きのうの神さま の商品レビュー
この感性。羨ましい。 何て表現したらいいのかわからないけど、人の中にある小さな感情を表現するのが本当に上手い。 映画監督と思って読むせいか、頭の中にシーンが綺麗に浮かび上がる。
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ムリにドラマチックなエピソードをつめこむ訳でもなく、思いおこせば自分にもあったんでは?と思わせる人生におけるさざ波程度の出来事を丹念に拾っている。
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監督だったんだぁ・・・先入観なしで読みましたが、最後まで読んで監督だと知ってなるほどねって感じでした。面白いのかもしれないけど、その面白さがイマイチ伝わってこなかったかな。
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映画監督•西川美和が好き。小説家•西川美和が好き。表現者としての西川美和が好き。改めてそう思った短編集。 医療現場のリアルを多少知っている人間から見ても、真実に基づいたかなり鋭い洞察が作品として結実していると感じる。 ラストの医者、瑛太なのかなぁ、、
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情景や心の動きなどの表現はとても繊細で、ありありと感じることができるのだが、このひとつひとつの短編を完結させるように理解するのが、難しいなと思った。 『1983年のほたる』はとても面白いと思ったのだけれど、えっ?続きは?って思いながら、全編終わる…という…
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「身分帳」を読んでからの映画「すばらしき世界」鑑賞。その熱が冷めやらぬまま、映画製作秘話が書かれているというエッセイ「スクリーンが待っている」を読み、そこで触れられていた映画「ディア・ドクター」、「永い言い訳」、「夢売る二人」を立て続けに鑑賞。そして、「ディア・ドクター」のアナザ...
「身分帳」を読んでからの映画「すばらしき世界」鑑賞。その熱が冷めやらぬまま、映画製作秘話が書かれているというエッセイ「スクリーンが待っている」を読み、そこで触れられていた映画「ディア・ドクター」、「永い言い訳」、「夢売る二人」を立て続けに鑑賞。そして、「ディア・ドクター」のアナザーストーリーである短編が載っているというこの短編集まで行き着いた。芋づる式のひとり西川美和祭り。 僻地医療をテーマに映画を作りたいと思った監督が、後にそのテーマで短編を出すという約束で、取材資金を出版社に出してもらったといういわくの短編集。 丹念な取材の成果が、西川さんの柔らかいけれど何故か深く胸に刺さる文章で淡々と描かれる。 「たまに来てくれる人にね、おばあちゃん長生きしてね、と言われても、笑えなくなる時が来るんです。」という言葉が重い。 自分の人生を捨てて介護する孫と、そんな孫の世話になることをすまないと思いつつ生きる老婆の先の見えない苦しみ。 楽に死ねる薬で殺してくれと医師にすがる老人。 高齢化を手放しで喜んでいられない現実がのしかかる。 ディア・ドクターの偽医師への印象が、この前日譚とも言える短編を読むとガラリと変わり、もう一回映画の方を見直したくなった。 すっかり西川美和中毒です。
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「1983年のほたる」家から遠い塾に夜遅いバスで通っている女の子と運転手「ありの行列」島の医師の留守番を頼まれた医師の三日間「ノミの愛情」医師と結婚した看護師、やりがいのあった現役時代!「ディアドクター」医師の父親を恋した兄と自由に過ごした弟、脳梗塞でICUに入った夜の兄弟「満月の代弁者」僻地医療に四年マンネリを感じ新しい医師と交代して大病院に変わるつもりの男に以前いた僻地の看護師から緊急依頼。 淡々とそれぞれの感情を実感できた!
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へき地医療における住民と医者の間柄はインフラと同等に大切な生活網として描かれる。何か適切かという合理的な措置ではなく患者の心の平穏に寄り添う医者の奔走が生活音や自然音と交錯する情景が浮かんでくる。滅菌された医療室とはかけ離れたところにも仁術が活きている。
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映画監督でもある作者が書いた、医療関係を題材にした短編集。 名作『ディア・ドクター』のための取材で得た情報を元に、本も書いたようです。 西川監督らしい人間の嫌な部分の描写の上手さや、生理的に気持ち悪い比喩などらしさが満載なのだが、映画ほど面白くなかった。 『ゆれる』と『ディ...
映画監督でもある作者が書いた、医療関係を題材にした短編集。 名作『ディア・ドクター』のための取材で得た情報を元に、本も書いたようです。 西川監督らしい人間の嫌な部分の描写の上手さや、生理的に気持ち悪い比喩などらしさが満載なのだが、映画ほど面白くなかった。 『ゆれる』と『ディア・ドクター』は歴史に残る名作だと思うので、映画に期待したいと思います。
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短編。 遠くにある塾に通うために利用していたバスで たまたま運転手と交わした会話。 学力を求められない田舎での家族との考え方の違い。 運転手の姉が志望校に通っていたことと、亡くなったこと。 臨時の医師として島に数日滞在することになった出来事。 どこも悪いところはないけれど、毎晩呼び出しては 帰ることに死ぬための注射を打ってほしいと言った老婆。 医師としても看護師受けも十分な夫。 家庭のことには無頓着な夫が怪我をして、元看護師としての血が再び騒いだ夜。 医師だった父が倒れて、疎遠になっていた兄と再会した夜。 父に憧れていた兄の挫折は、時間と共に変わっていたことへの安堵。 島の医師の引き継ぎで挨拶回りをした最後の日。 都会での医療が通用しない田舎でのプライバシーのない生活に変化を求めた本音。 楽に死ぬことよりも、楽に生きることを考えた方がいいということ。 いろいろ、それぞれ良いことばかりじゃないけれど 悪いことばかりでもないということ。 その人が何を選択して生きるかによって価値が生まれる。
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