先輩のカノジョ(上) の商品レビュー
先輩のカノジョが挑発するのは……?
2013年に『ニチブンコミックス』(日本文芸社)より上下巻で発売された作品の上巻。電子コミックは電子化配信サービス会社(グループ・ゼロ)が行っているせいか、電子データを新規に起こしたのではなく紙の元本をスキャンしたか何かで電子化されているようである。そのため、元からして1話が33...
2013年に『ニチブンコミックス』(日本文芸社)より上下巻で発売された作品の上巻。電子コミックは電子化配信サービス会社(グループ・ゼロ)が行っているせいか、電子データを新規に起こしたのではなく紙の元本をスキャンしたか何かで電子化されているようである。そのため、元からして1話が33頁だったり50頁だったりと不統一なのは珍しいと思われる全4話。 登場人物は社会人ばかり(主人公の彼女のみ大学生)だが、全員が大学生でも可能な男女の機微を捉えた三角関係っぽい切なさを湛えるストーリーである。官能的な場面もあるにはあるが、そちらを主としてはいないため「実用性」は皆無なるも、ギリギリのシチュエーションによる相応のドキドキ感はある。 人格者で人気もある先輩の部屋に集う(主人公を含む)後輩達との宴席に先輩のカノジョも訪れており、そのままお開きから泊まることになり、主人公達が寝ている傍で先輩とカノジョは夜の営みを始めているのが物語の始まりでもある。その最中にカノジョと目が合ってドギマギする主人公。これが全体の色合いを示している。 先輩も知らないカノジョの別の顔。これを主人公は偶然ながら知ることとなり、先輩とは別の顔を見せるカノジョとの、先輩とは別の関係が始まる。と言っても主人公より年上らしいカノジョが常に主導権を握っており、何かにつけ仕掛けてくるかのような挑発と誘惑に自分にも彼女がいて年下でもある主人公は葛藤しつつも流されていく。まるで試されているようである。この秘密の関係が今後どう発展するのか?そもそも発展するのか?しないのか?と思わせて幕を引くのは未だ序盤との雰囲気をも醸している。 どちらかと言えばイラスト向きな印象を受ける美麗な作画なるも漫画的なアクションにはやや乏しい。それでも綺麗なカノジョが蠱惑的に挑発しているのは絵になるというか、自分も挑発されてみたいと思う読み手も少なくないと感じさせるものがある。
DSK
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