魔性の女挿絵集 の商品レビュー
明治末から昭和初期の文学を彩る耽美で幻想的な魔性の女を紹介。 第1章 明治末~大正の文学と挿絵 第2章 大正末~昭和初期の文学と挿絵 ・実在した魔性の女I~IV ・西洋からの影響I~III 弥生美術館・竹久夢二美術館の紹介。参考文献有り。協力者一覧。 「怖い魅力」を秘めたヒロイ...
明治末から昭和初期の文学を彩る耽美で幻想的な魔性の女を紹介。 第1章 明治末~大正の文学と挿絵 第2章 大正末~昭和初期の文学と挿絵 ・実在した魔性の女I~IV ・西洋からの影響I~III 弥生美術館・竹久夢二美術館の紹介。参考文献有り。協力者一覧。 「怖い魅力」を秘めたヒロインたち。 泉鏡花や谷崎潤一郎、江戸川乱歩の作品の内容のみならず、 彩る挿絵の魔性の女、ファム・ファタル・・・運命の、宿命の女。 和装中心の時代の女、西洋が入ってきた時代の女。 一本の線で表現する裸体の妖艶なこと。 妖しい女たちが「少年倶楽部」や「少女画報」に載っていたことの 違和感・・・蕗谷虹児の口元や高畠華宵の眼差しの色っぽいこと! 儚げ、豊満、なんとも非現実な存在の夢のような美しさを、 堪能できる一冊です。
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橘小夢の表紙に惹かれて読了。絵画だけでなく文学方面もしっかりと紹介してくれているのが嬉しい。 高畠華宵/岩田専太郎/月岡夕美
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文学作品に出てくる魔性の女のイラストを紹介した本。雰囲気がある怪しげな美女ばかりで、見ていて大変愉しい。お気に入りの画家が一人と言わず、何人か増えそう。 谷崎潤一郎の作品の挿絵を手がけた、水島爾保布(みずしまにおう)という画家が気になる。ビアズレーのイメージ。モノクロで繊細、幻...
文学作品に出てくる魔性の女のイラストを紹介した本。雰囲気がある怪しげな美女ばかりで、見ていて大変愉しい。お気に入りの画家が一人と言わず、何人か増えそう。 谷崎潤一郎の作品の挿絵を手がけた、水島爾保布(みずしまにおう)という画家が気になる。ビアズレーのイメージ。モノクロで繊細、幻想的な絵。
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魔性の女。宿命の女。ファムファタル。自分がそれから遠い存在なためか凄いような悪い美女に酷く惹かれてやまない。本書では大正昭和の挿絵画家たちが描いた魔性の女たちを紹介している。表紙にもなっている橘小夢(さゆめ)の絵は圧巻である。あと岩田専太郎の絵はやっぱり色っぽくて魅力的だ。巻末に...
魔性の女。宿命の女。ファムファタル。自分がそれから遠い存在なためか凄いような悪い美女に酷く惹かれてやまない。本書では大正昭和の挿絵画家たちが描いた魔性の女たちを紹介している。表紙にもなっている橘小夢(さゆめ)の絵は圧巻である。あと岩田専太郎の絵はやっぱり色っぽくて魅力的だ。巻末に魔性の女についての考察が掲載されているが「母性を否定した非現実的な夢幻の存在」とは凄い。どこにもいない誰もが憧れる魔性の女はなるほどフィクションの中にこそふさわしい。
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借りたもの。 小さいながらも、日本の耽美挿絵の数々を楽しめる。 橘小夢を筆頭に、絵師たちの妖艶な作品と、絵師たちにインスピレーションを与えた文学なども紹介。 日本における「魔性の女」が欧州の「サロメ」「ユディト」の様に流血を伴うものではなく、情念で男を死に至らしめるものが多いとい...
借りたもの。 小さいながらも、日本の耽美挿絵の数々を楽しめる。 橘小夢を筆頭に、絵師たちの妖艶な作品と、絵師たちにインスピレーションを与えた文学なども紹介。 日本における「魔性の女」が欧州の「サロメ」「ユディト」の様に流血を伴うものではなく、情念で男を死に至らしめるものが多いという指摘が興味深い。
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大正から昭和初期にかけての挿絵画集。ファムファタールをテーマに紹介作品数も多く、大正浪漫、昭和デカダンといわれた時代の気分が伝わってきます。ビアズリーやラファエル前派の影響を受けながら、日本のオリジナルの素材を扱っているのが面白いですね。なかでも、橘小夢の「地獄太夫」はインパクト...
大正から昭和初期にかけての挿絵画集。ファムファタールをテーマに紹介作品数も多く、大正浪漫、昭和デカダンといわれた時代の気分が伝わってきます。ビアズリーやラファエル前派の影響を受けながら、日本のオリジナルの素材を扱っているのが面白いですね。なかでも、橘小夢の「地獄太夫」はインパクトがありました。実物を見たいものです。
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橘小夢の表紙に惹かれて手に取る。高野聖、玉藻の前、刈萱物語、安珍と清姫、鷺娘など小夢はこの時代のモダニズムに影響を受けながらも日本古来の物語に潜む官能性や魔性を描いて全くオリジナルな存在になり得た稀有な画家だと思う。興味深かったのは谷崎の「刺青」の挿絵。それまでビジュアルでは大映映画の若尾文子の美しい蜘蛛の刺青が印象にあったので…小夢の描く刺青の不気味なこと!残念なのは、代表作、澤村田之助の立ち姿の画が収録されていないこと。仕方ないかー。男の子だもんね。
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明治、大正、昭和期に制作された絵画や小説の中から、見る者を惹きつける“魔性”を宿した女性をテーマに作品を集めた小画集。 画家からは橘小夢や高畠華宵、作家からは泉鏡花や江戸川乱歩と、いずれも魔性の女を表すことにかけては随一の者ばかり。 そして彼女たちは現実にもいる。彼女たち...
明治、大正、昭和期に制作された絵画や小説の中から、見る者を惹きつける“魔性”を宿した女性をテーマに作品を集めた小画集。 画家からは橘小夢や高畠華宵、作家からは泉鏡花や江戸川乱歩と、いずれも魔性の女を表すことにかけては随一の者ばかり。 そして彼女たちは現実にもいる。彼女たちが豹や蜘蛛や蟷螂や食虫植物ならば、それに惹かれて囚われる男たちは哀れな“餌”である。その美しく妖しい、蠱惑的な姿に魅了され、有り金全てを奪われるまでならまだ御の字、時には運命を狂わされ、路頭に迷い、命まで奪われることもある。「本望」と思う本人もいるかもしれないが、近親者や友人知人にしてみればたまったものではない。世の男性達はこういった絵画や物語で、時々は女性に対する警戒心を養ってみてはいかがだろうか。 だが現代では、二次元の女に入れ込む男も多くなった。現実の女に入れ込むのと、虚構の女に入れ込むのとでは、どちらが悲劇的で喜劇的なのかしらん?
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妖しく美しい女性たち。 儚げで病的な感じがとても良いです。 絵を見るための本なので仕方ないのかもしれませんが、見開きで読まないといけない版割で、文章が読みにくかったです。 この本で初めて橘小夢を認識しました。 気に入ったので、今度から気を付けてみたいと思います。
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図書館で借りて読んだけどこれは買い。 今までただのわがままクソビッチと思っていた「痴人の愛」のナオミが岩田専太郎の手にかかると本当にすごい美人で主人公の気持ちが初めてわかるような気がしてしまった…の、乗られたい…かも…。(えっ) 他にもお銀さんの色気とか人魚の艶かしさとか、印象に残る絵いっぱいでした。
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