機械との競争 の商品レビュー
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本来、技術の進歩は、生産性を高めることによって長期的な成長を促すものであったが、昨今のIT技術の進歩が速すぎるがゆえに、その成長の果実を掴むことができず取り残される失業者が増えていっていると主張。 人間でしかできないだろうと思われてきたことが、次々とコンピューターによって置き換えられていく状況。 では、どうすれば良いか。 本書では19項目の解決策を提言している。 どれもすばらしい内容ではあるが、教育や投資、法規制など、社会システムを変えていくことが中心で、個人としてどうしたらよいかは書かれてはいない。 いままさに取り残されようとしている人が読んだら憂鬱な気持ちになるだろう。 しかしながら、技術に奪われるのではなく、技術をパートナーとして使いこなすことによって富を産み出す事も可能であるとプラス面の示唆も与えてくれる。 現状を把握するには十分に説得力のある話が短くまとめられているので、目を通しておいて損は無い本だと思う。
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レビューはブログにて http://ameblo.jp/w92-3/entry-11484248440.html
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装丁が格好いいけれども、ちょっとどぎつい。プロレタリア風のデザイン。紙質がボール紙のような黄色でめくりにくい。ちょっと昔懐かしい感じのポップさ。Amazonでポチったけど書店だったら買わなかったかも。意外と小さくて薄い本。字も大きい。 機械は人の雇用を奪うだろうか。人間にできて...
装丁が格好いいけれども、ちょっとどぎつい。プロレタリア風のデザイン。紙質がボール紙のような黄色でめくりにくい。ちょっと昔懐かしい感じのポップさ。Amazonでポチったけど書店だったら買わなかったかも。意外と小さくて薄い本。字も大きい。 機械は人の雇用を奪うだろうか。人間にできて、機械にできないことはなんだろう。創造的な仕事、肉体的な仕事。なにもないところから、作曲をしたり絵を描いたり、笑顔で食事を運んできたりすることが機械にできないのであれば人間の行動の意味はそのへんにあるのではないか。
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“機械の登場による事務職のコストの低下、しかし日本はそれをそのまま人がやっているので、できたあとのサービスやものの値段が高い(=デフレ)。このデフレを脱却するには、事務職の機会への移転と、それであまった人材の創造的職と肉体労働への最分配と、それに伴う...
“機械の登場による事務職のコストの低下、しかし日本はそれをそのまま人がやっているので、できたあとのサービスやものの値段が高い(=デフレ)。このデフレを脱却するには、事務職の機会への移転と、それであまった人材の創造的職と肉体労働への最分配と、それに伴う組織変更である、という本 3・11見た感じ、高すぎる”
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原著は紙で97ページの分量だったので、読むのに時間は掛かりませんでした。サマリーについては以下がかなり詳細なので参照のこと。 http://getnews.jp/archives/286612 本書は「機械が雇用を奪うか」という問いについて、報告と提言をしています。画期的なの...
原著は紙で97ページの分量だったので、読むのに時間は掛かりませんでした。サマリーについては以下がかなり詳細なので参照のこと。 http://getnews.jp/archives/286612 本書は「機械が雇用を奪うか」という問いについて、報告と提言をしています。画期的なのは、それについて楽観視していること。いずれにしても誰しもがどの道巻き込まれていく問題なので、この本なり前掲のサマリーなりを読んで考えて備えると良いでしょう。 しかし4章で挙げられた19の提言については疑問があります。どれも政府が政策として行なう行動なのですが、そしたらその目的は国富なり国民所得の中央値向上にあるのでしょうが、それこそテクノロジーとグローバリゼーションの恩恵により他国民がフリーライド出来てしまうと思われるけど、それで良いんでしょうか?そう考えると、小さな政府志向者の言うように、適切な政策というのは、人的資本の形成(主に教育)と規制緩和位しかなくなるように思います。
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日本のある層は、電気料金が高くなると空洞化する、というのだけれど、それはそれで電気の比率が高い産業はそうなのだろうと思うけど、人件費のことはあんまりいわないなあ、と思っていました。この本は、日本と外国の人件費の競争、ではなくて、コンピュータがあんたの仕事をどんどん奪うぜ、ヤツらこ...
