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絶望ノート の商品レビュー

3.7

136件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    59

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    12

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2023/01/31

歌野晶午さんの本を読むのは今作が初めてです。  いじめられている少年、太刀川照音(たちかわしょーん)。ジョン・レノンかぶれの父親と瑤子(よーこ)の間に生まれた彼の日記からこの物語は始まります。  母親、父親……と移り変わっていく語り口から、彼が神に祈り続けた結果、自分をいじめて...

歌野晶午さんの本を読むのは今作が初めてです。  いじめられている少年、太刀川照音(たちかわしょーん)。ジョン・レノンかぶれの父親と瑤子(よーこ)の間に生まれた彼の日記からこの物語は始まります。  母親、父親……と移り変わっていく語り口から、彼が神に祈り続けた結果、自分をいじめていた男子生徒が呪い殺されてしまったように見えますが、真相は果たして……?  という物語。  文庫本には珍しくずっしりと重い647ページの大作ですが、次はどうなるんだろうと期待が膨らんですぐに読み終えてしまいました。  いじめ描写がかなりリアルで、過度な脚色をされていなさそうなのが怖い。実際、照音のようにいじめに苦しんでいる人間は数多くいるのではないかと安易に想像がつくほどです。  しかし、後半になるにしたがってポツポツと明かされていく謎の種明かしはやがてどんでん返しとなり、個人的には大きな種明かしよりも、「そこ、こうだったのか!」という点が別にあったりします(笑)  ネタバレしない前提の感想なので面白さがイマイチ伝わらないかもしれませんが、ミステリー小説にありがちな「あいつも怪しい、こいつも怪しい」ではなくて、(そういう風に読むと余計に分からなくなる)まさに語り口からのトリック、言葉の世界でしか通じない仕掛け(とあとがきで言われていました)そのものといった感じです。  私は他の方のレビューをちょこちょこ読んでから読み進めてしまったので、中には確信スレスレのコメントをされている方もいるので、読み終えるまで謎は大事に取っておきたい方はレビューを見ない方がいいかも。  また他の作品も読んでみたいと感じました。  おすすめです!  【今回、この本で感じたテーマ】  ・いじめ  ・家族(の問題)  ・親類  ・殺人  ・犯罪

Posted byブクログ

2022/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「絶望ノート」がこれほどまで他人を操り翻弄するとは。終始完膚なきまでに虐められる描写が印象的だったが、ラストで明かされる真実は、これまでの物語の見方が180°変わる衝撃的なものだった。長編だが、面白くて一気読みできる作品だった。

Posted byブクログ

2022/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

太刀川照音がクラスメイトからの日々のイジメについて書いた絶望ノートによって多くの人の人生が狂わされていく。読んでいて終盤まんまと騙され、そこまでの出来事や登場人物への印象が一転した。

Posted byブクログ

2022/07/16

ブク友さんのレビューから気になり読んでみた。 絶望しかないと聞いてはいたけど… 本当に絶望しかない!!!叫 いじめにあっている中学生男子の日記が主体となって物語が進む。 いじめの内容とか、それに対する思いが日記に書いてあるんだけど、やることや考え方がやっぱりまだ中学生だなあ…そ...

ブク友さんのレビューから気になり読んでみた。 絶望しかないと聞いてはいたけど… 本当に絶望しかない!!!叫 いじめにあっている中学生男子の日記が主体となって物語が進む。 いじめの内容とか、それに対する思いが日記に書いてあるんだけど、やることや考え方がやっぱりまだ中学生だなあ…それにしても劣悪。という生々しさもあったし、親や周りの大人の行動も現実的。 そんな中、日記で【死んで欲しい】と想い書き綴った相手が本当に死ぬ。次々に死ぬ。 一体誰が!?というミステリー。 先が気になって後ろから読みたくなった笑 結末はそうきたか…!!! 筆者である歌野晶午さんの【葉桜の季節に君を想うということ】よりか驚きは少なかったものの、それでもびっくり。 そしてやっぱり絶望しかなかった なかなか厚みのある1冊だけど、不思議と長いとは感じなかった。 【いじめ】という問題に目を向けることも出来るし、ハッピーエンドは待っていないけど気になる方はぜひ。 こちらの1冊に出会わせてくださったブク友様、感謝です☆

Posted byブクログ

2022/07/06
  • ネタバレ

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葉桜を読んだので、こちらも読んでみた。 葉桜でハードルが上がりきってるものだから、あの時ほどの「やられた!」感はない。 ただ、期待をして読んでいるため他の作品とは違って、推理しながら読むのはやめた。書かれていることを割と深読みせずにそのまま受け取って読んでいたのだが、やはり今回もヌルッと読者の思考を覆す。 そしてすぐにはそれを詳らかにしないところ。先まで読みたくなってしまう技だ。意味深な言葉を書いておきながら、そのまま一旦放置されるのだ。これがページをめくる手が止まらなくする要因だ。 半分くらいは全くどのように着地させるのか分からなかった。500ページくらいでも、展開も含めて想像がつかなかっただろう。それは主人公の照音の日記に基づいて進んでいたからだ。決して、照音のその時の感情の描写ではない。日記を我々読者も読み続けていた。「トヨヒコ、ダメだなぁ」と必要以上に思わされていた。照音の賢さに驚かされる。

Posted byブクログ

2022/05/28

中学生の太刀川照音はイジメに遭っていた。その苦しみ、怒り、両親への不満を「絶望ノート」と名づけた日記帳に日々記していく。ある日、校庭で人間の頭部大の石を見つけて持ち帰り【神】と崇め殺人を依頼したところ叶ってしまう。照音は次々に名前を日記帳に書きつけ神に祈るたび悲劇が起きていく。神...

