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小さいおうち の商品レビュー

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471件のお客様レビュー

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2022/09/23

今では馴染みのない女中さん、タキが静かに見守る小さいおうちに住む平井家の人々の物語。昭和初期の生活がリアルに描かれていて、まるで一緒に生活をしているかの様な感覚になった。時代は違えど、どの人物からも人間臭さがものすごく伝わってくる。

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2022/09/16

おばあちゃんのお話を聞いているような安らぎを得られる素敵な作品でした。映画化されていますね。ジブリ作品となってもいいのではないかと勝手に思ってしまいました。漂うノスタルジーがなんともいえず美しいです。 女中奉公に出た少女の回想記。仕えた奥様への思慕、恋路を阻んだことへの悔恨の涙。...

おばあちゃんのお話を聞いているような安らぎを得られる素敵な作品でした。映画化されていますね。ジブリ作品となってもいいのではないかと勝手に思ってしまいました。漂うノスタルジーがなんともいえず美しいです。 女中奉公に出た少女の回想記。仕えた奥様への思慕、恋路を阻んだことへの悔恨の涙。 太平洋戦争に突入する間際にも、当然ながらほのぼのとした日常がありました。当時の人々の暮らしというと、なんとなくモノクロの、貧しい様相ばかり思い浮かべるけれど、それはあくまでも一面にすぎないのですよね。一方、戦争に導く民衆の空気って、意外と明るいものなんだなと、薄ら寒くなりました。

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2022/08/31

戦前の街並みや文化の美しさが伝わりました。健史と同じで、歴史だけみると暗く苦しい世の中だと思ってましたが、とても素晴らしい時代だったと改められました。タキの要領の良さが心地よく時子さんの雰囲気も良かった。タキの生き様は好きです。最後の手紙は短いけどよかった。

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2022/08/30

昭和初期、山形の田舎から女中奉公のために上京した少女タキは、持ち前の気転のきく賢さで女中としては重宝がられ、幾つか奉公先を変えながら長年に渡り女中として生涯を送った。 やがて老境を迎えたタキは女中としての生涯のうち、決して忘れることのできない赤い瓦屋根の「小さいおうち」の家族に仕...

昭和初期、山形の田舎から女中奉公のために上京した少女タキは、持ち前の気転のきく賢さで女中としては重宝がられ、幾つか奉公先を変えながら長年に渡り女中として生涯を送った。 やがて老境を迎えたタキは女中としての生涯のうち、決して忘れることのできない赤い瓦屋根の「小さいおうち」の家族に仕えていた時のことを大学ノートに書き記すことを始める。玩具会社の役員の旦那様と時子奥様、恭一ぼっちゃんの 三人の家族に仕え、中でも時子奥様に心酔し、心からの忠義をもって勤めた10年間、平井家での女中としての生活は、タキの青春のすべてだった。 老年のタキがつづった手記から、意外な形で現在へとつながっていく。明るい未来に向かっていると信じていられた前半から、戦争の影がひたひたと迫ってくる手記の後半、そしてタキの没後タキが生涯抱えていた秘密、苦悩が明らかとなる。「奥様、わたし、一生、この家を守ってまいります」 新しい家に引っ越してきたとき、タキが目を輝かせて奥様に語ったが、守りたかったのは奥様の幸せ、奥様の笑顔であった。その決意は、戦争になっても揺らぐことなく、だからこそ守れなかったことがずっとタキの心の中に後悔としてくすぶり続けたのであろうか。 余韻の残る深い作品でした。

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2022/08/28

女中が住み込みで家にいるのってなかなかのイレギュラーだと今だと思うが、戦前は普通だったんだなぁと。 住み込みであるが、女中という立場なので家族に肩入れして行ってしまう気持ちとても共感できる。 戦争中の描写も含めてだが、昔のレトロな感じが伝わってくるし終始明るいイメージでした。 ...

女中が住み込みで家にいるのってなかなかのイレギュラーだと今だと思うが、戦前は普通だったんだなぁと。 住み込みであるが、女中という立場なので家族に肩入れして行ってしまう気持ちとても共感できる。 戦争中の描写も含めてだが、昔のレトロな感じが伝わってくるし終始明るいイメージでした。 現在との対比も良かった。

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2022/08/26

"マドリング・スルー。秘策もなく。何も考えずに" のところは muddling through だと調べて知りましたが、その場の課題を一つずつ片付けていったら "胸を抉るような後悔が、こんな年になってもまだ襲ってくる" ことになってしまった...

"マドリング・スルー。秘策もなく。何も考えずに" のところは muddling through だと調べて知りましたが、その場の課題を一つずつ片付けていったら "胸を抉るような後悔が、こんな年になってもまだ襲ってくる" ことになってしまったということ?

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2022/08/09

戦前戦後を舞台とした小説というのは、どこかじっとりとした暗さを感じたりもするのですが、この本はとてもからりとしていて、楽し気な部分が多いです。そもそも主人公・タキの記憶を綴った覚書という形なので、美しく、幸せなものしか記録に残していないのだと思います。 美しく優しい奥様と、かわ...

戦前戦後を舞台とした小説というのは、どこかじっとりとした暗さを感じたりもするのですが、この本はとてもからりとしていて、楽し気な部分が多いです。そもそも主人公・タキの記憶を綴った覚書という形なので、美しく、幸せなものしか記録に残していないのだと思います。 美しく優しい奥様と、かわいらしいぼっちゃまとのひと時は、タキにとってとても幸せだったのでしょう。そして、奥様はタキにとって、雇い主であると同時に愛しい人でもあり、ある種もう一人の自分自身でもあったのではないかと感じました。 とても良い本でした。

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2022/08/07

住み込み女中として働いたおタキさんの日記から語られる昭和初期から戦後にかけての日常が リアルで引き込まれる。 第二部では戦争によって人生が狂っていくさまが静かに伝わってきた。

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2022/08/07

過去を振り返る口調と、現代との対比がよかった。戦争の時代はすべての人が苦しくて耐えるのみってイメージだったけど、ちゃんと生活があって、知らない間にいきなりぱっ!って戦争モードになったんじゃなくて、いつのまにかじわじわと感じるようになったのがリアルで読めてよかったなあと思った

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2022/08/04

ノンフィクションかと思うほどのリアルな描写。 すべてが実在しているかのような生々しさ。 時代の空気感、街の空気感、人々の空気感、すべてを残酷なほどに感じる。

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