日本のある層は、電気料金が高くなると空洞化する、というのだけれど、それはそれで電気の比率が高い産業はそうなのだろうと思うけど、人件費のことはあんまりいわないなあ、と思っていました。この本は、日本と外国の人件費の競争、ではなくて、コンピュータがあんたの仕事をどんどん奪うぜ、ヤツらこんなことまで出来るようになっているんだぜ、という本。 僕はそっち方面に興味があるので、いまさらびっくりするようなネタもなかったのだけど、むしろ驚いたのは、解決策。教育に力を入れろ、持ち家に補助金を出すな。さあこれをどう捉えるか。流動化を高めることは、コンピュータとより近い土俵に行っちゃうんじゃないかなあと思っていたのですが。地元で商売、じゃ駄目なんか。それにしても、紙の色や左下の数字など、ずいぶん読みづらい本なのだけど、機械なら正確に読み取るよ、という皮肉なのだろうか。
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以下の解説だけでも良かった ----- 10年後、税理士や事務、営業などはなくなる? デジタル失業の時代が到来(ビジネスジャーナル) - 経済 - livedoor ニュース http://news.livedoor.com/article/detail/7464298/ 10年後になくなってそうな職種 - ネットゲリラ http://blog.shadowcity.jp/my/2013/03/10-5.html コンピュータ技術やロボットの飛躍的な発展は、雇用の二極化をもたらすようになる。 今までにない新しいビジネスを創ったり、感動的な音楽や文学を生み出すような直感的で創造的な仕事の領域と、高度な問題解決能力をも必要とする看護師や美容師、配管工といった反復作業ではない肉体労働はコンピュータやロボットには苦手な領域だ。 雇用はこれらの高所得を得られる創造的な職場と低賃金の肉体労働に二極化され、それ以外の中間層の仕事は急速にコンピュータに置きかえられる。それが、現在の総雇用減少の一因になっているというのだ。つまりデジタル失業の時代だ。 『機械との競争』の共著者の1人、アンドリュー・マカフィー(MITスローンスクール リサーチサイエンティスト)がインタビューに答えている。 IT革命の影響で恩恵を受けているのは高度スキルの人材だ。コンピュータ科学者やデータ科学者、プログラマーなどのハイテク分野の仕事で、アマゾンやアップル、フェイスブック、グーグルの社員は学歴もスキルも非常に高い。 一方で、コンピュータのおかげで文書事務が減ったことが一因で、事務や秘書、営業といったホワイトカラーの仕事が減っている。また、計算ソフトのおかげで、ソフト開発会社は儲かるが、会計士、税理士の需要はこの数年で8万人も減っている。 これまでは「テクノロジーは起業と雇用を生む」と考えられてきたが、テクノロジーは起業を生み出すものの、雇用は生み出さないどころか、奪おうとしてしまうのだ。
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この本を見た時の感想は「何だ、この装丁は」だった。何しろ一風変わった装丁で、目立つなあと思ったと同時に、このジャンルの本にしては、アバンギャルドな表紙なので、どんなものか手にとって読んでみた。 内容は、機械が人間の仕事にとって代わる、あるいは人手が少なくなるという事が書かれている。その原因は、テクノロジーの発達のおかげで、オフィスの所在している場所は関係なくなり、専門にしていない人でも利用できるようになっていることが挙げられている。 カスタマーセンターは、アメリカの場合、同じ英語圏のインドやフィリピンに移して人件費の削減をしている。アメリカ英語やアメリカの文化を教えて、アメリカの顧客に違和感を持たせないようにしているという文章を読んだことがある。 語学の教師にしても、フィリピンの大学生とスカイプで英会話のレッスンなんて言う時代になっている。日本で語学学校の教員をしている外国人は、脅威に感じているだろうなあ。 法律の世界でも、テクノロジーの威力が発揮されている。