1,800円以上の注文で送料無料

カウントダウン・メルトダウン(上) の商品レビュー

4

25件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2014/02/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

民間事故調のとりまめ船橋洋一氏が事故調調査後も取材をつづけ まとめ上げた本。膨大な人数に対するインタビューをもとに当時何がおこったのかを調べ上げた本。特にその時何を考えどう行動したのか、また何が問題であったのかを取材した本である。まず第一に想定していなかったお粗末さにある。そして想定を許さなかった日本の政治風土にある。したがって現場で混乱したのは準備をしていなかったせいである。準備をしなかったのは東電もメーカーも政府もである。そこに災害が生じた。 防災とは家庭であれ社会であれ、それがおこったらどうなるかをリアルに想像することができるかにかかっているのだ。

Posted byブクログ

2020/07/27

アメリカの動きは初めて知ることが多かった。◆ただ、ドキュメント形式の本は、読むのがしんどい。下巻は断念する。

Posted byブクログ

2013/12/13

福島原発事故、最初の一ヶ月間を、徹底的な調査に基づいて、様々な角度から再現、検証する力作。書いたのは朝日新聞の船橋洋一さんだが、彼の得意分野である米国、特に日米同盟の観点から福島の事故を捕らえており、新たな視座を得れて興味深い。 紛れもなく3月11日からの一週間は戦後日本の最大...

福島原発事故、最初の一ヶ月間を、徹底的な調査に基づいて、様々な角度から再現、検証する力作。書いたのは朝日新聞の船橋洋一さんだが、彼の得意分野である米国、特に日米同盟の観点から福島の事故を捕らえており、新たな視座を得れて興味深い。 紛れもなく3月11日からの一週間は戦後日本の最大の危機であったし、もうひとつ、日米同盟の最大の危機であったことがよくわかる。放射能汚染のリスク回避を厳格に取りたい海軍と日米同盟の決定的な亀裂を避けたい国務省との暗闘とを生々しく描かれている。 この本はまたリーダーシップとは何なのかについても、この未曾有の危機を通じて鋭く描き出す。特に菅直人のリーダーシップについての評論は非常に共感する。 曰く、 『菅直人という危機時のリーダーシップは「最大の不幸であり、一番の僥倖であった」とでも表現するほかないのかもしれない。』 また、この本で初めて、福島第二原発の増田所長の文字通りの偉業にも触れており、リーダーシップ考に深みを与えている。 あの時、日本では何が起きていたのか、読んでみることをオススメします。

Posted byブクログ

2013/11/25

東日本大震災で起きた、福島原発事故の模様が克明に描かれている。 膨大な資料を元に、何百人もの関係者が、章ごとに局面がまとめられているため、必ずしも時系列には書かれていないが、筆者の圧倒的な筆力によって、緊張感のある筆致を追うまま、一気に読み進めてしまう。 自体をきちんと把握し...

東日本大震災で起きた、福島原発事故の模様が克明に描かれている。 膨大な資料を元に、何百人もの関係者が、章ごとに局面がまとめられているため、必ずしも時系列には書かれていないが、筆者の圧倒的な筆力によって、緊張感のある筆致を追うまま、一気に読み進めてしまう。 自体をきちんと把握したい場合には、本書から時系列のイベント表を作ったほうが良いのだろう。 疲れた。下巻はまだ読めていない。

Posted byブクログ

2013/11/22

 元の職場の同僚の方の推薦で読んでみた本です。  著者は、「一般財団法人日本再建イニシアティブ」の理事長でもある評論家船橋洋一氏。この一般財団法人日本再建イニシアティブがプロデュースした最初のビッグプロジェクトが「福島原発事故独立検証委員会」、いわゆる「民間事故調」でした。  本...

 元の職場の同僚の方の推薦で読んでみた本です。  著者は、「一般財団法人日本再建イニシアティブ」の理事長でもある評論家船橋洋一氏。この一般財団法人日本再建イニシアティブがプロデュースした最初のビッグプロジェクトが「福島原発事故独立検証委員会」、いわゆる「民間事故調」でした。  本書は、民間事故調を率いた船橋氏による未曾有の大惨事となった福島第一原子力発電所事故の実相を描いたノンフィクションです。  極限状況下での政治家・官僚・東京電力の幹部・自衛隊員・アメリカ政府関係者等々の考え・言葉・行動がリアリティをもって記されています。  しかし、官僚・東京電力・・・、あまりにも酷い現実です。一読の価値は十分あります。

Posted byブクログ

2013/11/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

東電福島原発事故の際の危機管理について、関係者に取材してまとめた本 興味深く有益だが、時系列が行ったり来たりしてわかりにくい。 人名や組織についての索引がないので、さらにわかりにくくなっている。(政治家や東電の幹部のような著名人はともかく、官僚について、最初に登場した時点で肩書きを書いただけで、あとは、名字だけの表記というのは・・・) 「誤植では?」という部分も多かった。 当事者の発言(「   」で表記)と想念(〈   〉で表記)が分けて記述されているのだが、なぜこの人は、このような議論や会話を聞いてこのように思ったのか不思議だ・・・ということが多かった。 当事者は実際そう思ったのだろうから、著者の描写力が不足している・・・のかなぁ? 印象的だったのは、アメリカや自衛隊に取材した部分 率直に言って、「こっちもこの程度であったのか・・・」と思わされた。

Posted byブクログ

2013/10/23

これまで読んだ3.11の記録シリーズの中でも、証言を行う人に焦点を当てて、各章ごとの並べ方など、本職のジャーナリストとしての仕事だと感じた。

Posted byブクログ

2013/10/13

すごく読み応えのある本だった。すごく多くの人に取材をしていていろいろな角度から事故を分析していた。このようなことが二度と起こってほしくないと思った。

Posted byブクログ

2013/12/29

福島本だけど、すぐに危機管理の視点に(自分の中で)変わった。 危機対応時に何が予想外だったのか。 ・12日の午後、1号機の原子炉水位がTAF-1600mmからTAF1800mmの間で安定しているとの数値が送られてきた。 水位は、燃料頂部から1.6メートルから1.8メートル程度ま...

