タタール人の砂漠 の商品レビュー
砦の防衛という任務に生涯を費やす一軍人の人生。ちょうど青春をこえた自分にとって、実感のわくものであった。何かが起こることをひたすら待ちわびているだけでは、いけない。
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心がやられる。 きつい。 内省、内観をしくじれば、 全身がアポトーシスに陥り、 自己崩壊してしまいそうだ。 怖い作品である。
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人生何か大事件が起きるなんて思っていても、平々凡々と過ごしてしまうもの。まして受動的に生きると尚更。身につまされます。それにしてもイタリアの国境にタタール人が来るって、どういう発想なんだろう?モンゴルやトルコ人じゃないのかな?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
北方の辺境地に立つバスティアーニ砦に赴任するジョヴァンニ・ドゴーロ。砦に向かう途中であったオルティス大尉。4ヶ月で街の駐屯地に戻れると話す副司令間。砦の北に広がる「タタール人の砂漠」。砦での単調な日々。ジョヴァンニが率いる警備隊の兵士の射殺事件。砦に残るアングスティーナの凍死事件。20年の歳月が流れつにやってきたその時。隣国による侵攻の開始。病に倒れるジョヴァンニ。
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どこかの書評で「40代の人こそ読んでみてほしい」と紹介されていたので、 読んでみました。 お話はとある国で、士官学校卒業した若い士官が、辺境の砦に配属されるところから始まります。 この砦は、タタール人の侵攻から国を守るためにあるという存在です。 主人公は、実は行き先も、どのくら...
どこかの書評で「40代の人こそ読んでみてほしい」と紹介されていたので、 読んでみました。 お話はとある国で、士官学校卒業した若い士官が、辺境の砦に配属されるところから始まります。 この砦は、タタール人の侵攻から国を守るためにあるという存在です。 主人公は、実は行き先も、どのくらいかかるのかもわからずに、砦へ向けて 馬を進めていくのですが、着任してみて「ここはヤバイ」とすぐに気づきます。 それで、上官に少し経ったら転属させてほしいとお願いをするのですが・・・ かなり淡々とストーリーは進んでいきます。 特に抑揚もなく、それなのに、けっこうドキドキというか、ドギマギというか、 じれったいというか、なんとも奥歯にものが挟まった感が続きます。 読んでみて感じたことは、人生、自分から動かない限り、何も変わらないな、ということ。 「 いつか○○が起きる 」とか「 誰かが○○してくれる 」と思っていても、なにも始まらない。 何かを起こしたければ、自分から創りだすしかないな、と。 そう考えると、年代で区切るのではなく、 変化に対して消極的な人に読んでほしいかも。 変わらないことの怖さ、変われないことの恐ろしさを感じる作品です。
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淡々とした中に、何か心惹かれるものがあって、読了。訳者あとがき、は分かりやすい。人生って思ったほどドラマチックではなく、淡々と過ぎ去っていくもの、私も死ぬ時は、ドローゴのように、死を胸を張って迎えたい。
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何よりも自分の人生を考えさせられる一冊でした。 Webの書評で気になり、早速読んでみたのですが、ガツンときました。 北端の辺鄙な砦に配属が決まった一人の新兵。 最初はすぐに配置変えを望み、我慢しながら一時的な、 単調な兵役をおくっていた。 その砦の存在意義はただひとつ、 いつ来...
何よりも自分の人生を考えさせられる一冊でした。 Webの書評で気になり、早速読んでみたのですが、ガツンときました。 北端の辺鄙な砦に配属が決まった一人の新兵。 最初はすぐに配置変えを望み、我慢しながら一時的な、 単調な兵役をおくっていた。 その砦の存在意義はただひとつ、 いつ来るかとも知れない、北の砂漠の向こうからの タタール人からの襲撃にそなえるものであった。 もはや伝説となっているタタール人と、 戦場で戦う自分の姿を夢見ながら、 砦での生活に埋もれていく主人公。 規則正しい砦での業務に順応していく自分と、 いつくるかとも分からないタタール人を待つ自分と、 過ぎ行く青春の日々にあせる自分と、 まだ残された時間も引き返す時間もたっぷりあると思う自分と、 そんな思いが絡み合いながら、時は過ぎて行く。 彼の人生はどうなっていくのか、 その興味だけでもページを繰る手が止まりませんが、 それ以上に、自分の人生や生き方を 考えさせられずにはいられない一冊です。 終盤からラストもまたすごい。そうか、、、としか言えません。 本書を手に取った人は、 この年齢である、今の自分が読むべき一冊だった、と思うでしょう おそらく、どの世代の人が読んでもそう感じるはず。 そういう、不思議な本だと思います。 本書は1940年に出版されたイタリアの小説。 ほとんど話題になってないようですが、 こんなマイナーな傑作に出会えるのも また本好きの楽しみということで。
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[関連リンク] 40超えたら突き刺さる『タタール人の砂漠』: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2013/06/40-de24.html
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幻想的な舞台でやけにリアリティがある人間の感情を描写した1冊。 あらすじには幻想小説とあるが、『カフカの再来』と言われる著者だけに不条理小説と呼ぶべきか。
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読了直後は思わず頭を抱えたよ。もうすぐ定年を迎えそうな会社勤めのお父さんにプレゼントすれば家族会議間違いなしの、恐ろしく現代的な不条理寓話。右も左もわからぬ新米将校ドローゴが配属された辺境の砦では、国境線上の砂漠から来るかもしれないタタール人の襲撃に備え続ける簡単なお仕事が待って...
読了直後は思わず頭を抱えたよ。もうすぐ定年を迎えそうな会社勤めのお父さんにプレゼントすれば家族会議間違いなしの、恐ろしく現代的な不条理寓話。右も左もわからぬ新米将校ドローゴが配属された辺境の砦では、国境線上の砂漠から来るかもしれないタタール人の襲撃に備え続ける簡単なお仕事が待っていた。逃げ出す機会はいくらでもあったはずなのに、気が付けばいつしか身も衰え帰る宛も失っていく。何も起きない人生、それでも何かがやって来るのを待ち続けてしまった人生。どこか幻想的な風景描写の美しさは主題の残酷さを一層際立たせている。
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