きじかくしの庭 の商品レビュー
「一年目 亜由の復讐」 怒りをぶつけた先は。 自分勝手に中途半端なことをしているのは誰なのか、冷静に考えれば答えは簡単に見えてくるだろうに。 「二年目 舞の親友」 誰が秘密を暴露した。 疑心暗鬼になっている状態で考えたら、必然的に答えとして選んでしまうのは仕方ないことなのかもな...
「一年目 亜由の復讐」 怒りをぶつけた先は。 自分勝手に中途半端なことをしているのは誰なのか、冷静に考えれば答えは簡単に見えてくるだろうに。 「二年目 舞の親友」 誰が秘密を暴露した。 疑心暗鬼になっている状態で考えたら、必然的に答えとして選んでしまうのは仕方ないことなのかもな。 「三年目 祥子の居場所」 逃げ場を探した先で。 たった一人への迷惑行為ではあるが、結果としてクラスを巻き込んでしまうのは流石にやりすぎだろう。 「六年目 田路の便乗」 時は流れて皆巣立ち。 なんだかんだ文句を言いながらも、長年地道に花壇の手入れをしていたからこそ出来た縁なのだろうな。
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桜井美奈のデビュー作。 高校教師の田路の6年間を軸に、様々な女子高生の葛藤と岐路を描いた作品。 高校時代の悩み。好きな人や友達、そして家族。 青春時代にある出来事と、主人公の20代社会人によくある悩み。 彼も生徒達と向き合う事により自身の岐路について悩む。 総じて少し痛みを感じる...
桜井美奈のデビュー作。 高校教師の田路の6年間を軸に、様々な女子高生の葛藤と岐路を描いた作品。 高校時代の悩み。好きな人や友達、そして家族。 青春時代にある出来事と、主人公の20代社会人によくある悩み。 彼も生徒達と向き合う事により自身の岐路について悩む。 総じて少し痛みを感じるものの、爽やかな読了でした。 新潟市のご出身、在住の作家さん。 今後の新作も読んでみたいと思います。
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きじかくし=アスパラ アスパラってば3年もかかるのね 高校の中庭の一角のアスパラを中心とした教師と生徒の3年
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きじかくし、アスパラをストーリーの軸に置いた作品。アスパラの特色を生かした章分けに、アスパラに関わる人のそっれぞれの悩みを描いた作品。技巧的でなおかつ丁寧に描かれた人々は読む者の心に響くだろう。思春期の悩み、大人の悩み、それぞれの視点で楽しめる作品だ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あまり大きな転換とか意外性もなく進んでいくお話なのかなと、読み進めるのにしんどいかなと思っていたんですが、田路先生ときじかくしの庭に集まる生徒たちの距離感、田路先生と恋人香織の関係性、淡々としてるようで居心地よくて、意外によい感じで読めました。苦しかったり、嬉しかったり、楽しかったり、泣きたくなったり、そんなの大人になったからって薄くなる感情じゃないですよね。印象的な文。「もがいて、もがいて、もがいて。必死にもがくのに水の中から抜けられず、まるで溺れているような毎日だ。呼吸することさえ苦しく、胸が締め付けられる。「決断する直前は水の中で息を止めているような感じなんだとさ。」」
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先生と生徒の二面性の話でした。 高校卒業して、社会人して、結婚して今ですが、あんま変わってないなあ~って、つくづく思いました(笑) 小学校一年生の頃、六年生は大人に見えたのに。っていうあれです。 高校生の頃、恋愛が全てみたいなことあったなあ…。 友達と喧嘩して、そのまま卒業し...
先生と生徒の二面性の話でした。 高校卒業して、社会人して、結婚して今ですが、あんま変わってないなあ~って、つくづく思いました(笑) 小学校一年生の頃、六年生は大人に見えたのに。っていうあれです。 高校生の頃、恋愛が全てみたいなことあったなあ…。 友達と喧嘩して、そのまま卒業したなあ…。 親は肝心なこと言わなくてギスギスしてたなあ…。 と、懐かしく読みました。 最後はやっぱり教師ていいなあ…。と思っちゃう本でした。 亜由の復讐 春休み中に、彼氏と喧嘩して一週間連絡しなかったら、同じクラスの女と付き合ってた話。 優柔不断で、自分を持ってなくって、元カノの亜由に甘い言葉を影でささやきながら、今カノの前では拒絶する。 復讐として、彼氏が嫌いだったアスパラガスを庭に植えて卒業。 先生、三年間アスパラガスのお世話よろしくね。 舞の親友 舞の家は父親が病気で、兄が下宿大学生で、弟が中学生で母はパートをしているけど、家計が苦しかった。 高校でバイトは禁止だけど、家計を支えるにはバイトをするしかなかった。 そのバイトしていることを知っているのは、親友の千春だけだった。のに、ある日同級生のいずみから、バイトしていることをバラされ、千春を疑ったまま三日間停学。 舞が謹慎明けをしたら、千春が田路の花壇の世話をしていることに激昂。 千春はちゃんとメールで伝えていた。それを千春がバイトしていることを言ったと思い込んで読まなかったのは舞。 家庭の事情もあって、気軽に進路の話もできない、趣味の話もできない。お互い傷つきあっていた。 祥子の居場所 親が再婚して、居場所がないとふさぎ込んだ祥子の話。 文化祭まで二週間を切ったとき、ペンキが教室中にばらまかれていた。 最初に教室に来た祥子が疑われたが、父親がペンキの会社で働いている祥子にとって、水性ペンキの特徴はわかっていた。 犯人は同級生の優奈。 田路と仲良くする祥子が気に食わなく、祥子が朝早く登校することを知って、祥子のせいにしようとした。 文化祭に間に合わせるために、祥子は今まで避けてきた父に「使わなくなったペンキがあったら欲しい」と持ちかけた。 父は嬉嬉としてペンキを提供。 祥子は居場所を見つけた。 田路の便乗 七年付き合った香織が、旅行へ行くと言って別れ、産休代理で来た新卒の志帆と付き合うが、香織が忘れられず、産休代理の雇用期間満了で田路との関係も解消。 そう連絡を取り合う仲でもなかったために、同級生の幸成が色々世話を焼いて、六年後にようやく結婚。 卒業した亜由もいい恋愛をしている様子を見せに。 舞と千春も仲良くコンサートに行っていると報告。 教育実習に来ていた祥子は暴走し、校内放送で「美人の奥さんが~」「妊婦さんが~」と個人情報を暴露。
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3.5、を繰り上げて星4つ。 話の構成が好き。悩みを抱えた女子生徒がそれぞれ同じ場所を訪れ、主人公的立ち位置にいる教師を通じて悩みを解決していくお話。最終的に自分達なりの幸せを手にしていることにほっこりとした。田路先生は、作者の人がこういう男性好きなんだろうなー……ってのがひしひ...
