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世界の経営学者はいま何を考えているのか の商品レビュー

3.9

210件のお客様レビュー

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2012/12/17

経営学者は経営学を経営“科学”とすべく奮闘中とのこと。 自分にとって科学的アプローチは、やはり、しっくりくる。

Posted byブクログ

2012/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これちょっと久々に私自分の読むスピードにもどかしさを感じるくらいの本でしたよ。 何がすごいかって ①経営学の最先端の研究がわかりやすく載ってる ②経営学の発展の流れと種類がコンパクトに解説されていて、全体を俯瞰できる ③経営学の今後の展開が予想されてる のです! 実は、私はゼミや経営戦略の授業で、いつも ・有名な理論に対する評価とか反論ってないのかな?この理論は今どうやって発展させてるのかな? ・ぶつぎりで色んなテーマが出てくるけど(垂直統合、PPMとか)、それぞれどう関連して背景にどういう問題意識があるの? ってことがわかんないなーと思ってもやもやしてました。 ばらばらと色んな知識を断片的に詰め込んでるけど、それぞれつながらない、みたいな。 そういう経営学における関連性をわかりやすく示してるのがこの本です! ゼミで先生が言ってたことも多々でてきて、情報がばばばーっとつながってテンションあがりましたw この本を、3年のゼミ入る前に読んでおけば、もっと輪読本を批判的に読めたなーと思ってます。笑 で、ここからが、3年生諸君、よく聞いてほしんだが(笑)、①②③があることによって、もう一つ良いことがあって。それは、 経 営 学 の 研 究 の や り 方 を 学 べ る こ と です! 既存研究にどう対抗してリサーチクエスチョンの種を見つければ良いのか、既存研究をどう発展させれば良いのか、その着眼点が書かれているので、大いに、大いに、卒論の役に立つと思います。 (もちろん、そういう目的のために書かれた本ではないので、それは読み取って活用せよ、ということですが。) そんなこんなでかなり良書なので、ぜひ一読をおすすめします。 ビジネス書のような”俺の成功体験記”や経営学の一部を解説してる本は世にあまたあります。 しかし、この本のように経営学全般においての過去から今、未来までをわかりやすく解説してる本は、今までみたことありません。 ってことでみなさんぜひ!

Posted byブクログ

2012/12/12

日本で人気のドラッカーはアメリカでは経営学とは見なされていない、というような衝撃的なメッセージに惹かれた。 「世界の経営学のフロンティア」から日本が遅れている。それは日本人がアメリカで経営学を勉強することが減っていること。MBA取得はあくまでも日本に帰ってビジネスをすることが前提...

日本で人気のドラッカーはアメリカでは経営学とは見なされていない、というような衝撃的なメッセージに惹かれた。 「世界の経営学のフロンティア」から日本が遅れている。それは日本人がアメリカで経営学を勉強することが減っていること。MBA取得はあくまでも日本に帰ってビジネスをすることが前提になっているため、アメリカで研究を続ける人が少なく、また最新の経営学が日本には紹介される機会が少ない、という事実。 さてドラッカーだが言い得て妙なのは「ドラッカーの言葉は『名言ではあっても、科学ではない』」という筆者の言葉。日本人は座右の銘や格言が好きだからドラッカーがはまるのかも知れない。 筆者が言いたいことは、経営学は科学的なアプローチをするのが今のアメリカの手法であり、メッセンジャーの言葉だけではなくて、仮説と統計学的に証明をされたコンテンツが主流だ、ということ。そのためには母数をあつめた事例を統計的に研究し、それを学術誌に投稿して議論に持ち込む必要がある。(その点においてやはり日本人が好きなハーバードビジネスレビューは学術誌ではないので、日本ほど重用視されていない。) マイケル・ポーターの「競争の戦略」ももはやそれだけでは完璧ではない。筆者はポーターの戦略論はつきつめて言えば「競争をしない戦略」と切って捨てる。なぜなら科学的に分析をすると競争優位は永続的には続かず、最近は一時的なものですぐに他社にとって変わられる時代。これを「ハイパー・コンペティション」と名付けられているが、短い競争優位の環境を再び取り戻すためにはより積極的な競争をしなくてはならない。ポーターの戦略ではこれが出来ない。 「組織としての記憶力」の研究紹介は興味深い。組織全体が情報を共有しているよりも、誰が何を知っているかを知っている(トランザクティブ・メモリー)がむしろ生産性を高める、という考え方。 日本ではまだ根付いていないがアメリカではオープンイノベーションが当たり前の世界になっている。これを活用するためには「知の探索」と「知の探求」がバランスよくある必要がある。前者は知を広げることで、後者は既知の知を深めたり重ね合わせたりしてイノベーションを創出すること。 「ソーシャル」についても多くの誌面を割いている。面白いのはひとり一人が強い結びつきであるよりも、むしろ弱い結びつきの方がネットワークが機能する、という理論。強い結びつき(たとえば親友)は先入観があるし、第一強い結びつきは簡単には作れない。震災の際にTwitterは機能したけどmixiは災害対応にはあまり役立たなかったことを思い出してみると良い。 様々な理論が本書では紹介されているが、最後に課題も投げかけている。理論の偏重が理論の乱立を招いていること。平均に基づく統計手法が独創的な経営手法の分析を妨げていることなど。 本書はドラッッカー好きの日本人に最新の経営学を学ぶきっかけを与えるにはとても良い書であると言える。一方でアメリカ中心の経営学の簡単な紹介にとどまっている。つまり本書を読んでなんらかの経営に役立つ戦略を作り出せるか、というとそれは出来ない。なぜならあくまでも紹介集にすぎないから。しかも百花繚乱の様相を示している経営学のほんのさわりを紹介することしか1冊の本には出来ない。入山氏の考える経営論についての続刊を期待したい。

Posted byブクログ

2012/12/11

経営学のフロンティアが平易な言葉で色々紹介されている。読んでいて面白かった。産業組織論にも通じる点があると感じた。

Posted byブクログ

2012/12/02

経営学のトピックをいくつか抽出し、フロンティアの議論を紹介した1冊。個人的には、その紹介されている内容よりも経営学はどうあるべきかについての方に興味があった。 ①日本の経営学と海外の経営学(p35)  日本の経営学はケーススタディーが多いのに対し、欧米では理論→統計分析のアプロ...

