる作品だった。

Posted byブクログ

2023/01/02

自分の弱さとの向き合い方や価値観が、人との出会い・関わりで変化していく模様が描かれている。 自分にも通じる部分はあったが、うーん…と物足りなさを感じた。

Posted byブクログ

2022/12/07

今の自分に必要だった本。 強くて弱くて逃げずにしなやか。 根っことか枝とかの成長って感じ。方向は定まってなくて、でも漠然と向かう先はかっこいい

Posted byブクログ

2022/11/02

当人が気にしていても、それ以上に周りは気にしている。 周りの思いに気付けた時、氷解していくのだろう。 いちいち真っ直ぐに想う気持ちには、イライラしたし、ほくそ笑んだし、心が揺らいだ。 かわいいと思ったし、じれったいと思ったし、じーんとした。 経験を重ねると、言葉にも態度にも意図せ...

当人が気にしていても、それ以上に周りは気にしている。 周りの思いに気付けた時、氷解していくのだろう。 いちいち真っ直ぐに想う気持ちには、イライラしたし、ほくそ笑んだし、心が揺らいだ。 かわいいと思ったし、じれったいと思ったし、じーんとした。 経験を重ねると、言葉にも態度にも意図せず装飾が施されて、重たくなるけど アイコの、それには、何もついてなくて、好き。

Posted byブクログ

2022/09/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

島本さんてナラタージュのイメージが強くて、読むかどうかすごく迷う。でも気になる。でも、戻す・・・を何度か繰り返して、手にとってしまった。軽く読み始める が途中でも終わろうと思うのに終われない。 P89 ああ、笑顔っていうのはこういうときのためにあるのか、と初めて学んだ。自分が面白いから、楽しいから、だけじゃなくて。相手を思い詰めない様に。決して苦しめないために。 笑顔の意味を、改めて言葉にすると、こんな表現になるのか。その時のアイコの笑顔の意味をも、グッとくる。 人を好きになることで、こんなに世界が変わるのか、こんなに色鮮やかになるんだっけ?と、久々の感情に触れる。 P92 飛坂さんを圧倒的に大きくて強いものだと思いすぎてはいけないものだと考えた。私の期待や願望だけを込めすぎないように、ありのままをきちんと感じよう。 アイコ、初めての恋愛なのにそう思えるあなたがすごい。 P95 「一緒にいるっていうのは、相手を肯定しながら、同じ場所にいるってことなんだからさ。それは立派な理由だし、責任だ。」 といって、胸きゅんすることを言っておきながら 「先に言っておく。僕がアイコさんを幸せにしてあげることはできないと思う。」と突き放す。真実かもしれないけど、誠実かもしれないけれど、でもある意味不誠実にみえてしまう。もう、続きが気になって仕方ない。 P209 でも、今は知ってしまった。求められることの幸福を。そうしたらもっと欲張りになっていた。 約束は守って欲しいし、私と会う事を一番楽しみにしてほしい。相手にも、こちらが思うのと同じくらい、好きになって欲しい。付き合っているのに、片思いみたいな状態じゃなくて。 もう前の私には戻れない。それは、わがままじゃなくて、自分にとって必要な変化だと思うから。 P224 「あなたに出会ったとき、僕は夏の夜空を思いだした。 美しくてあまりに果てない夜空を、その小さな体に抱いていた。 あなたの中の数えきれないほどの星に見守られて、僕は初めて泣いた。 そのことにどれほど救われたか、もっと声を大きくして、あなたに言えばよかった。」 P225 形ある湖から、無限に広がる夜空になった、このアザと。 アイコの人間性に心惹かれる。原田君。いいやつ。 自分ではどうにもコントロールできないくらいに恋して自分を見失いそうになるけれど、最後は自分を見失わないアイコ。 帯に、 「本当は、すべての人間が痣を負った当事者、すなわち「よだかの星」の「よだか」である。が後から言葉が沁みる。 こんな成長、素敵だなぁ~。 久々に本を読んで泣いた。でも悲しいとかいうよりすこし浄化したような涙で、寂しさに近い感動。でも前向きになれる感動。 いい本だった。

Posted byブクログ

2022/08/16

自分も恋愛によって傷ついていたことを知らしめてくる、いつも島本理生さんの言葉は刺さる。 救われたいのか、絶望したいのか、もう自分では判断できない。 もう大丈夫だと思ったのに、こんなにもあっけなく大丈夫じゃなくなる。

Posted byブクログ

2022/07/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

顔の痣があって、それがコンプレックスな女の子のお話。 私の高校の同級生にも大きな痣があったけど、 めっちゃべっぴんさんで、 全然そんなこと気にしている風ではなくて(本心は知らんけど) それも彼女の魅力のパーツの一つとしてみていたなぁ・・・って思った。 でも、やっぱ女の子だもん、嫌だよね。 それを受け入れてくれた人との恋愛のお話。 大好きになったその人は映画監督。 彼と一緒にいることで、少しづつ自分の見方も変わってくるのがいいなぁ。 でもでもやっぱ・・・片思いなんだなぁ。 それは痣があるからではなく、ただの女の子として、ね。 きっとこの映画監督とは痣があるなしに関わらず、うまくないかないんだろうなぁ・・

Posted byブクログ