福島本だけど、すぐに危機管理の視点に(自分の中で)変わった。 危機対応時に何が予想外だったのか。 ・12日の午後、1号機の原子炉水位がTAF-1600mmからTAF1800mmの間で安定しているとの数値が送られてきた。 水位は、燃料頂部から1.6メートルから1.8メートル程度まで下がっているということである。 炉心水位が炉心有効長の約55%(ほぼTAF-1600mmに相当)以上に保たれていれば、つまり燃料全体の約55%が水に浸かっていれば、ジルコニウム―水反応が激しくなる事はまずない。従って、水素の大量発生も炉心の溶融も起こりにくい。 <TAF-1700mm前後に維持できているのであれば、当面急な事故の悪化はなさそうだ。今しかない。> 阿部は、自宅に仮眠を取りに帰った。帰宅したとたんに1号機で水素爆発が起こった。ただちにJNES(原子力安全基盤機構)に戻った。 JNESは、翌13日午後1時半頃、JNESと保安院とのテレビ会議を開いた。阿部は「このように炉心水位がまったく変動していないのは現実の事故ではありえない。水位がこのレベルに維持されていてシビアアクシデントが進行する事はありえない。水位指示値は信頼できない」と述べた。 …ただ、阿部にしても、水位計が故障していると確信したが、直流電源が機能停止に陥っていたことには思い至らなかった。原子力安全委員会も「どうも違うのではないか」と疑い始めていた。ただ、それもやはり1号機の爆発後だった。それまでは水位計の計測する水位を「あたかも本当の数値であるかのように」見ていた。 ・保安院創設に深く関わった松永和夫経産省事務次官は当時を振り返る。 「マルゲン印(〇に原子力の原)をつくろうと目指しました。鮭と鱒が生まれた場所に変えるように、保安院に行った人間は必ず保安院に帰るようにしよう、そうしてプロを育てよう。それ以外に安全規制の強化はない、とわれわれは考えた」 しかし、筋金入りの安全規制のプロはごく少数の例外を除いて育たなかった。発足後、原子力関連事故が続出し、保安院はその対応に追われた。 2002年の東電原発データ改竄事件、2004年の関電美浜原発3号機の2次系配管破損事故(5人死亡)、2005年の宮城県沖地震発生に伴う女川原発の原子炉自動停止、2006年の耐震バックチェック事件、2007年の新潟県中越沖地震発生による東電柏崎刈羽原発の火災など、ほぼ毎年、事故・事件が起こっている。 結局、保安院は「再稼働家」になってしまった、と保安院幹部は自嘲気味に言った。事故が起こった後、いかにして原発を再稼働させるか。地元を説得し、その術に長けた職員が重宝されるようになった。 そして、「地元を安全だと言って説得すると、今度はそれに縛られる。そこから安全神話が生まれる(同幹部)」。自縄自縛に陥った。 ・菅が、その「実務的オペレーションの統率」の具体的イメージに言及したことがある。13日午前の第5回原子力災害対策本部会議に先立って開かれた緊急災害対策本部会議の席上である。 菅は、「枝野、福山、細野、寺田にダイレクトに情報を集めて、動いています」と明言した。 ここに海江田の名前は入っていない。危機管理センターにも伊藤哲郎危機管理監にも触れていない。その後の放水作戦で大きな役割を果たすことになる北澤俊美防衛相も念頭にない。 菅はその時、その程度の指揮所のイメージしか描けなかった。危機に当たっての指揮所のあり方は考え抜かれておらず、各人各様のバラバラのイメージを抱いていた。 ・3号機が爆発したとき、宮島は、一切、現地に質問しなかった。 <現場もわからないのだろう。わかったら、報告してくるはずだ>そう割り切った。 「黙って聞け、質問するな、耐えろ」 宮島は、そのように危機の時の心構えを部下に説いた。 「わかったことだけ報告しろ」と。 最初に質問する癖のある指揮官や何もかも報告させようとする指揮官には、部下は、質問された場合のことを考え、「しっかり準備をしてから報告しようとする」。その結果、第一報が遅れる。 だからまず「黙って聞け」。 黙って聞いた後、「報告ありがとう、第二報も頼むよ」。 もう一つ、「指揮官通話」(指揮官が指揮官に直接報告すること。電話報告がほとんど)を督励した。「伝言ゲーム」を避けるためである。 (宮島=自衛隊、宮島俊信陸将。中央即応集団司令官。) ・北澤の言葉を使えば、「自衛隊が警察や消防などの関係機関を指揮下に置いて任務にあたるのは、自衛隊史上初めての試みだった」。

Posted byブクログ

2013/07/24

非常時にどんな対応を関係者が行なっていたのか、知る事は大変重要である。いかに日本人が危機に脆弱だったか、哀しい現実を突きつけられるが、それを将来にどう活かすか、個人としても常に考えていきたい。

Posted byブクログ