E-discoveryと言う、訴訟があった場合、アメリカの司法省に対して必要な書類を提出するために、紙のものならPDF化してサーパーに入れ、パソコンのデータを必要と思われるキーワード検索をかけて振り分けるものがある。まあ、トレジャーハンティングと言ってもいいかな。イーディスカバリーと言っても、訴訟を起こされる企業にとっては「よい発掘作業」ではない。紙で発掘作業を行っていた時は、人件費と時間がかかり依頼する企業側には負担になっていた。テクノロジーを使うと手間がかなり省ける。法律事務所にとっては、人件費削減が出来てウハウハといったところか。著者は、ニューヨーク・タイムズでディスカバリーに関する記事を引用している。 ほかの分野でも、人間の雇用が機械に脅かされてきている。今回の本は、「これからがデジタル革命の後半戦。飛躍的に能力を拡大していくコンピュータに人間はますます仕事を奪われる」と言う観点から2人の著者が書いた。学校で得た知識1.0のまま、社会人として過ごしていると、機械にバッサリ仕分けされましたとなりかねないので、知識2.0にアップロードする必要があるなあと実感した。 ニューヨーク・タイムズのディスカバリーに関する記事 http://www.nytimes.com/2011/03/05/science/05legal.html?pagewanted=all&_r=1& 東洋経済のサイト http://toyokeizai.net/
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コンピュータとネットワークの指数関数的な発展に人間が追いつかず、雇用がどんどん減っていくのが大変だという本。切り口と最新事例の紹介は面白かったけど、打ち手の教育への投資というのはもう少し深掘って欲しかったな。 教育へ投資してもコンピュータの発展には追いつけない気がするし、本書で...
コンピュータとネットワークの指数関数的な発展に人間が追いつかず、雇用がどんどん減っていくのが大変だという本。切り口と最新事例の紹介は面白かったけど、打ち手の教育への投資というのはもう少し深掘って欲しかったな。 教育へ投資してもコンピュータの発展には追いつけない気がするし、本書で語られている所得格差は埋まらない気がする。(当然、大事だけど。) スーパースターの成果に対する報酬を一部が独占するのではなく、社会全体でシェアできる仕組みが必要と思う。雇用が無いなら働かなければ良い社会って現実的じゃないのかな。狩猟時代から農耕時代になった時に生まれた人的な余剰によって文化や技術が大きく進歩したように、労働以外の領域での発展につなげられるのが理想なのでは?
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薄くて大きい字なのですぐ読める。 主張も平易で、頭に入ってきやすい。 ・技術の進歩はあまりに速すぎる。特に、ムーアの法則に代表されるように指数関数的なPCの性能向上はもはや人智の及ばないレベルにまで達している(著者らはこれを、ご褒美の麦をチェス盤の升目一つごとに倍にしてもらうように頼んだ逸話になぞらえる。最初のうちはその増え方はゆるやかだが、チェス版の半分を超えたあたりからは想像もつかないレベルで増えて行く) ・コンピュータの進歩はもちろん、経済全体のパイを大きくする。しかし、物質と違い、再生産のコストが0の情報化社会においては勝者の総取りが起こりやすく、増えたパイの恩恵は勝ち組の一部にしか行き渡らない。 ・今後、雇用は二極分化して行くだろう。報われる仕事はきわめて高い教育を受けた者だけに可能なクリエイティブな仕事と、介護のような肉体労働、の両極端な仕事のみが機械に取ってかわられない領域として残るだろう。 ・今後、機械と競争するのではなく、機械を使い、協調していくことが求められるだろう(このへんは具体性に乏しい) ・勝者総取りの世界では二番手戦略というものは存在しない。マイクロマルチナショナルともいうべき、ニッチの王様として地位を確立していく企業が生き残る
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