悲しみを生きる力に の商品レビュー
先だって読んだ、本筆者によって編まれた新書に感銘を受けたから、本作も読んでみることに。実は入手はこっちの方が先だったりするんだけど。同署の原案ともなった集会を含む、著者の活動には全面的に共感。他方で、いち著書としての本作を見た場合、ちょっと…と思えてしまった。
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「悲しみや苦しみをそっと掌で暖めるようにして向き合う」など、マイナスの(と、されている)感情の取り扱い方が書かれている箇所に強く魅かれた。自分でも持て余すようなこれらの感情を見つめることで、自分が本当に求めているものや周りの人たちの同様の感情に気付けるようになる、とあってそうなれ...
「悲しみや苦しみをそっと掌で暖めるようにして向き合う」など、マイナスの(と、されている)感情の取り扱い方が書かれている箇所に強く魅かれた。自分でも持て余すようなこれらの感情を見つめることで、自分が本当に求めているものや周りの人たちの同様の感情に気付けるようになる、とあってそうなれればいいな、と。 また「今を大切にする」という考えに関してもうなづける箇所が多かった。頭では「今が大事」と分かっていても具体的に何をすれば自分は今を大事にしている、と思えるのか曖昧だった。ともすれば「その日」を見据えて好きなことだけを選んで後先考えずに行動しなくては!と意味不明な焦りすら感じていたが(今も感じている?)、ここには「瞬間を意味あるものにするのは、一人ひとりの決断、心の働きだ」とあって安心した。 「悲しみから目を背けようとすることは、生きることを大切にしていないのと同じではないのか?」…また振り出しに戻ったようなやさしくも深い本だった。「ジュニア新書」となっているが50過ぎのオッサンにも十分考えさせられる内容だった。
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世田谷一家殺人事件被害者の実姉が、妹家族が生きた証しと自らの喪失体験からの再生話。 ジュニア新書には難しいんじゃないかな。
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「世田谷事件」の被害者遺族として、そして病で夫を失った妻としての喪失体験と、回復の過程を跡付けた書。 傷ついた人にどう寄り添っていけばいいか、そしていずれ自分にもいずれ訪れる喪失にどう向き合うかを示唆してくれる。 本書の最初に、曖昧な喪失が人をひどく苦しめる、という話が出ていた...
「世田谷事件」の被害者遺族として、そして病で夫を失った妻としての喪失体験と、回復の過程を跡付けた書。 傷ついた人にどう寄り添っていけばいいか、そしていずれ自分にもいずれ訪れる喪失にどう向き合うかを示唆してくれる。 本書の最初に、曖昧な喪失が人をひどく苦しめる、という話が出ていた。 そのこと自体は、とても納得できる。 筆者のように未解決事件で大切な人を失った場合はもちろんだが...曖昧でない喪失というものがあるのだろうか。 病気や老衰であっても、なぜその人が、なぜそのような不自由さや苦しみを味わわなければいけないか、と身近にいる者なら思うだろう。 その意味で、ここに書かれている喪失の悲しみは、決して特殊な人のものでない。わがこととして受け止められる。 悲しみを表現する難しさもこの本は伝えている。 自分の悲しみをうまく伝えられないつらさは、想像できる。 著者入江さんは、その点でたぐいまれな力を持っている人だと思う。
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世田谷一家殺人事件で妹さんを亡くされたお姉さんの本。印象に残ったのは「弱者はこうあるべきという思い込み」という言葉。被害者や遺族が立ち直ろうと努めても、周囲のこういった思い込みで傷つけられることがあるという。 どちらの立場にも誰でも成りうるわけだから、著者のような立場におかれた方...
世田谷一家殺人事件で妹さんを亡くされたお姉さんの本。印象に残ったのは「弱者はこうあるべきという思い込み」という言葉。被害者や遺族が立ち直ろうと努めても、周囲のこういった思い込みで傷つけられることがあるという。 どちらの立場にも誰でも成りうるわけだから、著者のような立場におかれた方のお話にもっと耳を傾けるべきだと思った。
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