母性 の商品レビュー
母と娘の話、「愛能う限り」。買わずにはいられなかった。 何故別居を選ばなかったのかなど些細な部分に疑問は残るけれど、母と娘のねじれかたの描写がすごい。 部分部分で炙り出される自己評価と客観的評価のズレとか(クッキーにカレー、三色丼など)ヒヤリとした。 求めたものを与えるべき...
母と娘の話、「愛能う限り」。買わずにはいられなかった。 何故別居を選ばなかったのかなど些細な部分に疑問は残るけれど、母と娘のねじれかたの描写がすごい。 部分部分で炙り出される自己評価と客観的評価のズレとか(クッキーにカレー、三色丼など)ヒヤリとした。 求めたものを与えるべきだという結論、すばらしいと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
母性… どんな話か1ミリたりともわからず読んだ。どんなラストになるんだと思ったらハッピーエンド… むむ? むむむ? どんなラストになるかを楽しみにして読んだらいけないのかもしれない。 そしてメンズには「母性」というものがいまいちピンとこない。 すれ違う母と娘。すれ違いすぎる母と娘。 その「すれ違い」がずーっと書かれてきて最後急に幸せな感じに… ん? まさか私に読解力が足りないのか? この本を読むレベルにまで達してないから不完全燃焼感があるのか? 何を感じとれたらもっといいんだろ? この本について誰かに語ってもらいたい。 てか宮瀬さんのレビューがかなりしっくりくる。
Posted by
母親は必ず誰かの娘を経験しているという当たり前のことを突き付けられた感じ。 女同士ならではの嫉妬や愛情、汚い部分がよく出ていると思った。
Posted by
この手の母親像・女性像には、「またか」と言う気持ちにさせられる。 これだけ多いのだから、実際そういう人が世の中には溢れているのだろう。 やるせない。
Posted by
悪くはないんだけど、これで「作家辞めます」っていわれたら、 「ええっ?処女作を超える作品を書けてないのにいいのかい?」ってマスオボイスで聞き返しますね、私は。 母と娘の一人称によって物語が展開していきますが、 母から見た娘の行動と、娘本人が考えていることが見事なまでにすれ違って...
悪くはないんだけど、これで「作家辞めます」っていわれたら、 「ええっ?処女作を超える作品を書けてないのにいいのかい?」ってマスオボイスで聞き返しますね、私は。 母と娘の一人称によって物語が展開していきますが、 母から見た娘の行動と、娘本人が考えていることが見事なまでにすれ違っていてリアルを感じました。 しかしこうも似たような文章が同じテンションでダラダラと続く文体なのに読ませるのは湊さんの才能としか思えません。 多分ほかの人が同じ文体で書いたらひどくつまらないものなのでしょうけど、彼女が書くから読めるのです。 次回作に期待。
Posted by
読了。湊かなえさんの物語は「一体誰が悪いのだろう」と思わせ、「誰も悪くないはずなのに悪化していくストーリー」が多い。これもそういった類だった。 女性と母性。一字違いのこあの言葉は重なり合うのか。いつもの独白形式で進んでいく母と娘のストー リー。娘を授かったものの"母&...
読了。湊かなえさんの物語は「一体誰が悪いのだろう」と思わせ、「誰も悪くないはずなのに悪化していくストーリー」が多い。これもそういった類だった。 女性と母性。一字違いのこあの言葉は重なり合うのか。いつもの独白形式で進んでいく母と娘のストー リー。娘を授かったものの"母"にはなれず、いつまでも"娘"のままだった女性が 巻き起こした事件。あとから思い返すといろんな伏線が張られて いるんだなと気づく、というのもまた快感。 「愛能う限り・・・」字ずらとは反対にぬくもりを感じない言葉に、吸い込まれるように読めた。
Posted by
重い。愛情が歪んでいるのではなく、娘に対する愛情そのものがない母親と母に愛されたいと思う娘の物語。吐き気を催すほど、この母親の想いが歪んでいて思い。母性って何なんでしょうね。
Posted by
すらすら読めたけど、帯に書かれているほどの衝撃はない。完全には乗れないのは自分が男だからではないと思う。
Posted by
最近の湊かなえさんのなかではよかったという印象。 個人的に母と娘の話がすきだからかもしれない。 母性について、母の手記、娘の視点 という三点から緩やかに明かされていく家族の違和感と真実。不幸な終わり方ではなかったが本当にしあわせだと言い切れるわけでもない。これからこの娘が自分の...
最近の湊かなえさんのなかではよかったという印象。 個人的に母と娘の話がすきだからかもしれない。 母性について、母の手記、娘の視点 という三点から緩やかに明かされていく家族の違和感と真実。不幸な終わり方ではなかったが本当にしあわせだと言い切れるわけでもない。これからこの娘が自分の娘にどう接していくのか、それが歪んでいるのかいないのか。ここで終わることで、新たな母と娘の物語を想像させられる。そうやって永遠に続いていく女性、母性、について。 一番おかしいのはいっそ神聖化されている母方の祖母かもしれない。何故ここまで親離れ出来ていない娘に気付けなかったのか。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
このところハイペースなリリースが続く湊かなえ。 帯の煽りによると、「これが書けたら、作家を辞めてもいい。」作品らしい。 つまり本命。 「母性」という、本来必ずあるとされる心持ちについて、そのリアルを描いた 作品だと思う。母性は画一的なものではなくて、人それぞれで質も量も違う感情。 それは解っているつもりだったのだけど、性の違う僕にはかなり強烈。 かんたんにイヤミスとカテゴライズしてしまうのには重すぎるテーマ。 女史特有のクセのある文章も全篇を覆い尽くすような絶望感も、もちろん健在 ではあるのだけど、この作品はその部分が異様に洗練されている。なんというか、 心のもう1つ深い部分を針で何度も突き刺されているような感覚。致命傷こそ免れ ているが、最初から最後までずっと感じ続ける痛み。最後はやや修復の兆しを魅せ てくれるものの、読後もモヤモヤは全く消えない。う~ん・・・。 そういう種類の作品であるにもかかわらず、今回も読むのが止められない。 そして読了後にやってくるダメージもかなりの破壊力。さすがは本命だな、やっぱり。 湊マニアでもちょっとした覚悟が必要。でも、必読です、きっと。
Posted by