ペンギン・ハイウェイ の商品レビュー
偶然東京駅の本屋で手にとって読み始めたが、連続して日本SF大賞の本を選んでいた事に気づきびっくり。連続して文庫化されたみたいですね。 小学生の頃の特別な女性に対する、恋を知らない時期の何とも表現しがたい、とてもとても愛しくて切ない気持ちが蘇る。 そしてあの頃想像して怖くてたまらな...
偶然東京駅の本屋で手にとって読み始めたが、連続して日本SF大賞の本を選んでいた事に気づきびっくり。連続して文庫化されたみたいですね。 小学生の頃の特別な女性に対する、恋を知らない時期の何とも表現しがたい、とてもとても愛しくて切ない気持ちが蘇る。 そしてあの頃想像して怖くてたまらない死への恐怖と生の神秘について考えて考えて、なかなか寝付けなった頃を思い出してしまった。 少年時代にタイムスリップできるSF。 しかしこの頃の思いって、単純に泣いて消化できないほど、つらく切ないんだよなぁ アオヤマくんが大人になってから、もしそのノートを見たら、一体何を思うのだろうか?
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はじめはほのぼのしたかわいいお話と思っていましたが、予想を超えて壮大でちょっぴり切ないお話でした(つ∀`*) いつもの森見さんとお話とはちょっと違う感じでしたが、ステキなお話でした。
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アオヤマ君はまったくりっぱなやつで、お姉さんはたいへんすてきなひとだ。最後はとても切ない気持ちになった。 私の読解力が不足しているせいだと思われるが、読んでいて、その表現を頭でうまく再現できないところが多かった。光景をうまく描くことができない、というべきか。 SFなので、自分...
アオヤマ君はまったくりっぱなやつで、お姉さんはたいへんすてきなひとだ。最後はとても切ない気持ちになった。 私の読解力が不足しているせいだと思われるが、読んでいて、その表現を頭でうまく再現できないところが多かった。光景をうまく描くことができない、というべきか。 SFなので、自分が今まで見たこともないようなものがそこにはあって、それを文章だけで理解するのはかなり難しい。
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久しぶりの森見登美彦さん。印象的なタイトルで、思わず手にとってしまいました。小学生が主人公と言うのもよいですね。 研究好きの小学四年生の男の子。ある日、彼が住む町に大量のペンギンが現れる。その現象には、歯医者のお姉さんが関係していて・・・。 ふしぎな世界観の物語。主人公が、賢...
久しぶりの森見登美彦さん。印象的なタイトルで、思わず手にとってしまいました。小学生が主人公と言うのもよいですね。 研究好きの小学四年生の男の子。ある日、彼が住む町に大量のペンギンが現れる。その現象には、歯医者のお姉さんが関係していて・・・。 ふしぎな世界観の物語。主人公が、賢い男の子と言うのがいいです。自分自身がまだ小学生だった頃のことを少し思い出させてくれます(別に自分が賢いというわけではないですよ)。自分の周りに起きる出来事に「なぜだろう?」と考えたり、自分の死や他人の死について思いを巡らせたり、「あー、自分にもそんな思いがあったなぁ」と思わせるお話でした。
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不思議なかわいい作品だった。 アオヤマくんとお姉さんの話し方は森みーワールドで、他の作品だとまどろっこしくて好きではないのだけど、本作に限ってはこの話し方がよい味を出している。 突如現れたペンギンと海。 歯医者のお姉さんの謎は可愛らしくも引き込まれ、楽しそうな冒険をしているアオヤ...
不思議なかわいい作品だった。 アオヤマくんとお姉さんの話し方は森みーワールドで、他の作品だとまどろっこしくて好きではないのだけど、本作に限ってはこの話し方がよい味を出している。 突如現れたペンギンと海。 歯医者のお姉さんの謎は可愛らしくも引き込まれ、楽しそうな冒険をしているアオヤマくんたちが羨ましかった。
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森見氏の書く「勤勉な」「小学生」とはどんなだ??と思っていて、読む前はそれほど期待していなかったけど、そんな自分をひっぱたきたくなる読後感。 ここまで奇想天外なストーリーをしらけずに読める理由は、森見氏の手腕か、自分の慣れか、はたまたおっぱいか。 読み進めるほどにアオヤマ君がい...