経営学のトピックをいくつか抽出し、フロンティアの議論を紹介した1冊。個人的には、その紹介されている内容よりも経営学はどうあるべきかについての方に興味があった。 ①日本の経営学と海外の経営学(p35)  日本の経営学はケーススタディーが多いのに対し、欧米では理論→統計分析のアプローチが多い。定性的な研究では一般化がしにくいが、深く入り込んだ分析や統計では見えてこない(平均的でない)事例も分析できる。そうした長短を意識し、研究に臨みたい。 ②多種のフロンティア  いくつか気になったものをピックアップ ・ 競争優位は一時的な連鎖である ・ 何を知っているかよりも、「誰が何を知っているか」を知っておくこと(トランザクティブ・メモリー) ・ 弱い結びつきの方が幅広く多様な知識を得られる。強か弱のつながりどちらを重視するかは、ソーシャルを扱う目的により異なる ・ リアル・オプションによる段階的な投資方法 ③経営学に未来はあるか(Part3)  「理論偏重による理論の乱立化」、「“おもしろい研究”が事実の分析を妨げる」、「平均値では独創性を分析できない」など、現在の経営学における課題を挙げている。これらを解決するための進化を通して、やはり方法論を学ぶ重要性を感じさせられた。多種の主張がなされているが、その主張がなされた背景を理解し、論理的に他者を納得させるような研究をするためには、それぞれの研究方法や方法論をしっかりと学び、使えるようになる必要があると思った。  また、あとがきにある実証的か規範的かの部分も経営学にとって大事な問いであると感じた。

Posted byブクログ

2012/12/02

この本に書かれていることは経営学として科学的に検証され、多くの学者にコンセンサスが得られることだということがすごい。 1)近年は競争優位が持続できなくなってきており、その状況下では攻めの競争行動が有効 2)トタンザクティブ・メモリー(誰が何を知っているかをしっていること)を活用...

この本に書かれていることは経営学として科学的に検証され、多くの学者にコンセンサスが得られることだということがすごい。 1)近年は競争優位が持続できなくなってきており、その状況下では攻めの競争行動が有効 2)トタンザクティブ・メモリー(誰が何を知っているかをしっていること)を活用するのが組織の記憶力を高める上で重要で、これは自然に形成されることが理想で強制的にやると効率が落ちる 3)イノベーションには知の探索と深化の両利きの経営が重要で、これは経営者の認知の問題ではなく、組織・ルール作りの問題 4)ソーシャルには3つの枠組みがあり、どんなソーシャルな関係(強いむすびつき or 弱いむすびつき)が機能するには「目的」「知識・情報の質」「事業環境」が重要な要素。 など日頃会社で議論の対象となる話題に対する現在の経営学の知見がわかりやすく解説されてます。 超お勧めです。

Posted byブクログ

2013/02/23

ハイパー・コンペティション時代の競争戦略、組織の記憶力、イノベーションのベース「知の探索」と「知の深化」、ソーシャルネットワーク、国民性指数など。 仮説とデータによる検証、データマイニングでもっとでてきそう。

Posted byブクログ

2013/07/30

日本での経営学を見ていては分からない世界の経営学の潮流をエキサイティングにまとめた本。実務家にもこれから経営学の研究を試みる人にもお勧め。

Posted byブクログ

2012/11/25

ちょっと背伸びしてこういう経営学をかじってみました。 この本は、最新の経営学のフロンティアの面白いトピックを エッセイ風にまとめたもの。 ちょっと読み始めるのにハードルがありそうですが、 読んでみるととても面白く読める本だと思います。 まず、最初の掴みがうまい! アメリカの経営...

ちょっと背伸びしてこういう経営学をかじってみました。 この本は、最新の経営学のフロンティアの面白いトピックを エッセイ風にまとめたもの。 ちょっと読み始めるのにハードルがありそうですが、 読んでみるととても面白く読める本だと思います。 まず、最初の掴みがうまい! アメリカの経営学者たちは、ドラッカーを読まないらしい。。 これは、最新の経営学は、統計を駆使して、 現在の経営学の真理を追求しようと試みているからだそうです。 確かに、論文というものはそういうものなので、 読んでみると当たり前なのですが、 ハーバードMBAを初めとするケーススタディーが有名なだけに、 経営学はケーススタディー中心の学問だと勘違いしていました。。 研究とMBAで勉強することは、 違っているということなんでしょうか。。 その他、因果関係と相関関係の違いなど、 面白いトピックが満載の一冊です。

Posted byブクログ

2012/11/23

世界の経営学は何を研究しているのか?を紹介してくれた良書。普段からビジネス書や経営戦略に興味がある人は知的好奇心として読むのがいいのではないか。

Posted byブクログ