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新・百人一首 の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2024/04/19

近現代の短歌のアンソロジー歌集ですね。 選者は岡井隆さん、馬場あき子さん、永田和宏さん、穂村弘さんの四人です。 明治天皇から穂村弘さんまでの百人で、代表作を一首を解説、さらに読みたい秀歌を二首を紹介されています。巻末に壇ふみさんをゲストに迎えて五人での座談会をされています。  ...

近現代の短歌のアンソロジー歌集ですね。 選者は岡井隆さん、馬場あき子さん、永田和宏さん、穂村弘さんの四人です。 明治天皇から穂村弘さんまでの百人で、代表作を一首を解説、さらに読みたい秀歌を二首を紹介されています。巻末に壇ふみさんをゲストに迎えて五人での座談会をされています。  いちはつの花咲きいでて我が目には    今年ばかりの春行かんとす             正岡子規 『竹乃里歌』  葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。    この山道を行きし人あり           釈迢空 『海やまのあいだ』  桜ばないのち一ぱいに咲くからに    生命をかけてわが眺めたり           岡本かの子 『浴身』  この空にいかなる太陽のかがやかば    わが眼にひらく花々ならむ           明石海人  『白描』  夜半さめて見れば夜半さえしらじらと    桜散りおりとどまらざらん           馬場あき子 『雪鬼華麗』  あの夏の数かぎりなきそしてまた    たつた一つの表情をせよ           小野茂樹  『羊雲離散』  スバルしずかに梢を渡りつつありと、    はろばろと美し古典力学           永田和宏  『黄金分割』  観覧車回れよ回れ想ひ出は    君には一日(ひとひ)我にら一生(ひとよ)           栗木京子  『水惑星』  まつぶさに眺めてかなし月こそは    全(また)き裸身と思ひいたりぬ           水原紫苑  『びあんか』  「寒いね」と話しかければ「寒いね」と    答える人のいるあたたかさ           俵万智  『サラダ記念日』  それぞれの編者が二十五人づつ担当してアンソロジーを選出されたそうです。  読み応えがかなりありましたね。図書館で借りたのですが、出来れば持っておきたい一冊です。

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2024/03/01

#中原中也記念館 #穂村弘 「中原中也をはじめてとする詩人たち」穂村弘さんの特別講演に参加、その際にこちらの本の引用があり検索すると現在は中古品のみで取り寄せ購入。 文藝春秋創刊90周年の記念としての企画。岡井隆、馬場あき子、永田和宏、穂村弘の四者が選者となり明治から昭和戦前の...

#中原中也記念館 #穂村弘 「中原中也をはじめてとする詩人たち」穂村弘さんの特別講演に参加、その際にこちらの本の引用があり検索すると現在は中古品のみで取り寄せ購入。 文藝春秋創刊90周年の記念としての企画。岡井隆、馬場あき子、永田和宏、穂村弘の四者が選者となり明治から昭和戦前の近代歌人、戦後から現代まで割り振って二十五人ずつ秀歌を選んでいる。後半の座談会ではそれぞれの思いを語り会自体の熱気や、歌人とその歌を選ぶ大変さが伝わってくる。 穂村さんの講演会は、記念館の節目に講演なさっているようで今回は30周年記念講演。 小説家、詩人、政治家など教養として短歌を詠むたしなみがあり、多くの短歌を詠んで優れた歌も多いという話、そこで中原中也の歌の紹介があった。 大河に投げんとしたるその石を二度みられずとよくみいる心 少年時代の短歌。何かを選択した時にその他のすべては選ばれない。日常の一瞬一瞬何気ない選択肢が運命の分岐点という穂村さんの解説。 短歌をなぜ選んだのかという自らの答えとして、ハンマー投げ砲丸投げ円盤投げの選択、100m、200m、400m走の例え話については会場が笑いに包まれていました。 短歌の話だけでなく、岐路に立たされたときのふるまいや自らの優柔不断エピソード(結婚や不動産なんてその後どうなるかわからないのに皆決断できてすごいとか)も表情豊かにお話されていて壇上でキラキラ輝いておられました。 この場にいることができた時間がとても貴重な宝物になりました。

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2020/07/11

 この本の選者の馬場あき子さんが「カルタで取れる歌」とおっしゃっていましたが、そのせいでしょうか、選ばれている歌が、どちらかというと「角が立たない歌」という印象でした。そこが少々物足りない感じがするのは、ぼく自身の「近代短歌」「現代短歌」に対する思い入れのせいでしょうか。  同居...

 この本の選者の馬場あき子さんが「カルタで取れる歌」とおっしゃっていましたが、そのせいでしょうか、選ばれている歌が、どちらかというと「角が立たない歌」という印象でした。そこが少々物足りない感じがするのは、ぼく自身の「近代短歌」「現代短歌」に対する思い入れのせいでしょうか。  同居人と二人で本書から十人つづ選んで「二十人二十首」を作ってみました。ブログに掲載してみましたので覗いてみてください。   https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202007080000/

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2020/05/04

「明治天皇から俵万智まで―この一冊で短歌がみるみるわかる」と帯にある。いや、みるみるわかるわけにはいかんかったよ。近現代の歌人を百人選び、見開き2ページに3首、1首は簡単な解説がついている。葛原妙子が好きなので、「他界より眺めてあらばしづかなる的となるべきゆうぐれの水」は、おおと...

