辞書を編む の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
まず、書評をば。 読みやすく、辞書編纂への思いが感じられる。愛のある一冊。 これから先、有難さを頭の隅に感じながら、辞書を引かせて頂きます。 そして、著者 飯間氏に届けたい。 作中のパート「紙の辞書はなくなってもいいか」で、紙のよさを示す部分があります。 僕が書斎からデジタルを排除し、紙の辞書を持っている最大の理由がそこにはありません。お気づきでしょうか。 スマホ辞書は書斎では邪魔なのです。 言葉の意味を引くつもりが、逆に通知欄に
Posted by
<目次> はじめに 第1章 編集方針 第2章 用例採集 第3章 取捨選択 第4章 語釈 第5章 手入れ 第6章 これからの国語辞典 <内容> 『三省堂国語辞典』の編者の一人、飯間さんによる辞典(辞書)の作成をリアルタイムで紹介した本。著者の「実例主義」の話が面白い(...
<目次> はじめに 第1章 編集方針 第2章 用例採集 第3章 取捨選択 第4章 語釈 第5章 手入れ 第6章 これからの国語辞典 <内容> 『三省堂国語辞典』の編者の一人、飯間さんによる辞典(辞書)の作成をリアルタイムで紹介した本。著者の「実例主義」の話が面白い(第2章)。第6章は、なるほどと思った。ネット上に「ウィキペディア」の辞書版「ウィクショナリー」があるのは知らなかったが、さらに俗語辞典「日本語俗語辞書」があるとは…。本の発行が2013年なので、その後どちらも語数が増えていると思うが、『広辞苑』第7版の発行で、紙の辞書とネット辞書の違いをテレビでもやっていたように、紙は自然と調べている単語以外にも目が行くところだと思う。結果、語彙数が増えていく(ただし、活字に拒否症状のある人はつらいかな?)ことだと思うので、今後も紙の辞書の改訂をし続けてほしいな(私も活中だから⁈)。 逗子市立図書館
Posted by
例えば。「愛」は「恋」の上位という認識が一般的な感があるけど、辞書の語釈で考え且つ成り立ちも踏まえると、けしてそんなことはない。 そんなことを真面目に思案し議論する“辞書編纂者”なる人種のお仕事ドキュメント、辞書が作られる過程の体験談だ。言葉好き、辞書好きとしてはその全てがエキ...
例えば。「愛」は「恋」の上位という認識が一般的な感があるけど、辞書の語釈で考え且つ成り立ちも踏まえると、けしてそんなことはない。 そんなことを真面目に思案し議論する“辞書編纂者”なる人種のお仕事ドキュメント、辞書が作られる過程の体験談だ。言葉好き、辞書好きとしてはその全てがエキサイティング。 語釈も宝だが、それを書くための用例こそが、一度失われたら取り返しがつかないとか、語釈は、既にある解説を再構築しても駄目で、自分の経験まで含めて自分の言葉にしなければならないとか。うん、伝わってないと思うけど、面白いんだ!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
飯間さんの誠実な人柄が「読ませる推進力」になり、結果、辞書編纂という作業の面白みが伝わる、とても美味しい読書。 本書を要約すれば、生きた言葉を平易に説明、という編纂方針に尽きる。 その具体例が膨らみを持って紹介されるのだが、細かく教えて貰えば貰えるほど興味が湧く。 こんこんと泉のように。
Posted by
新聞やテレビから街中まで、ことばを「採集」して、一冊の辞書にまとめあげる辞書編纂者のドキュメンタリー。 昆虫や草花を集めるようにして、集めた宝物のことば達から選りすぐる。その宝物を磨くように、すんなり腑に落ちる語釈を長い時間かけて考え、現代で使われている「生きたことば」だけ...
新聞やテレビから街中まで、ことばを「採集」して、一冊の辞書にまとめあげる辞書編纂者のドキュメンタリー。 昆虫や草花を集めるようにして、集めた宝物のことば達から選りすぐる。その宝物を磨くように、すんなり腑に落ちる語釈を長い時間かけて考え、現代で使われている「生きたことば」だけの辞書に仕上げていく。 「ことばだけで世界を再表現したい」と語る著者には少年のような輝いた目が想像できて、読んでるこちらもワクワク。 文体が美しく(現代日本語として読みやすくて)、ちょっとおかしなエピソードが揃っているので、かなり楽しめました。
Posted by
三浦しをんの著作で『舟を編む』という小説がある。本屋大賞を受賞した人気作で映画化もされたので、知っている人も多いだろう。『舟を編む』は辞書編纂を主題とした小説だが、『辞書を編む』は、正に辞書編纂という仕事について辞書編纂者自身が著したノンフィクションだ。 著者は『三省堂国語辞典』...