森見氏の書く「勤勉な」「小学生」とはどんなだ??と思っていて、読む前はそれほど期待していなかったけど、そんな自分をひっぱたきたくなる読後感。 ここまで奇想天外なストーリーをしらけずに読める理由は、森見氏の手腕か、自分の慣れか、はたまたおっぱいか。 読み進めるほどにアオヤマ君がいとおしくなる。読み終わった後、ほんとうにアオヤマ君とこの本を抱きしめたくなる。 「アオヤマ君、君はぼくは泣かないのですと言うけど、私は泣きます。」(解説より)
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不思議な話だったけど、心にしみました。面白かった。 森見先生の作品はこれまで、夜は短し…、恋文の技術、有頂天家族、ペンギンハイウェイとよんできましたが、どれも最後の数行が素晴らしい。とても好みです。 読んでいて、ふと、他作品の腐れ大学生達も小さい頃はアオヤマ君みたいな小学生だった...
不思議な話だったけど、心にしみました。面白かった。 森見先生の作品はこれまで、夜は短し…、恋文の技術、有頂天家族、ペンギンハイウェイとよんできましたが、どれも最後の数行が素晴らしい。とても好みです。 読んでいて、ふと、他作品の腐れ大学生達も小さい頃はアオヤマ君みたいな小学生だったのかな?と感じました^_^;
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「神様が実験してるみたいだな」 おそらく日本で一番ノートを書き、おっぱいに興味がある小学四年生の「ぼく」 歯科医院で働き、本当はたいへん見どころのある努力家の「おねえさん」 チェスを普及させるのに熱心な色白の「ハマモトさん」 「ぼく」と探検隊を組織している「ウチダくん」 ス...
「神様が実験してるみたいだな」 おそらく日本で一番ノートを書き、おっぱいに興味がある小学四年生の「ぼく」 歯科医院で働き、本当はたいへん見どころのある努力家の「おねえさん」 チェスを普及させるのに熱心な色白の「ハマモトさん」 「ぼく」と探検隊を組織している「ウチダくん」 スズキくん帝国初代皇帝の「スズキくん」 アニメで観たら楽しめるだろうなーという躍動感のある作品。 ペンギンがコーラの缶から姿を変える描写や後半、「海」とのシーンなど、「四畳半神話大系」の製作チームでアニメ化してくれたら喜んで観る。 森見作品あるあるかもしれないけれど、伏線を張り巡らせすぎて収集しきれていない感は否めない。 たくさんの謎の答えはひとつ、にしても。 「おねえさん」の設定が曖昧模糊。 小学生軍団は生き生きとしていた。 「ぼくは忙しいだがなあ」なんていう小学四年生は可愛くないけど。 それでも最後、「少年」を抱きしめたくなる感覚はとてもよくわかった。 これを基盤に色々な作品が作れそうだなあという膨らみは感じた。
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『他人に負けるのは恥ずかしいことではないが、昨日の自分に負けるのは恥ずかしいことだ。』 『ペンギンたちはどこから来たんだろ?』 『まだ情報が足りません』 『私は宇宙人が連れてきたんだと思う』 『可能性としては否定できないけれども、宇宙人がわざわざそんなことする根拠が分かりません...
『他人に負けるのは恥ずかしいことではないが、昨日の自分に負けるのは恥ずかしいことだ。』 『ペンギンたちはどこから来たんだろ?』 『まだ情報が足りません』 『私は宇宙人が連れてきたんだと思う』 『可能性としては否定できないけれども、宇宙人がわざわざそんなことする根拠が分かりません』 『侵略ね。ペンギンはかわいいから、それで地球人をたぶらかして、みんなが油断しているうちに国連本部を乗っ取るのだ』 『なるほど、筋は通りますね』 『寝る子は育つって言うよ。眠れ、少年 ー さっさと眠って、大きくおなり』 『あんまり眠かったので、ぼくはその日、夜の歯みがきを忘れたようだ。まことに嘆かわしいことだ。もっと自律できるようになる必要があると思う。けれどもぼくもいつかはこの眠さに耐えられる男になるだろう。そして歯みがきも怠らないようになって、白い永久歯をそなえた立派な大人になるだろう。』 『お姉さんのおっぱいを思わず見ていることがぼくにはある。いくら見ていても飽きないということがある。触ってみたらどんなだろうと思うことがある。考えれば考えるほど自分の気持ちがふしぎになる。』 『怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。そうすると心がたいへん平和になるんだ』 『あまりそういうことを考えるのはよくない』 『おっぱいのこと?』 『分からないけど。でも、よくないような気がするな』 『ずっと考えているわけではないよ。