「明治天皇から俵万智まで―この一冊で短歌がみるみるわかる」と帯にある。いや、みるみるわかるわけにはいかんかったよ。近現代の歌人を百人選び、見開き2ページに3首、1首は簡単な解説がついている。葛原妙子が好きなので、「他界より眺めてあらばしづかなる的となるべきゆうぐれの水」は、おおと思ったりするが、現代になるにつれ、どういう意味?はあ、なにこれという歌が結構あって、俺って短歌って分からんのかなあ、理解力ないのかなあと首を振ってしまう。もう少し解説が多いとなんとかなったのかな。

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2019/02/11

近現代歌人から100人を選び、代表歌を挙げた。私にとっては、未知の歌人との出会いがあった。「亡き子来て袖ひるがへしこぐとおもふ月白き夜の庭のブランコ」(五島美代子)、「二万発の核弾頭を積む星のゆふかがやきの中のかなかな」(竹山広)、「紫の葡萄を搬ぶ舟にして夜を風説のごとく発ちゆく...

近現代歌人から100人を選び、代表歌を挙げた。私にとっては、未知の歌人との出会いがあった。「亡き子来て袖ひるがへしこぐとおもふ月白き夜の庭のブランコ」(五島美代子)、「二万発の核弾頭を積む星のゆふかがやきの中のかなかな」(竹山広)、「紫の葡萄を搬ぶ舟にして夜を風説のごとく発ちゆく」(安永蕗子)、「イヴ・モンタンの枯葉愛して三十年妻を愛して三十五年」(岩田正)、「ひまはりのアンダルシアはとほけれどとほけれどアンダルシアのひまはり」(永井陽子)など。

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2018/02/18

現代の著名な歌人四人による近現代の短歌100首を抜き出し、それぞれの歌、歌人等について解説している。 この本を読んでまず感じたのは、日本語の言葉、語彙の豊富さである。いやこれは現代の日本人全員に当てはまることではなくなっているではあろうが、しかし英語等に比べれば、表現方法の多彩さ...

現代の著名な歌人四人による近現代の短歌100首を抜き出し、それぞれの歌、歌人等について解説している。 この本を読んでまず感じたのは、日本語の言葉、語彙の豊富さである。いやこれは現代の日本人全員に当てはまることではなくなっているではあろうが、しかし英語等に比べれば、表現方法の多彩さは別格と感じる。 短歌の中に表現される自然や風景、出来事は五七四七七という短い言葉の中で、それを読む人が想像して理解できなければ、真に感動や共感は受けにくいだろうが、「日本人である」ということだけで「わかる」という部分がある。また「行間を読む」、そして言葉から想像を膨らませていくということができるのは短歌独特のものであろう。 私自身がこの本に収められている100年以上前の明治や大正の歌人の歌に、共感や感動を覚えることができるということに驚きさえ感じる。

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2015/05/13

明治天皇から穂村弘までの100人の歌人を取り上げて、代表歌をそれぞれ1首紹介し選者が解説しているのだけれど、どうしても偏りなく選ぼうとした感じがして、私としては驚きが少なかった。 特に私は歌人の好き嫌いがはっきりしてるので、物足りない感が残ってしまった。 それと、明治から平成まで...

明治天皇から穂村弘までの100人の歌人を取り上げて、代表歌をそれぞれ1首紹介し選者が解説しているのだけれど、どうしても偏りなく選ぼうとした感じがして、私としては驚きが少なかった。 特に私は歌人の好き嫌いがはっきりしてるので、物足りない感が残ってしまった。 それと、明治から平成まではやっぱり長すぎる。 そろそろ、近代短歌100首、現代短歌100首で分冊した方が良かったのではないかなあ。

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2014/09/10

【明治天皇から俵万智まで。心に灯がともる名歌百首】現代を代表する四人の歌人が明治以降の歌人百人を選び、後世に遺したい名歌百首を選んだ。心に刻めば人生の友になる歌がここにある。

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2014/04/13

葛原妙子や安永蕗子、渡辺松男の歌のような空想の世界での事象を表現したようにも感じる不思議な作品 道ならぬ恋や悲劇的な結末を迎えた恋愛を経験したとされる近代歌人の相聞歌 石川啄木や高安国世、山崎方代の作品のような自分の現状、己の行く末への痛切な思いを詠ったもの 心打たれる短歌をたく...

葛原妙子や安永蕗子、渡辺松男の歌のような空想の世界での事象を表現したようにも感じる不思議な作品 道ならぬ恋や悲劇的な結末を迎えた恋愛を経験したとされる近代歌人の相聞歌 石川啄木や高安国世、山崎方代の作品のような自分の現状、己の行く末への痛切な思いを詠ったもの 心打たれる短歌をたくさん見つけることができた 各歌人の代表歌に惜しくも選ばれなかった歌も載せられているが、そちらにも良いなと思ったものが多くある 恥ずかしながら今まで知らなかった歌人がほとんどであったが、其々の他の作品も読んでみたくなった

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2014/03/15

新・百人一首大会があったとして、勝つためには暗唱してしなくてはいけなののですが、与謝野晶子はなじみがある短歌が選ばれてなく、石川啄木、俵万智、穂村弘の札しかとれないような気がしました。

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