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さっさと不況を終わらせろ の商品レビュー

4.1

46件のお客様レビュー

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2012/11/04

現在の不況の原因は需要の不足であり、対策は財政赤字の解消ではなく需要の創出であることは明らかだ。しかし、財政赤字対策のために支出の削減や消費増税が先行し、公共投資という声がどの政治家からもあがらない。 本書の主張は直情的であり明確だ。かなり辛口で面白い。米国の経済政策について書か...

現在の不況の原因は需要の不足であり、対策は財政赤字の解消ではなく需要の創出であることは明らかだ。しかし、財政赤字対策のために支出の削減や消費増税が先行し、公共投資という声がどの政治家からもあがらない。 本書の主張は直情的であり明確だ。かなり辛口で面白い。米国の経済政策について書かれたものだが、日本こそ参考にして欲しい。最近の日銀の余りにもリスクを恐る対応を見ていると、永遠にデフレスパイラルから抜け出せない気がしてくる。

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2012/10/23

要するに、公共支出の大胆かつ継続的な執行による雇用の拡大と有効需要の創出が不況脱出の妙手であるというケインズ理論の導入こそ、今、必要とされている政策であり、デフレ下での増税はもってのほか、ということは理解できた。しかし、日本語はなかなか難解である。

Posted byブクログ

2012/10/13

「今苦しんでいるのは、ソフトウェアのクラッシュなのだ、ということになるだろうか。いずれにしても要点は、不具合は経済のエンジンにあるのではないということだ。エンジンは前と同じく強力だ。」  小泉純一郎が国債発行を30兆円以下に抑えると公約したとき、 「おぉ!」 と思いました。 そ...

「今苦しんでいるのは、ソフトウェアのクラッシュなのだ、ということになるだろうか。いずれにしても要点は、不具合は経済のエンジンにあるのではないということだ。エンジンは前と同じく強力だ。」  小泉純一郎が国債発行を30兆円以下に抑えると公約したとき、 「おぉ!」 と思いました。 それは、その公約が、「身の丈にあった金遣いをします」という堅実な発言に聞こえたからで、借金に頼らない政治の始まりだと心沸いたからでした。  本書を読むと、道徳とか社会通念とかいった人間的な価値基準を使って経済について考えてはいけないという事がよくわかります。それはニュートン力学と量子力学の齟齬であり、また合成の誤謬と言われているものと近いのかもしれません。  個人のミクロな視点で考えると、借金に頼らないで自分の収入に見合った支出に抑えるというのはとても「まともな」姿勢なのですが、これが国家となるとちょっと違うようです。  例えば、今10年もの国債の発行を10兆円分削減すれば、確かに10年後に生きる人の借金を減らす事にはなります。ですが、そのまま不景気を放っておく事で失われるGDPが20兆円ならば、緊縮財政は果たして賢い選択だったと言えるのでしょうか。  本書はアメリカ経済について書かれているので、高い失業率にスポットが当てられていますが、日本も流動性の罠にはまっているらしいです。本書を読めば、人間臭い精神論なんかに惑わされずにマクロ経済を知ることができます。  昨今、経済成長は不要的なことを聞きますが、生物が進化することと同じくらい経済が成長する事は当たり前のことなのです。  

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2012/10/05

さすが当代きっての経済学者!今の経済の置かれている状況について、明確に書かれています。このシナリオが良いか悪いかは、別として本当に読みやすい経済書であるのは間違い無いですね。なぜ日本の経済学者はこういった本が書けないのでしょうか。大学生が勉学のため本を読まないのもここに原因がある...

さすが当代きっての経済学者!今の経済の置かれている状況について、明確に書かれています。このシナリオが良いか悪いかは、別として本当に読みやすい経済書であるのは間違い無いですね。なぜ日本の経済学者はこういった本が書けないのでしょうか。大学生が勉学のため本を読まないのもここに原因があるのかも?

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2012/10/17

ノーベル経済学賞も受賞したクルーグマンの最新著書。リーマンショック以来の経済の低迷に対する処方箋を平易な文章で訴えるもの。主張は単純明快で、政府はより積極的な財政出動を行うべきであり、中央銀行は更なる金融緩和を行おうというもの。議論の中心はあくまで米国経済であるが、ギリシアなど南...

ノーベル経済学賞も受賞したクルーグマンの最新著書。リーマンショック以来の経済の低迷に対する処方箋を平易な文章で訴えるもの。主張は単純明快で、政府はより積極的な財政出動を行うべきであり、中央銀行は更なる金融緩和を行おうというもの。議論の中心はあくまで米国経済であるが、ギリシアなど南欧諸国の債務危機に陥った欧州と失われた10年(20年?)に苦しむ日本といった先進諸国全てに当てはまるものとして議論を展開している。著者の現状認識は米国においては、オバマ政権成立後のリーマンショックに対する財政出動があまりに小さかったこと、バーナンキ率いるFRBの実施した量的緩和が中途半端であるとしている。バーナンキに対しては日銀の金融緩和が不十分だと学者時代に主張していたのに、FRB議長になった当の本人が学者時代の主張を実行できていないと痛烈に批判されている。一方で、これを逆手に緊縮財政と金利上昇を目論む人々(ようは米国内の共和党支持者)を彼らの理論が如何に間違っているかを彼らの主な主張を取り上げ論破を試みている。 読み物としては基本的な経済の理論(高校の政治経済で習う程度の知識)を持ち合わせれば容易に理解できる内容であり多くの人に勧めることのできる一冊である。

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2012/09/26

一言で言えば、痛快である。 米国をネタにしているが、米国に追随している日本にも当てはまること多し。 やるべきことは、わかってるんだから、 四の五の言わずにやれや~!的な内容です。 妨害してるのは、政治だと、 上位1%が差し向けているロビー活動に丸め込まれてる! 日本でいうなら...

