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小さいおうち の商品レビュー

4

471件のお客様レビュー

  1. 5つ

    130

  2. 4つ

    184

  3. 3つ

    106

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    3

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2022/06/17

映画の予告で興味持ち買ったが… この作家さんの文体は私にはしんどい。 だらだら感じて読みにくく、楽しくなれない。 頑張って読んだが半分も読めず挫折。

Posted byブクログ

2022/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

山田洋次さんが監督をされた映画版を見たので、再々読。 ほのぼのと日常が綴られている中に起承転結や登場人物の心の機微が描かれている素敵な作品。お金持ちのお家のお手伝いさんが歳を重ねてから過去を振り返って日記帳にその当時を書いていくスタイルで話は進む。 ちょっとおしゃれな家政婦は見たって感じ。過去を振り返ってる分、冷静に第三者のように見れている部分もある。 中には、私の好きなヴァージニアリーバートンの「The Little House」も登場する。 戦前・戦中・戦後のお話なのでその時代を垣間見ている感じになる。戦争というのは、今回のウクライナの時もそうだったけれど、庶民が知らないところでどんどん戦争の方に進んでいき、幸せに人々が暮らしている間に急に起こりうるもので、実際、当時生きている人でも戦いに行っている人の話ではないから、どこかちょっぴり他人事というか、戦時中でも生活は続いていくというのを感じる。 ネタバレ✂︎--------------------- 奉公に出ているタキちゃんとその家の若奥様、旦那さま、ぼっちゃん。そして、板倉さん。タキちゃんを黒木華さん、奥様は松たか子さんが演じられる。なんってぴったりで演技派なお二人。本も映画も多くは語らないスタイルで、タキちゃんが奥様を含めた平井家を大事に思っているのが伝わってくる。奥様の時子さんもいち女中のタキちゃんを可愛がっている。 お話のメインの奥さまの秘めた恋路。タキちゃんの心の中。 タキちゃんが手紙を板倉さんにお渡ししなかったのは、平井家の旦那さまや坊ちゃんのためか?女中魂がすごい。のか。真面目で彼女が平井家全体を愛していたのは確か。 だけど、タキがあの手紙を板倉さんに渡さなかったのには、もう一つ、二つ理由がある?と思わせるような終わり方だった。文中で、奥さまのお友達の雑誌記者、睦子さんがタキちゃんの気持ちわかる!みたいに言っていたのは、その頃はまだ認知されづらかったであろう同性愛

Posted byブクログ

2022/06/05

ノンフィクションのようなリアリティさ。「ありそう」と思わせるストーリー展開と文章力は見事。夕方から読み始めて止まらなくなり夜中までかけて一気に読んだ。良い話しだった〜。中島さんの作品は初めて読んだ。他の物も読んでみたい。

Posted byブクログ

2022/06/01

読み終えたのがだいぶ前なのだけど(レビューが溜まっているので消化中)読み終えた後に「あぁ良いお話だったな」としみじみ思ったことははっきり憶えている。 昭和の女中が主人公というとどこか悲壮感があるのだろうかと勝手にイメージしていたけれど、ただの思い込みだった。女中として働くタキの生...

読み終えたのがだいぶ前なのだけど(レビューが溜まっているので消化中)読み終えた後に「あぁ良いお話だったな」としみじみ思ったことははっきり憶えている。 昭和の女中が主人公というとどこか悲壮感があるのだろうかと勝手にイメージしていたけれど、ただの思い込みだった。女中として働くタキの生き生きとした姿がそこには描かれていた。 タキが女中として奉公した家の時子奥様のさっぱりした美しさとか、時子奥様に恋心を抱いていた板倉青年の真っ直ぐさだとか、その秘密を近くで見ていたタキの迷いだとか。ドロドロにもなりかねないストーリーだけど、とても軽やかで読みやすい。しかしながら切なさだとか哀愁めいたものもしっかりと漂っている。 戦時中のお話だから戦争によって人々が生き方や生きる場所を変えていった流れも書かれているのだけど、戦争が始まったあとも空襲が現実のものとなるまでは本当に普通の穏やかな暮らしをしていて、当時の人々も案外こういう感じで暮らしていたのだろうとリアリティを感じる。 タキが時子奥様に対して抱く想いは、親愛や憧れ以上のものであったのかもしれない。そして板倉もまた、生涯をどんな風に過ごしたのかという描写で、時子に対する想いを測ることができる。 「家政婦は見た」をとても品よくしたような要素もある。表現の仕方が微妙だけど。笑 映画化したものはまだ観ていないのだけど、キャストを見るに、きっと面白い作品なのだろうなと思う。

