ミナの物語 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ストーリー的にはそんなにドラマチックな展開は無く、少し退屈だったが、『肩胛骨は翼のなごり』のミナに惹かれていたので、ミナのルーツを探る意味で興味深く読んだ。 ミナも魅力的だが、実は母親の方がより魅力的だった。 型にはまらず、普通の学校やフリースクールさえ行かないミナを受け入れ、ミナの落書きにも理解を示し、仲良くコミュニケーションを取る。お金もそんなミナのために惜しまない。非常に愛情に溢れ、かつ、自分の理想を押し付けることもない素敵な母親だった。
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掲載元/Ginza 2013年1月号 目利き書店員のリレーコラム第21回 ブックファースト梅田2階店 藤原洋子さん
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本編は未読で、前日譚となる本作から読んだ。 ミナがとっても魅力的で、作者の理想が伝わってきた。 本編のストーリーに繋げる為か、最後の辺りの物語の流れが 若干ぎこちないようにも思えたが、自由で素晴らしい作品だった。 姉妹作とか関係なしに、これだけでも楽しめたし 肩甲骨は~も、いつ...
本編は未読で、前日譚となる本作から読んだ。 ミナがとっても魅力的で、作者の理想が伝わってきた。 本編のストーリーに繋げる為か、最後の辺りの物語の流れが 若干ぎこちないようにも思えたが、自由で素晴らしい作品だった。 姉妹作とか関係なしに、これだけでも楽しめたし 肩甲骨は~も、いつか読んでみようという気にさせられた。
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【あたしの名前はミナ。あたしは夜が大好き。】 【内容】 ミナという少女が書く日記。詩的な。 「肩甲骨は翼のなごり」でマイケルと出会うミナの、それまでの物語。 【感想】 「肩甲骨は翼のなごり」は好きなお話だ。アーモンドさんの本を何冊も読むきっかけになった。ミナはとても魅力的な少女に...
【あたしの名前はミナ。あたしは夜が大好き。】 【内容】 ミナという少女が書く日記。詩的な。 「肩甲骨は翼のなごり」でマイケルと出会うミナの、それまでの物語。 【感想】 「肩甲骨は翼のなごり」は好きなお話だ。アーモンドさんの本を何冊も読むきっかけになった。ミナはとても魅力的な少女に思えた。 今回はそのミナがどういう子どもだったかが描かれていて感慨はあるが、単独の作品としても悪くない。 中学1年生のとき読んだら夢中になっただろう。繰返し何度も読んだだろう。あるいは親になった人にオススメ。 (2015年02月04日読了)
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特別な、でも、ありふれた、女の子の話。 『肩胛骨は翼のなごり』の前日譚。ミナがノートに書いた物語という体裁。ミナの自由な心のように、文字は飛び跳ねている。読めば彼女を身近に感じる。彼女は「変わっている」だろうけど、誰しも少しずつ「変わっている」し、世界に馴染めなかったり、時には...
特別な、でも、ありふれた、女の子の話。 『肩胛骨は翼のなごり』の前日譚。ミナがノートに書いた物語という体裁。ミナの自由な心のように、文字は飛び跳ねている。読めば彼女を身近に感じる。彼女は「変わっている」だろうけど、誰しも少しずつ「変わっている」し、世界に馴染めなかったり、時には迷ったり、うまく自分の道を歩くまでに時間がかかったり、踏み出すには勇気が必要だったりするのだ。 『肩胛骨は〜』はマイケルという少年の目から見たミナの姿が描かれていたが、『ミナの物語』はミナの一人称で、またずいぶん印象が違う。これを書きわけた著者もすごいなと思う。
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ミナは感性の鋭い女の子。 お母さんとの会話が素敵。 ミナもお母さんも宇宙の一部。 ミナの頭とお母さんの頭がゴッツンコ。宇宙と宇宙がゴッツンコ。
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あたしの頭をおかしくして。あたしはそっと月にささやく。いいでしょ、ミナの頭をおかしくして――。 「あたしはミナという名前の女の子だけど、ただの女の子じゃない。そう、ミナはただの女の子じゃない」 そう、型にはまらず自由で、豊かな感性を持つ女の子・ミナ。だがそれゆえに学校に馴染まず...
あたしの頭をおかしくして。あたしはそっと月にささやく。いいでしょ、ミナの頭をおかしくして――。 「あたしはミナという名前の女の子だけど、ただの女の子じゃない。そう、ミナはただの女の子じゃない」 そう、型にはまらず自由で、豊かな感性を持つ女の子・ミナ。だがそれゆえに学校に馴染まず、母親との自宅学習に甘んじる彼女が綴る日記。 月光に照らされたテーブルの上にある、まっさらな一冊のノートには、鳥が誰はばからず自由に歌うように、ミナが好きなことをなんでも、なんでも書いてゆく。 ゆうべ見た夢。今夜見たい夢。学校のこと。小さなころの思い出。空想の物語。庭で春の女神を呼んだこと。そして、ずっとまえに死んでしまったとうさんのこと。 喜びと驚きに満ちた世界をあるがままに享受するミナ。集団の中では相容れない純粋さをもつ彼女が、やがて天使に出会うまで。『肩甲骨は翼のなごり』の前日譚。
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「肩胛骨は翼のなごり」の前日譚で、タイトル通りミナの物語。 月光に照らされたテーブルの上のまっさらのノート。 日記を書くつもりだったそのノートにたったいまから書きはじめる、 ミナが描くミナの物語。 日記であったり、詩であったり、「特別な行動」であったり。 好きなことばや好きな...