一言で言えば、痛快である。 米国をネタにしているが、米国に追随している日本にも当てはまること多し。 やるべきことは、わかってるんだから、 四の五の言わずにやれや~!的な内容です。 妨害してるのは、政治だと、 上位1%が差し向けているロビー活動に丸め込まれてる! 日本でいうならば、 経団連の言うがままじゃないか!ということか。 情熱に任せて書いているらしく、 訳もかなりブロークンで、ホントに溜飲が下がる批判です。 山形浩生さんの訳は素晴らしいね。 訳者あとがきも面白いです。

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2012/09/25

不況で借金まみれの国。そこで緊縮財政に走る国々。マネタリズムに洗脳された今の為政者のブレーンども。ますます、不況に輪をかける。マネタリズムのゾンビが跋扈する現代。ケインジアンが世界を救うのだ。借金が国内だけで収まってる日本こそ、その先導に立って、世界を救えよ。

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2012/09/17

ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン氏は、世界中に蔓延する不況の原因は民間セクターの過剰債務による需要不足であり、解決策は政府による積極的な財政政策であると主張している。国債の格付け引き下げやヨーロッパ危機により、財政均衡主義、緊縮財政主義が蔓延っているが、アメリカ、イギリス、...

ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン氏は、世界中に蔓延する不況の原因は民間セクターの過剰債務による需要不足であり、解決策は政府による積極的な財政政策であると主張している。国債の格付け引き下げやヨーロッパ危機により、財政均衡主義、緊縮財政主義が蔓延っているが、アメリカ、イギリス、日本とヨーロッパとの本質的な違いを明らかにした上で、流動性の罠に陥っている現状では、財政赤字拡大による債券市場への悪影響よりも、失業問題の弊害の方がより大きいと主張している。これらの指摘は、日本にも当てはまる。ロストジェネレーションと言われるように、長引く不況の中で、多くの若者が就職できず、あるいは非正規雇用として不安定な身分で低スキルな職にしか就けない。少子高齢化で日本の動労人口が長期的には減少していく中で、こうした状況は社会的に大きな損失であると言える。財政赤字削減の前に、思い切った財政支出による景気刺激策が望まれる。

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2012/10/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者のポール・クルーグマンを知ったのは以前NHKで放送されていた番組でした。 失われた20年といわれる不況を脱しきれない日本に対しての分析と対処法を分かりやすく語っていました。 なかでも印象的だったのは 「私は天皇陛下に謝らなければならない。」 という言葉です。 90年代の日本はバブルが崩壊して不況のまっただ中にいました。 当時プリンストン大学の教授で現FRB議長であるベン・バーナンキは日銀が採るべき具体的な行動を主張したのです。 同じようにクルーグマン教授も日銀の行動を批判していたわけですが、実際にバーナンキが日銀と同じ立場(FRB議長)に立ってみると当時の日本と同じようなことしかできていない。 だから日本謝れというのです。 第三者の立場から物をいうのと実際に当事者になって行動するのとでは まったく違うということです。 ただ、だからといって当時の日銀が正しかったというわけではありません。 気持ちは理解できるようになったと言っているのです。 また厳密にいえば、謝るのは天皇陛下ではなく日銀総裁に対してなのですが、 そこは彼なりのユーモアなのでしょう。 文体も経済書独特の専門用語も極力使わず、口語体で書かれているので経済の知識がなくても十分に読んでいけるおもしろい作品になっています。 世界的な不況の原因は? 不況を脱するための方法は? など今起こっている経済状況に少しでも疑問がある人はぜひおすすめの一冊です。

Posted byブクログ

2012/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ノーベル経済学賞を受賞しているアメリカの経済学者ポール・クルーグマン氏の一冊 現在の経済状況とこれからの経済がどう進むべきかを理解できる。 その中でも強く関心を引いた内容は、、、 全ては需要が問題 人々は所得を何かに使わざるを得ない 誰かの収入は、誰かの支出なのだ 不景気を終わらせるのは中央銀行によるマネタリーベースのコントロール(増加)⇒しかし日本ではマネタリーベースを増やしても経済回復しなかった=流動性の罠にはまった。 マネタリーベースを増やす(中央銀行が銀行にお金を貸す)⇒銀行の貸出金利が下がる⇒企業資金の流動性が上がる(現金を手配しやすくなる)⇒設備投資等により生産力が増加し売上が増える⇒経済が活発化する。 しかし、不景気により売上が下がり続けると、金利が下がり続けゼロに近くなる。金利が下がらないと企業はお金を借りられなくなり(ゼロ金利でも高くて借りられない)、経済が停滞する=流動性の罠にはまる。 流動性の罠が発動する条件は、ゼロ金利でも、人々が買いたがらない(貯蓄したがってる)とき 一国の首相として最高の選択は、再選に繋がることをすること。しかしグローバル化時代の小国の指導者は自国民に嫌われようとも、国際コミュニティー(欧州委員会やIMF)に気に入られることをやる。 日本の負債は90年代から増え続け、すぐにでも債務危機になり国債金利が上昇するはずだとかけた投資家たちは大損して、日本国債を空売りするのは「死の取引」と言われるようになった。 超債務国の日本は平気なのに、それ以下の債務国であるイタリア、スペイン、ギリシャ、アイルランドはなぜ国債が暴落したか?理由は国債が自国通過建てか否か。

Posted byブクログ