3.5、を繰り上げて星4つ。 話の構成が好き。悩みを抱えた女子生徒がそれぞれ同じ場所を訪れ、主人公的立ち位置にいる教師を通じて悩みを解決していくお話。最終的に自分達なりの幸せを手にしていることにほっこりとした。田路先生は、作者の人がこういう男性好きなんだろうなー……ってのがひしひしと伝わってくる。 淡々としている落ち着いた文章で、読みやすさはあれど個人的にはメリハリが欲しくなる印象でした。アジアンタムブルーに続いて自分が育てたことある植物絡みの小説シリーズだったりする。頑張れ祥子ちゃん!
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甘口好きにおすすめ的な。若干ネタバレになるかも知れないけれど、そうはいっても、結局そのきじかくしの庭に絡んでつながりを持った幾人かの生徒達のしがらみが、主人公をその土地に縛り付けたなぁというところが引っかかった。 いわゆるマイルドヤンキーなんて生き方は、存外、そういう関係を切って...
甘口好きにおすすめ的な。若干ネタバレになるかも知れないけれど、そうはいっても、結局そのきじかくしの庭に絡んでつながりを持った幾人かの生徒達のしがらみが、主人公をその土地に縛り付けたなぁというところが引っかかった。 いわゆるマイルドヤンキーなんて生き方は、存外、そういう関係を切ってでも上昇する意欲があるかどうか(というか、そこまでの意欲はないこと)によって、発生しているんだよねと思ったりするし、あと、香織さんの行動もね。 ふと、楽園追放でアンジェラはやっぱり外宇宙へいった方が物語として良かったのじゃないかな?と思ったのと同じような引っかかりが残る。あるいは、千反田えるに絡め取られて地元に残ってしまう(であろう……まだ、その時点までは描かれてないから)ほうたるみたいな。
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【第19回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作!ちょっと疲れたアラサーたちへ、心を癒やすこの1冊。】 恋人の心変わりで突然フラれた亜由。ちょっとした誤解から、仲たがいをしてしまった千春と舞。家でも学校でも自分の居場所を見つけられずにいる祥子。高校生の彼女たちが涙を流し、途方に暮れる場所は...
【第19回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作!ちょっと疲れたアラサーたちへ、心を癒やすこの1冊。】 恋人の心変わりで突然フラれた亜由。ちょっとした誤解から、仲たがいをしてしまった千春と舞。家でも学校でも自分の居場所を見つけられずにいる祥子。高校生の彼女たちが涙を流し、途方に暮れる場所は、学校の片隅にある荒れ果てた花壇だった。そしてもう一人、教師6年目の田路がこの花壇を訪れる。彼もまた、学生時代からの恋人との付き合いが岐路を迎え、立ちつくす日々を送っていた。熱血とは程遠いけれど、クールにもなりきれない田路は、“悩み”という秘密を共有しながら、彼女たちとその花壇でアスパラガスを育て――。 躓きながらも、なんとか前を向き歩こうとする人々の物語。。
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一人の教師と世代が違う女子生徒との交流を学校の片隅にある花壇を中心に描いた作品。 なんかこういった構成の作品は結構好き。 女子生徒たちも悩みがあり、教師にも悩みがある。 それを花壇であれこれあいながら進んでいくのは楽しみがあります。 が、文章力と表現力が弱く感じますね。 心の移...
一人の教師と世代が違う女子生徒との交流を学校の片隅にある花壇を中心に描いた作品。 なんかこういった構成の作品は結構好き。 女子生徒たちも悩みがあり、教師にも悩みがある。 それを花壇であれこれあいながら進んでいくのは楽しみがあります。 が、文章力と表現力が弱く感じますね。 心の移り変わりをもっと表現できればもっと面白くなったはず。
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