三浦しをんの著作で『舟を編む』という小説がある。本屋大賞を受賞した人気作で映画化もされたので、知っている人も多いだろう。『舟を編む』は辞書編纂を主題とした小説だが、『辞書を編む』は、正に辞書編纂という仕事について辞書編纂者自身が著したノンフィクションだ。 著者は『三省堂国語辞典』略して『三国』の編纂者で、本書はその第7版の編纂中に書かれたものだ。辞書編纂は、本、雑誌、テレビ番組、ウェブサイト、街中の看板などから膨大な数の言葉とその用例を集める用例採集から始まり、集めた言葉の取捨選択、語釈、従来の版の記述の手入れなどを行う。著者の語る各作業の手順や他の編纂者とのやり取りなどからは、辞書編纂についての著者の熱意と思い入れがよく伝わってくる。 現在、複数の出版社から何種類もの国語辞典が出版されているが、それぞれに特色がある事を皆さんは知っているだろうか。例えば『岩波国語辞典』『明鏡国語辞典』は「正しい言葉と用例」を載せる規範主義の辞書だが、『三国』は「今そこにある日本語を載せるべき」という実例主義で編纂しており、新しい言葉や言い回しを積極的に採用する。「分かりやすい語釈」も『三国』の方針だ。『新明解国語辞典』は独自の語釈が特徴で、明治以前の文献も含めて調べたいときは『広辞苑』『大辞林』『日本国語大辞典』全13巻などの大型辞典が適している。図書館は何種類もの国語辞典を所蔵しているので、本書を読んで辞書の面白さに気付いたら、手元の電子辞書だけではなく色々な辞書を引き比べてみよう。辞書の面白さと日本語の奥深さを楽しむことができるだろう。
Posted by
国語辞典をつくる際、どのような過程でつくられているかご存知だろうか。辞書をつくるにあたり、ことばを収集したり語釈を書くために街を歩きまわっている人たちがいる。その人たちのことを「編纂者」と呼ぶ。この本は編纂者の著者が辞書をつくる際の苦労を語っている。この本を読み終わったら国語辞典...
国語辞典をつくる際、どのような過程でつくられているかご存知だろうか。辞書をつくるにあたり、ことばを収集したり語釈を書くために街を歩きまわっている人たちがいる。その人たちのことを「編纂者」と呼ぶ。この本は編纂者の著者が辞書をつくる際の苦労を語っている。この本を読み終わったら国語辞典を読んでみたくなります。
Posted by
実は有名な「船を編む」未読なのですが、こっちが気になってしまい先に手を取りました。 辞書を作ってる人=言葉のプロ、だとずーっと思っていて、どうやって作ってるのか具体的なことは全くわからないけど、日本語の研究者達が室内でコツコツやっているんだろうなーなんて思っていました。 この本を...
実は有名な「船を編む」未読なのですが、こっちが気になってしまい先に手を取りました。 辞書を作ってる人=言葉のプロ、だとずーっと思っていて、どうやって作ってるのか具体的なことは全くわからないけど、日本語の研究者達が室内でコツコツやっているんだろうなーなんて思っていました。 この本を読んで、変化し続ける言葉を外で地道に集めてきてるのか!とびっくりしました。 最初は楽しくてもよっぽどの根気と愛がないと、すぐ挫折しちゃいそうなくらい地道な作業なんですね、、、編纂者の方々には頭が上がりません。 時代と共に変化する生の言葉を一つ一つ見つめながら、細やかに手を入れることで辞書が出来上がっていく、素晴らしいお仕事だと思います。 学生時代から大分時間も過ぎ去りまして、紙の辞書を手に取る機会はめっきりと減ってしまいましたが、そんな今だからこそ新たな気持ちで紙の辞書をめくるというのも楽しいかもしれません。 目当ての言葉の前後に載っている言葉がまた新しい出会いなる、これも紙ならではですしね。 ところで、読書家の方は辞書を読むって本当なんでしょうかね。
Posted by
楽しくてためになる! ことばおたく(褒めてます)な著者の日常はことばに対するアンテナがぴんと張っていてとても素敵!本文の一文一文の重み、行間から感じられる著者の誠実で謙虚な人柄にも心惹かれました。 そして、もっとことばに敏感になろうと思いました。まずは、辞書を隈なく読みたいで...
楽しくてためになる! ことばおたく(褒めてます)な著者の日常はことばに対するアンテナがぴんと張っていてとても素敵!本文の一文一文の重み、行間から感じられる著者の誠実で謙虚な人柄にも心惹かれました。 そして、もっとことばに敏感になろうと思いました。まずは、辞書を隈なく読みたいです。
Posted by
内幕ものは、どんな世界のものも面白い。国語辞書編纂の舞台裏も、その、言葉への真摯な姿に、同じものを見ていても違うものが見えていることが感じられて、興味深い。言葉の海は、深いなぁ。最近手にしていなかった国語辞書、開いてみよう。新しいものも手にしてみたいし、読み比べもしてみたい。
Posted by