金木犀二十四区 の商品レビュー
金木犀が今盛りである。そんな中で読んだ本。 植物のいわずもがなの風情は大きな営為の中の素晴らしい生。 天狗とか隕石とか、装置はいろいろあるものの、「運命ではない」という僧の言葉は「因縁は偶然なのだ、しかしその中で自分が見出したものは、確実に今在る」ということが感じられる。
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花屋と営む秋の元に訪れる事件。 靡と呼ばれる自分は天狗なのか・・それとも、誰が? とってもとっても、面白かった。読みやすくて、こんな街を訪れてみたいなあと思いました。 秋と岳史と敦志と・・それに絡まる登場人物それぞれに人生があって秘密があって、そして先に進んでいく。 読後...
花屋と営む秋の元に訪れる事件。 靡と呼ばれる自分は天狗なのか・・それとも、誰が? とってもとっても、面白かった。読みやすくて、こんな街を訪れてみたいなあと思いました。 秋と岳史と敦志と・・それに絡まる登場人物それぞれに人生があって秘密があって、そして先に進んでいく。 読後も爽やかでよかったです。
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なんとも美しい表題ときれいな挿絵に魅かれて手にとった本だった。 金木犀の香る街の中で暮らす主人公が、天狗騒動と隕石騒動に巻き込まれていくという、金木犀をうまく主題にとったファンタジーだった。 150年前の革命によって「花の都」は幾つかの区域に別れはじめ、首都中心部に二十三の区が...
なんとも美しい表題ときれいな挿絵に魅かれて手にとった本だった。 金木犀の香る街の中で暮らす主人公が、天狗騒動と隕石騒動に巻き込まれていくという、金木犀をうまく主題にとったファンタジーだった。 150年前の革命によって「花の都」は幾つかの区域に別れはじめ、首都中心部に二十三の区が生まれた。花好きの国民によって、それぞれの区は、「桜十三区」とか「朝顔三区」とかいうように、花の名前が頭についた呼び方をされた。首都のはずれにある小さな二十四番目の区は、金木犀がいっぱい植えられていたので「金木犀二十四区」と呼ばれていた。物語は、この「金木犀二十四区」で和花の花屋を営む秋という名の主人公のもとへ、山伏の岳史と天文台職員・敦志がやってくるところから始まった。 ストーリー的には「秋」の存在がポイントになっているため、あまり起伏がないのが少し残念だが、人々が花を思う気持ちが作品のすみずみにまで感じられ、なんだか温かい気持ちにさせられる作品だ。 摩訶不思議な妖怪の天狗や科学現象の隕石といった古代現代の不思議を同時に用いても、違和感がほとんどない。これも、作者の創りだした世界の現象だからだろうか。金木犀の甘美な香りには、このような不思議な世界へ導く何かがあるのかもしれない。 金木犀の香る街はさぞかし住みよい街だろうなあと勝手に想像したが、そういえば、暦はもう10月。そろそろわが町にも金木犀が咲き始める頃だ。この時期にぴったりの季節感あふれる作品だったと思う。
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- ネタバレ
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三木さんのかかれる世界観が好きだなぁ、と思うのである。今回の場合は食事風景もっと書き込まれてたら私が喜びました。 植物が好きな和花専門花屋の秋と、普段は軽く時に真剣な山伏岳史。隕石の落ちた翌日にあらわれた岳史はなんだか意味ありげ。 この天狗の解釈というのは知らなかったなぁ。と。最近は、専ら人として認められないものを妖怪や式神に例えるのがすっかり染みついてしまっているので、なんだか新鮮でありました。
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なんとなく都合が良すぎる展開という感じが… 「帝都~」シリーズが好きなので期待して読んだのですが。
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