空白の五マイル の商品レビュー
チベットの奥地、ツアンポー川流域に「空白の五マイル」と呼ばれる秘境があった。 そこに眠るのは、これまで数々の冒険家たちのチャレンジを跳ね返し続けてきた伝説の谷、ツアンポー峡谷。 人跡未踏といわれる峡谷の初踏査へと旅立った著者が命の危険も顧みずに挑んだ単独行の果てに目にした光景とは...
チベットの奥地、ツアンポー川流域に「空白の五マイル」と呼ばれる秘境があった。 そこに眠るのは、これまで数々の冒険家たちのチャレンジを跳ね返し続けてきた伝説の谷、ツアンポー峡谷。 人跡未踏といわれる峡谷の初踏査へと旅立った著者が命の危険も顧みずに挑んだ単独行の果てに目にした光景とは―
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角幡氏がした冒険も凄いがツアンポー峡谷に挑んだ歴史上の冒険家の話がとても面白かった 冒険家であり元新聞記者である著者の文章力のなせる技だろう ネム・シンの従者キントゥプの話は特にビックリするような冒険譚で同行者のラマ僧に裏切られて奴隷に売られるという波瀾万丈の物語は興奮した
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カクハタ氏の著作を読むのは初めてだ。 ノンフィクションの冒険ものということで、角幡氏、高野氏の作品を少し読んでみようと思って購入した。 ツアンポーという最後の秘境に挑戦する。いろんな人が空白の5マイルに挑戦するが、敗れ去っている。角幡氏がすごいのは、他の挑戦者達は複数人で挑戦しているが、志を同じくする人がいなかったのか、角幡氏は一人で挑戦する。結局は、空白の5マイルは踏破できなかったが、恐らく、複数人で挑戦すれば、成功したのではないかと思う。 ただ、山奥を進む描写が、そこまで上手くはない。新田次郎の登山ものを読むと、やはりとっても物足りない。が、知らない世界を教えてくれるという意味では貴重な存在ではないかと思う。
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世界中で誰も到達したことのない、人類未踏の地を目指す。理解できない世界だが、何度も死にそうになった自分の体験を、ここまで他人事のように書けるとは。一方、淡々と事実を記すだけでは暗く辛い話になるけれど、意識的に笑えるネタを仕込んでいるのも面白い。
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冒険家、角幡唯介が学生時代に訪れたのは、チベットの奥地に残された未踏のツァンポー渓谷の五マイルだった。 英領インド時代の150年ほど前から現代に至るまで、ツァンポー渓谷は様々な冒険家探検家により調査が進んでいた。 しかし、一番切り立った峡谷部の五マイルだけは未踏の地として...
冒険家、角幡唯介が学生時代に訪れたのは、チベットの奥地に残された未踏のツァンポー渓谷の五マイルだった。 英領インド時代の150年ほど前から現代に至るまで、ツァンポー渓谷は様々な冒険家探検家により調査が進んでいた。 しかし、一番切り立った峡谷部の五マイルだけは未踏の地として残されていた。 そして学生時代、若さの勢いで筆者はツァンポー渓谷に入渓するが空白の五マイルに触れたのち撤退する。 そして就職するも五年で仕事を辞めてツァンポー渓谷に戻った。 ツァンポー渓谷に関わる歴史を紐解き、なぜ人跡未踏の地があるのか、そこに何があるのか、知りたいという一念に命を懸ける。
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なぜ人は冒険に駆り立てられるのか。冒険がテーマのルポルタージュは、つまるところ、この問いに、筆者が挑むものだとおもう。 本著はまさにそれに漏れない作品。
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ヤル・ツァンポー=ブラマプトラ川の人跡未踏の五マイルについて、著者自らが探検を試みた記録である。 この本のすばらしいところは、リヴィングストンなど名だたる探検家たちがアフリカや極地を探索し、ほとんど世界の空白地帯を解消したところだが、依然として人跡未踏のまま残された土地を21世...
ヤル・ツァンポー=ブラマプトラ川の人跡未踏の五マイルについて、著者自らが探検を試みた記録である。 この本のすばらしいところは、リヴィングストンなど名だたる探検家たちがアフリカや極地を探索し、ほとんど世界の空白地帯を解消したところだが、依然として人跡未踏のまま残された土地を21世紀のわれわれの世代が探検する、というところにある。 このヤル川(ツァンポー川)中流の屈曲地帯については、19世紀のキントゥプから始まり、20世紀初めまで探検が行われたが、いったん中断され、これが1990年代になってアメリカの探検家により改めて取り組まれるといった息の長い挑戦が繰り返されている。 この探検を、ふと書店で関連書籍を手に取った大学生が、学生時代のみならず、いったんついた新聞社の仕事を捨ててまで取り組み、生死の境をさまよう探検を行っているところに大いに惹かれるところがあった。
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高野秀行氏の著書で本書に興味を持ち積読。同氏との対談本が文庫化されなかったら、未だ積読だったかも知れない。ツアンポー峡谷の探検を、過去の探検家の伝記や早大カヌークラブOBの遭難という外伝を前半に配することで、著者の冒険行に深みを与える考えられた構成だし、その意図は対談で窺い知れる...
高野秀行氏の著書で本書に興味を持ち積読。同氏との対談本が文庫化されなかったら、未だ積読だったかも知れない。ツアンポー峡谷の探検を、過去の探検家の伝記や早大カヌークラブOBの遭難という外伝を前半に配することで、著者の冒険行に深みを与える考えられた構成だし、その意図は対談で窺い知れる。常にじめじめした密林を藪漕ぎし、急峻な岩壁を昇り降りし、深雪の尾根をラッセルする単独行の情景に過酷さが伝わってくる。
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今の時代に、冒険なんて、、、と失笑されるのを十分本人も知って、 他人にとってまるで、意味のないことをする。自分はわりかし好きです。 効果があること、意味があること、原因と結果が予めわかっていること、 今は、そういうことが、「行動する動機」になります。 しかし、それでは、真の感...
今の時代に、冒険なんて、、、と失笑されるのを十分本人も知って、 他人にとってまるで、意味のないことをする。自分はわりかし好きです。 効果があること、意味があること、原因と結果が予めわかっていること、 今は、そういうことが、「行動する動機」になります。 しかし、それでは、真の感動なんて、ないかもしれません。 著者は、文章もうまいし、読ませます。今は、冒険できる場所を探すのが大変だと思いますが、 著者には、今後、是非、続編を書いてほしいです。
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チベットの奥地、世界最大と言われるツアンポー峡谷で未踏の区間を単独探検した日本人の 探検記。やはりノンフィクションは面白いし、著者は元新聞記者であり文章も秀逸。なぜ生きるのか、どうやって生きていることを実感するのかという問いは、普段考えることはないが、本当は大切なことを考えさせて...
チベットの奥地、世界最大と言われるツアンポー峡谷で未踏の区間を単独探検した日本人の 探検記。やはりノンフィクションは面白いし、著者は元新聞記者であり文章も秀逸。なぜ生きるのか、どうやって生きていることを実感するのかという問いは、普段考えることはないが、本当は大切なことを考えさせてくれる。
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