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官僚制としての日本陸軍 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2020/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

満州事変以降の日本陸軍の組織内の勢力争いに関して詳細で、一般に言われる皇道派、統制派の対立という単純なものではない、詳細な派閥の動きについて書かれている。 統制派に実体がないということは言われていたが、これは、反皇道派=統制派という間違いであって、永田鉄山を中心とする一団を統制派とすることで説明している。 宇垣一成の再評価は面白かった。

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2020/01/19

さすがといったところ。宇垣の後継者としての南次郎に焦点を当てた章がとても勉強になった。皇道派と統制派という区分は自明のものとしないほうがよい。

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2015/11/30

(執念に準備をして)日露戦争に勝った日本軍がどうして(アメリカに戦争を挑み)敗戦に至ったのか。一つの答えが、伊東博文など藩閥政治家のステートマンシップから陸軍など官僚機構による部分最適解の追求への変貌ということが挙げられる。では、陸軍はなぜ(軍として、あるいは各部門として)部分最...

(執念に準備をして)日露戦争に勝った日本軍がどうして(アメリカに戦争を挑み)敗戦に至ったのか。一つの答えが、伊東博文など藩閥政治家のステートマンシップから陸軍など官僚機構による部分最適解の追求への変貌ということが挙げられる。では、陸軍はなぜ(軍として、あるいは各部門として)部分最適解を追求する官僚機構になってしまったのか。本書の関心はそこにある。 陸軍を分析する視角は色々考えられる。著者の分析の視角は、派閥の合従連衡の変遷や中国情勢を分析する官僚の処遇など、人間的で非常に興味深い。しかも、それぞれについて数多くの例を分析しているのだから恐れ入る。 明治藩閥政治家の時代は、目指す方向が明瞭で政策もそこからおおよそ説明できる時代であった。しかし、昭和になると、目指す方向がよくわからなくなり、政策もよくわからないものになる。本書は「ああ、だから訳が分からないのか」と納得させてくれる一冊である。

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2013/08/16

著者の博士論文をもとにした『日本陸軍と大陸政策 1906〜1918年』(東京大学出版会)の問題意識を引き継ぐ著作とのこと。論文集であるため、読み進めるにあたって若干引っかかりを感じたが、大きな問題ではない。そうは言ってもやはり書き下ろしの最新2論文が全体を俯瞰する形で最初の章と最...

著者の博士論文をもとにした『日本陸軍と大陸政策 1906〜1918年』(東京大学出版会)の問題意識を引き継ぐ著作とのこと。論文集であるため、読み進めるにあたって若干引っかかりを感じたが、大きな問題ではない。そうは言ってもやはり書き下ろしの最新2論文が全体を俯瞰する形で最初の章と最後の章に配置されており、その部分が一番読みやすかった。 政軍関係の分析も大事だが、軍内部の派閥対立の実態を分析することで、昭和の陸軍はなぜ崩壊したのか、に迫っている。答えは、巨大な官僚制である近代の軍にを有効に動かすには、トップにきわめて強い政治力が必要だということ。「昭和の陸軍は、統一的な意思を持って国政を引きずりまわしたというよりは、統一的な意思形成能力を失って国政を崩壊に導いていった」(あとがき)。 とくに面白かったのは、第4章の「宇垣一成の一五年戦争批判」というかなり長い書き下ろし論文である。この章だけでも読むに価するかと思う。

Posted byブクログ

2013/03/15

地元の図書館で読む。殆どの人が、予想外の本だと思います。専門用語が羅列された読みにくい本を想像されると思います。予想と異なり、非常に読みやすい本です。意外でした。

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