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決められない患者たち の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2024/09/14
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※このレビューにはネタバレを含みます

20150901 読了 (美深厚生病院にて) 目次 序章 Introduction 1章 私は数値でいうとどのあたり? Where Am I in the Numbers? 2章 信じる者と疑う者 Believers and Doubters 3章 でも、それは私にとってベストなのだろうか? But Is It Best for Me? 4章 後悔 Regret 5章 隣人のアドバイス Neighborly Advice 6章 自主性と対処 Autonomy and Coping 7章 現実世界での意思決定分析 Decision Analysis Meets Reality 8章 人生の終焉 End of Life 9章 患者が決定できないとき When the Patient Can't Decide 意思決定に関して幅広い件kヒュウを行ってきたカーネギー・メロン大学のジョージ・ローウェンスインは感情の状態を「ホット」と「コールド」に分類している。(中略) 同様に、痛みがある時、不安に思っている時、怒っている時、不満を抱えているときにも、私たちは「ホット」な状態にありとにかく早く問題を解決してくれるであろう選択肢を選ぶ傾向が見られる。 医療における決断の分析を行った認知心理学者は「無為バイアス」と呼ばれるものについて叙述している。すなわち、もし自分が治療の選択などに深く関わって望ましくない結果、ことに副作用などが出た場合 よりひどく後悔することになるだろうことをおそれて、あえて積極的に自分で決定を下したくない、とういうひとが出てくるのだ。この公開をすることへのおそれのために患者によっては治療の選択肢を放棄してしまう。 その結果、約半数の患者はその答えに一貫性がみられなかった。治療方針の希望を変更した患者は2年間の観察期間の間に病状が悪化した群により多くみられたが、病状の変化のなかった群にも以降の変化がみられた。リビング・ウィルの作成や事前の意思表示をしていたかどうかは、当初希望していた治療方針をその後保持したか変更したかにはほとんど影響を及ぼしていなかった。 「以降の変化に関わる大きな要素は適応力である。患者にとって障害に負けずに生きる自分の姿を想像しがたいことも多く、そのためそうした状態になったら積極的な治療はしてほしくないとのいしを表明する。しかし、実際そういう状態に陥ると、徹底した治療も厭わなくなることも多い。たとえそれで得られる利益はかぎられていても、だ」

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2022/10/19

【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB12306202

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2020/11/04

なぜ患者たちは意思決定が出来ないのか? その理由を、様々な患者たちの病気治療における意思決定へ至る心の動きを詳細なインタビューを基に章立てて記載した本。 特に衝撃を受けたのは、終末医療における患者の「事前治療計画」や治療の「事前意志表明」を作成する事が、終末期の治療向上に全く...

なぜ患者たちは意思決定が出来ないのか? その理由を、様々な患者たちの病気治療における意思決定へ至る心の動きを詳細なインタビューを基に章立てて記載した本。 特に衝撃を受けたのは、終末医療における患者の「事前治療計画」や治療の「事前意志表明」を作成する事が、終末期の治療向上に全く寄与しない事例から、今後起こりうる状況を想定して意思決定し準備をする困難さでした。 会社の製造工程のリーダーを任せている部下がおり、中々決断出来ない・後回しにするという癖が、周囲からも問題視されている為、何かヒントになればと思い、購入したのですが、最終的には都度丁寧な対話とお互いの意思確認が何よりも大事だと考えさせられました。

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2017/11/30

アメリカの制度とは随分違うから、すぐには受け入れられないやり方もあった。参考にはなったよ。でも、邦題は、ちょっと違うかな。

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2017/10/21

何かと話題のACP。医療従事者の合理的業務改善とか、パスとかと捉えてるかたにはガツンときちゃう、関係者必読の一冊。

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2014/12/19

この本を読んで、我らの意思決定が改善されるかどうかは疑問。その複雑さ、難しさにたじろいでしまう。医療者にはぜひ読んでほしいと思う。なおタイトルは「片付けられない女たち」を連想してしまうので、別のものが良かった。

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2014/01/15

挑発的な邦題にー原題はYour medical mind-what is right for youー少しの嫌悪感を感じながらも手に取ったが、中身は良著! 医療上の意志決定に影響する様々なバイアスや個々人の志向についての分析。意志決定支援に関わる多くの人に読んでほしい。 個人的に...

挑発的な邦題にー原題はYour medical mind-what is right for youー少しの嫌悪感を感じながらも手に取ったが、中身は良著! 医療上の意志決定に影響する様々なバイアスや個々人の志向についての分析。意志決定支援に関わる多くの人に読んでほしい。 個人的には、人間のもつ適応力についての分析ー『私たちしばしば精神的許容性、すなわち新しい現実に適応したとえ逆戻りはしてもまた再び現実を受け入れようと努力できる、という人間の能力を過小評価してしまう。時が経つと共に、ひとは自分の人生の中で以前と変わらず喜びを与えてくれる領域を押し広げ、かつては見過ごしていたことにも満足を見いだすようになるのだ。』という辺りが最も印象に残った。

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2013/11/24

不確実な事柄に対する意思決定について書かれた本。医療関係の事例について書かれているが、不確実な事柄への対処という意味では、投資の判断やプロジェクトのマネジメントにも応用可能か?

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2013/08/10

キャッチーなタイトルだが、著者は 患者が 決められないことを問題としているわけではないと、思う。いかに決めることが難しかったり、バイアスがかかったりするかということ、を述べているにすぎない。なので、このタイトルは、良くない。新刊に、タイトル倒れの内容が多いが、内容はいいので、ちょ...

キャッチーなタイトルだが、著者は 患者が 決められないことを問題としているわけではないと、思う。いかに決めることが難しかったり、バイアスがかかったりするかということ、を述べているにすぎない。なので、このタイトルは、良くない。新刊に、タイトル倒れの内容が多いが、内容はいいので、ちょっと残念。

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2013/06/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

学会会場で見つけた本です。様々な人、様々な設定での病気における意思決定の様子を描いた本です。決められない患者たち、という題名ですが、これはおそらく、騒ぎを起こしたい人々がつけた題名で、内容はそのような挑発的なものではありません。 各章では、症例報告のようなものがあり、その後様々な文献に基づいて考察がなされます。医療における意思決定の難しさが、色濃く描かれます。結論的なものはまだありません。しかし医療における意思決定をよりよくしようと考えている方が多いことは分かりました。個別の問題と、多数例の検討をどのように合わせていくのか、考えさせられます。最初にスタチンの問題が出てきますが、最近では高脂血症→スタチンというのは決まりきっているように思いますが、まだ行ったり来たりがあるのかもしれませんね。

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