毎日ほんの三十分くらいだから』 『アオヤマ君は怒らないなあ』 『おっぱいのことを考えてるからさ』 『こんなにやわらかなお菓子があっていいのだろうかと思うほどやわらかい。おっぱいというものはこのぐらいやわらかいのだろうか。すてきなことだ。』 『おっぱいが好きであることはそんなにへんなことだろうか?』 『へんではない…でもへんだなあ』 『スズキ君はハマモトさんが好きなんだから』 『それはおかしい。スズキ君はあんなにハマモトさんにいじわるな発言をしているじゃないか。本当に彼女が好きなのだったら、彼女がいやがることをするのは合理的じゃないよ』 『分からないけど。でもスズキ君はハマモトさんが好きなんだよ』 『そんなこと、スズキ君は言わないよ』 『なぜ?』 『恥ずかしいから』 『スズキ君がハマモトさんを好きであることがなぜ恥ずかしいんだろう? ほかの人を好きになることはふつうのことじゃないか。ぼくのお父さんもぼくのお母さんが好きになったから結婚したんだよ。ぼくのお父さんがお母さんを好きにならなければ、ぼくは存在しなかった』 『それはそうなんだけど ー アオヤマ君は分かってないなあ』 『ぼくは分かっていないのだろうか』 『さあ少年! 目には目を! べたべたにはべたべたを!』 『アオヤマばっかりひいきすんなよ、大人のくせに!』 『大人はひいきしないとだれが決めた?』 『うわ、ひでえ!』 『くやしかったら私をやっつけてごらん。子どものくせに!』 『おっぱいばかり見ていてはいかんぞ』 『見ていません。おっぱいについて考えていましたが、お姉さんのおっぱいのことではありません』 『アオヤマ君はおっぱいが好きすぎるね』 『ぼくは好きなんじゃないよ。おっぱいの研究をしているだけだよ』 『それ、好きってことじゃないかなあ』 『怒った?』 『怒っていない。ぼくは決して怒らない。二十四時間冷静なのだ』 『なぜなら人類は生き物だからね。生き物はいつか死ぬんだよ。犬も、ペンギンも、シロナガスクジラも』 『でも生き物はみんな必ず死ぬよね。ウチダ君はそれはわかってるんだろ?』 『ぼくはわかっている。でもわかっていることと、安心することは、ぜんぜんちがうことなんだよ』 『お姉さんはきっと元気になっているとわかっていました』 『なんで?』 『ぼくはお姉さんの研究家だからです。世界で一番くわしい』 『夏休みが終わってしまうね』 『どんなに楽しくても、必ず終わるのだなあと思います』 『真理だね』 『なぜお姉さんがここにいるのですか?』 『昔からいるよ。だってここは地球だもの』 『仮説を立てるということは、信じるということとはちがうのだった。』 『なぜぼくはここにいるのだろう。なぜここにいるぼくだけが、ここにいるお姉さんだけを特別な人に思うのだろう。なぜお姉さんの顔や、頬杖のつき方や、光る髪や、ため息を何度も見てしまうのだろう。』 『ぼくがこれからの人生で冒険する場所や、ぼくが出会う人たちのこと、ぼくがこの目で見るすべてのこと、ぼくが自分で考えるすべてのこと。つまりぼくがふたたびお姉さんに会うまでに、どれぐらい大人になったかということ。そして、ぼくがどれだけお姉さんを大好きだったかということ。どれだけ、もう一度会いたかったかということ。』
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待望の文庫化、普段新品で文庫本を購入しないのだが、書店に並ぶやいなや即買った。 今年の本で、いちばん素敵な本かもしれない。 「かしこく」「えらい」、小学4年生のくせにナマイキな少年、アオヤマ君。 「海辺のカフェ」で彼とチェスをする、歯科医院のふしぎなお姉さん。 彼を尊敬し勉強...
待望の文庫化、普段新品で文庫本を購入しないのだが、書店に並ぶやいなや即買った。 今年の本で、いちばん素敵な本かもしれない。 「かしこく」「えらい」、小学4年生のくせにナマイキな少年、アオヤマ君。 「海辺のカフェ」で彼とチェスをする、歯科医院のふしぎなお姉さん。 彼を尊敬し勉強熱心だが臆病なウチダ君。 アオヤマ君のことが好きな快活な少女ハマモトさん。 ハマモトさんが好きな、スズキ君皇国皇帝スズキ君。 小さな街の少年少女が、研究を進めるきっかけとなったのは、街に突如現れたペンギンたちであった。 ペンギンたちを皮切りに次々と起こるふしぎな現象と、それらの謎に切り込んでいくアオヤマ君。 彼らは小さな頭で世界の果てや、死ぬこと、人を好きになること、スズキ君が意地悪をすること、はたまたおっぱいについて思いを巡らせ、宇宙空間を自在に飛び回り、夜が来ると眠ってしまう。 ペンギン・ハイウェイとは、ペンギンたちが海から陸に上がるときに決まってたどるルートのことを呼ぶのだそうだ。 アオヤマ君にとってのペンギン・ハイウェイとは、世界の果てに通ずる道で、そこにはおおいにおっぱいを備えたお姉さんが待っているのだ。
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