Posted byブクログ

2022/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・「小さいおうち」の中にいた主人公タキちゃん、「小さいおうち」を外から見ていた板倉、そして「小さいおうち」を何十年も経ってからタキちゃんの日記で知った健史。この三段階から「小さいおうち」を覗くことで、狭い閉ざされた世界にいると気づかない、その空間の異質さが見えてくる。どの家庭でも、その中で暮らしていては永遠に気づくことのないゆがみがあるのだろうと作品を読み終えて感じた。いつまでも少女のようにあどけなく、女中のタキちゃんにくっついている世間しらずな奥様は、息子にとってどのような存在だったのか、最後のシーンで考えさせられる。  

Posted byブクログ

2022/05/08

強いられてする人もいれば、自ら望んだ人もいて、それが不本意だったことすら、長い時間を経なければわからない

Posted byブクログ

2022/04/30

映画を見ていたけど、間違いなく本の方がおもしろいし惹きつけられます。 戦争はいつかは終わる、今のコロナ禍と重ねて考えてしまうところもたくさんあった。 戦時中の生活や一昔前のささやかながら華やかな日常も知ることができて楽しい本だった。 映画では戦時中の浮気?不倫?の物語のイメージし...

映画を見ていたけど、間違いなく本の方がおもしろいし惹きつけられます。 戦争はいつかは終わる、今のコロナ禍と重ねて考えてしまうところもたくさんあった。 戦時中の生活や一昔前のささやかながら華やかな日常も知ることができて楽しい本だった。 映画では戦時中の浮気?不倫?の物語のイメージしか残ってなかったけど、それがメインではないもっと深いところでじわじわくる本でした。 いっきに読めます。 かたづの!から中島京子さんを読み進めて、やはり一番おもしろかった。

Posted byブクログ

2022/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とにかくむちゃくちゃ面白かった‼︎ 豊かで情感タップな昭和の思い出話と、タキばあちゃんと健史のドライでユーモラスなやりとりが絶妙なバランス。最後の最後まで楽しめた。 豆タンクみたいな女中タキちゃんの有能ぶりも、非情に小気味よかった。家事全般こなしつつ、出入りの業者との付き合いや、防災訓練、家庭菜園から洋裁までやってなお、大好きな奥様の心配までしてる。しかも女中として誇りをもっていて、まったく『おしん』みたいな悲壮さがない。どちらかというとスーパーウーマンである。そういう気持ちで働いていたタキちゃんの命の輝きやイノセンスが、最終章、板倉さんの描く紙芝居によって、失われてしまった豊かな時代と共に、まるでタイムカプセルのように、あるいは大切にしまわれた宝石のように、ますます輝くのが本当に素晴らしい。有名な絵本『ちいさいおうち』を知っていると、より一層じんわりと感動をよぶ締めくくりだった。 タキちゃんだけでなく、時子奥様も板倉さんも、ナイーブでイノセントな人だった。時子奥様を慕う人たちは彼女に豊かさの想いや純粋さ、憧れを見ていた。それは手に触れられる位置にありながら、手に入らない。しかも流れて失われてゆく宿命にある。だからこそ尊く愛おしい。そういう意味では、タキちゃんと奥様の関係は単なる同性愛ではないし、奥様と板倉さんの関係も単なる不倫ではない。 これまでは女中というと『家政婦は見た!』とか『おしん』みたいな、どこかしら悲しい下働き女のイメージしかなかったが、この本のおかげでだいぶ変わった。これまで分かったようなつもりだった仕事や時代について、自分がまったく分かってなかったのが、不思議と嬉しいような気持ちになる本だった。

Posted byブクログ

2022/02/18

戦争を中心に捉えるのではなく、戦争と共に生きた人たちを描いたお話。 日常の小さな幸せを女中のタキさん視点で書かれてる。 大叔母の手記を繋ぐ甥っ子さんのお話も好きです。

Posted byブクログ

2022/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昭和の戦前から戦後にかけて、赤い屋根の「平井家」に女中として奉公に出た、タキの思い出物語。 私たち、現代に生きる人間にとっては、戦争が目の前に迫っているにも関わらず、あまりにものどかで、裕福な生活描写は、少し違和感を感じます。 だけど実際は、戦争の最前線にいる人たち以外は、みんな誰もが「戦争」というものに実感が出来ず、遠い場所の出来事だと思いながら、生活していたのだと思います。 物語の中盤から最終章にかけて、前半のゆったりした空気を打ち消すかのように、様々な出来事が平井家とタキに身に起こっていきます。 戦争によって失ったものへの悲しみと、年老いたタキが抱える「後悔」の大きさは、読んでいて胸が詰まる思いでした。 装丁の絵、とても素敵ですよね。 この物語を読んで、その後に、もう一度この表紙を見ると、また違った感情が湧いてくると思います。 タキちゃんは、きっと幸せだったんですよね。

Posted byブクログ