「肩胛骨は翼のなごり」の前日譚で、タイトル通りミナの物語。 月光に照らされたテーブルの上のまっさらのノート。 日記を書くつもりだったそのノートにたったいまから書きはじめる、 ミナが描くミナの物語。 日記であったり、詩であったり、「特別な行動」であったり。 好きなことばや好きなものだけで埋まったページもあれば、 ときには白紙のページもある。 ミナのことばは、ミナの大好きな鳥たちのように自由にノートという空を翔け、 仲良しの猫のウィスパーのように思考のすきまにするりともぐり込んだと思ったら、 意外なところから顔を出したりする。 夜が好きで、本や詩や粘土工作が好きで、鳥や木が好き。 でも学校は大嫌い。 頭が良くて、いろんなことに興味があって、 自分の意思や意見をはっきり持っているミナ。 「肩胛骨」で、そんなミナが大好きになった。 「ミナの物語」を読むと、さらにミナが好きになっちゃいますよ、と コメントをいただいていたのだけれど、まったくその通りでした。 変わり者でちょっとおとなびた印象だったミナのこどもらしい面もたくさん 描かれたこのお話でますますミナが大好きになった。 ミナに対して、どんなときでも愛情をもって接する大の理解者の おかあさんも大好き。 ミナがいつもいる木の枝の、 黄色と緑の木漏れ日のまだらの中から見る世界、ミナが綴ることばの世界。 頭の固いオトナには閉じられているかのように思われる彼女の世界は、 自由で大きく、どこまでも広い。 ブラックバードの卵が、見えない殻の中で日々成長し、雛に孵ったように、 ミナもミナを取り巻く世界もゆっくりとゆっくりと変化していく。 新しい物語の始まりを予感させる「肩胛骨――」に繋がるラストのミナが可愛くて、 仕舞ったばかりの「肩胛骨――」を引っ張り出して、ぱらり読み中。
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ちゃんと自分を持ってて自由なミナが、自分から友達をつくったことがないっていうのが印象的。一気に親近感。 いつまでも、自分の世界だけでは生きられないのかなあ。
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本書は〝肩甲骨は翼のなごり〟の姉妹編です。〝肩甲骨・・・〟は、主人公の少年マイケルが、引っ越してきたばかりの家にあった、古びたガレージの中で奇妙な生き物を見つけ、隣家に住む少女ミナと共に不思議な経験をするというお話でした。マイケルが出会った少女ミナは、学校には通わず自由気ままに過...
本書は〝肩甲骨は翼のなごり〟の姉妹編です。〝肩甲骨・・・〟は、主人公の少年マイケルが、引っ越してきたばかりの家にあった、古びたガレージの中で奇妙な生き物を見つけ、隣家に住む少女ミナと共に不思議な経験をするというお話でした。マイケルが出会った少女ミナは、学校には通わず自由気ままに過ごしているのですが、知識が豊富なうえ、自分の意思をしっかり持った頭の良さそうな女の子でした。本書はそんなミナを主人公に据え、ミナがマイケルに出会うまでのことがらと、彼女がどんな少女なのかということを、ミナ自身が書き綴った様々な文書で語られています。 ミナは学校や、集団生活になじめない女の子でした。ミナは夜が好きで、空想することが好きで、小鳥が好きで、動物が好きで、歩くことが好きで、本が好きで、不思議なことが好きで、考えることが好きで、何よりも庭の木の枝に座って文章を書くのが好きな女の子でした。嫌いなのは学校。けれど、ミナはけっして、自分勝手で我が侭な少女ではありません。ただ、小鳥のように自由でいたかっただけなのです。先生や世の大人たちの目には、かなり変わった、ちょっと手に負えない子供と映るのも、仕方のないことかもしれません。ミナは頭の良い子ですから、それもこれもきちんと自覚しています。でも、幼い子供のことですから、対処する術を知らないだけなのです。母親は娘ミナのことをよく理解し、たっぷり愛情を注ぎこんで育てています。 〝肩甲骨は翼のなごり〟から十数年を経て発表された本作ですが、内容のきらめきに衰えはありません。ディヴィッド・アーモンドのファンのみならず、ちょっとばかりお疲れ気味の、大人の女性にもお勧めですよッ。
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