中学生の太刀川照音はイジメに遭っていた。その苦しみ、怒り、両親への不満を「絶望ノート」と名づけた日記帳に日々記していく。ある日、校庭で人間の頭部大の石を見つけて持ち帰り【神】と崇め殺人を依頼したところ叶ってしまう。照音は次々に名前を日記帳に書きつけ神に祈るたび悲劇が起きていく。神とは?友達とは?親子とは?望みが絶たれていく様が描かれた驚愕ミステリ。 歌野晶午2作品目。 前読【ハッピーエンドにさよならを】が傑作だったこと、ブク友・奏悟さんより「ぜひやれられてみて欲しい」とのリクエストもあって、長きに渡り積読棚に鎮座していた本書を手に取るに至った。 約600ページの厚さに躊躇を感じていたものの、とても読みやすい文体かつ内容がスリリングでハラハラドキドキとページをめくる手が止まらなかった。 確かにここに絶望があった。いや、絶望しかなかった。 主人公のショーン(太刀川照音)の絶望ノートという名の日記を主として進行していくのだが、悲惨燦々たるや否や、わや。兎角、イジメの描写がリアル過ぎて息が詰まる。そして、イジメをうけた側の本音と怨念節がエゲツなく胸の奥がギューっと鳴った。 個人的には10月24日(水)の日記が1番エグられた。 誰かの死を願う日記よりも自然過ぎて深くエグられた。 イジメという言葉に心身的アレルギーや不適応と感じられる方は避けた方が良い作品かもしれない。私はミステリ作品として、延いては社会問題をテーマとした作品として傑作に1票。 大人に振り回される子供、子供に振り回される大人、どっちもどっち。掛け違えたボタンに気付いているのなら、決してそのままにしてはいけない。

Posted byブクログ

2022/02/15

テンポよく読めた。 日記が現実なのか、嘘なのか、この部分がやはり肝を握ってくるわけで、やはりこの作家は、『現実』と『虚構』の掛け合わせが絶妙なのだと思った。 最後はもう少しひとひねりあっても良かった気はするが、最後の最後までぐっと引っ張られた。

Posted byブクログ

2022/01/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2022年初読了本は本書、『絶望ノート』。 仕掛けは予想の範囲内ではあったものの、後からジワジワ来るタイプの驚き。 家族への屈折した思い、諸井のイジメ、そして言葉の力。 確かに口頭で言われるより、覗き見した相手の日記に書かれている方が圧倒的に信じやすい。 どの人物も腹に一物抱えているといった感じで、そんな小説にも一人はいるような明るいキャラクターはいない。 物語は終始暗い雰囲気で進んでいくが、シリアスになりきらないのはやはり文体の妙。 登場シーンは少なかったが、大迫はもう少しクローズアップしてほしかったかな笑。

Posted byブクログ

2021/12/10

初読み作家さん。滅茶苦茶面白かった。とてつもなく構成が上手い。 予備知識なく読み始めたので、これは青春小説か、オカルトが、ミステリーか、もしくはホラーなのか!?と どう転ぶか先が気になり一気読み 終盤はなかなかブラックかつシニカルで、それも好み 救いのない話だけど、どこかコミカル...

初読み作家さん。滅茶苦茶面白かった。とてつもなく構成が上手い。 予備知識なく読み始めたので、これは青春小説か、オカルトが、ミステリーか、もしくはホラーなのか!?と どう転ぶか先が気になり一気読み 終盤はなかなかブラックかつシニカルで、それも好み 救いのない話だけど、どこかコミカルに読めるのは文体の影響か

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2021/12/05

他の方の感想を読んで。登場人物の誰も好きになれない。ほんまや!わたしも! じゃあ何にぐいぐい引っ張られてあっという間に読み終わったんだろう。しかも再読で、(ずいぶん前で細部は忘れていたけど)どんでん返しの中身は分かっていたのに。 照音の文章力かな。中身は胸糞だけど、あの量、臨場感...

他の方の感想を読んで。登場人物の誰も好きになれない。ほんまや!わたしも! じゃあ何にぐいぐい引っ張られてあっという間に読み終わったんだろう。しかも再読で、(ずいぶん前で細部は忘れていたけど)どんでん返しの中身は分かっていたのに。 照音の文章力かな。中身は胸糞だけど、あの量、臨場感、構成、中学生が日記であれ書いてたら化け物やん。それをあんな動機で物しちゃうからヤバイんで、上手にフィクションに落としこめるように周りの大人が道筋を付けてあげられれば…。 あ、周りの大人も全員ヤバかった。絶望。

Posted byブクログ