さっさと不況を終わらせろ の商品レビュー
不況は決してどうしようもないものでなく、人の力によって十分に対処できるって本。 なんか日本のマスコミが嫌いそうな政策を提言しているのだけど、その説得力はかなりあるように僕は感じたな。 そして、今話題(?)のアベノミクスは、だいたい著者の主張をなぞるような政策のように僕には見える...
不況は決してどうしようもないものでなく、人の力によって十分に対処できるって本。 なんか日本のマスコミが嫌いそうな政策を提言しているのだけど、その説得力はかなりあるように僕は感じたな。 そして、今話題(?)のアベノミクスは、だいたい著者の主張をなぞるような政策のように僕には見える。 はたしてこの壮大な社会実験は成功するのか。 成功しなかったとき、著者はどのような言辞を弄するのか。そんなことを考えました。 個人的には、著者の提唱する方策、そして現実のアベノミクスは、ぜひとも成功してほしい。 経済成長ってバブルの成金の嫌な姿が思い出されがちだけど、底辺の人もそれなりにうるおって、自殺者とかの問題も結構軽減するからね。 そんな感じで、少しでも「まし」な世界になりますように。
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緊縮財政・財政再建は今じゃないでしょうということ。ケインズ、ポストケインズのほうが個人の好みから言ってもしっくりくるって感じ。
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クルーグマンで山形訳となれば、おもしろさはテッパン。リーマンショック以来の世界の不景気は、終わらせることができる、そのための知識・武器もある、というのが筆者の主張。ケインズ以来の財政出動と金融緩和をちゃんとやれば大丈夫だと。 じゃあ、なぜ不況は終わらないのか。規模が小さすぎる...
クルーグマンで山形訳となれば、おもしろさはテッパン。リーマンショック以来の世界の不景気は、終わらせることができる、そのための知識・武器もある、というのが筆者の主張。ケインズ以来の財政出動と金融緩和をちゃんとやれば大丈夫だと。 じゃあ、なぜ不況は終わらないのか。規模が小さすぎる、小出しにしすぎる、果ては財政破綻を心配するあまり引き締めに走るようなまるきり逆の政策まで。ここらへんへの反論が読みどころ。 まさに日本がアベノミックスというか黒田バズーカをきっかけとして経済的に浮上しつつあるいまが読みどきかも。クルーグマンの、日本の経済政策に対する評価も聞いてみたいところだ。
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ノーベル経済学賞受賞の著者による不況に対する提言、というのは生ぬるく、かなり強烈な論調で現在の経済施策に対する批判とこれからどうすべきかを記している一冊。 ターゲットはアメリカとヨーロッパ。日本はちょっとしか触れられていない。だが、置かれている状況はほとんど同じだと思っていい。...
ノーベル経済学賞受賞の著者による不況に対する提言、というのは生ぬるく、かなり強烈な論調で現在の経済施策に対する批判とこれからどうすべきかを記している一冊。 ターゲットはアメリカとヨーロッパ。日本はちょっとしか触れられていない。だが、置かれている状況はほとんど同じだと思っていい。 著者の理論は説得力があるのだが、著者による反語調の記述が、著者の主張を非常にわかりにくいものにしている。訳者解説でなんとなく分かった感じ。自分の知識不足も大きいんだろうな。 そのため、評価は星3つ。
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今話題のアベノミクスの掲げる三本柱はクルーグマン氏の主張と重なる部分が多いですね。そういった意味では、日本は実践でこれを証明しようとしていることになるのかもしれません。
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ポール・クルーグマンが、なぜ金融緩和によるインフレが不況時に有効なのかを分かりやすく解説。 デフレでは→個人の消費の減少→企業の収入の減少→設備投資ができなくなる→給料少なくなる→個人の消費の減少・・・ という悪循環が生まれ、ここで誰かが資金を注入しなければいけません。 簡単に...
ポール・クルーグマンが、なぜ金融緩和によるインフレが不況時に有効なのかを分かりやすく解説。 デフレでは→個人の消費の減少→企業の収入の減少→設備投資ができなくなる→給料少なくなる→個人の消費の減少・・・ という悪循環が生まれ、ここで誰かが資金を注入しなければいけません。 簡単に言うと、これができるのは政府だけであって、政府が金融緩和政策を行うべきだと解いている。 さらに、金融緩和政策によってデフレが解決しないのは、量や時間が足りなかったせいで、金融緩和そのものが無効なわけでもないと論じている。 とにかく、この経済学の分かりにくい現象をわかりやすく平坦な言葉で、例を使って解説してくれるのでマクロ経済の勉強になります。
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著者はクルーグマン。 「道草」で翻訳されているコラムと内容がかぶるものが多く目新しさはない。 彼の主張は、「不況に陥ったら緊縮財政するな。政府は財政赤字を気にせずに拡張的な雇用創出政策をやれ。中央銀行はその支援をしろ。」 需要不足にある状態では、中央政府が大規模な財政出動を行...
著者はクルーグマン。 「道草」で翻訳されているコラムと内容がかぶるものが多く目新しさはない。 彼の主張は、「不況に陥ったら緊縮財政するな。政府は財政赤字を気にせずに拡張的な雇用創出政策をやれ。中央銀行はその支援をしろ。」 需要不足にある状態では、中央政府が大規模な財政出動を行って、需要不足を埋めろってのは納得。批判の一つに出口戦略があるのだけど、結局不況を脱してから話すことだろって気がします。 彼の主張の要は財政出動であるわけで、昨今の日銀金融緩和とは違います。
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どちらか択一ではないが、「社会は分配であり、政治は平等を実現する」と思った事と、データをただしくみながら何かをかえる勇気をもつならば、ケインズ派の政策を考えた方がいいのは確かだと思ったー。
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米国の住宅バブルの崩壊(リーマンショック)以降ゼロ金利に達したのも関わらず、失業率が高いまま景気は低迷していた。これが流動性の罠だとして、ゼロ金利でもまだ高すぎると説き、金融緩和、インフレターゲテング、財政出動などを組み合わせた政策が必須と小さな経済圏の例や歴史などを背景として強...
米国の住宅バブルの崩壊(リーマンショック)以降ゼロ金利に達したのも関わらず、失業率が高いまま景気は低迷していた。これが流動性の罠だとして、ゼロ金利でもまだ高すぎると説き、金融緩和、インフレターゲテング、財政出動などを組み合わせた政策が必須と小さな経済圏の例や歴史などを背景として強く主張する。 住宅バブル引き起こした金融業界に怒りの鉄槌を振り下ろし、失業を本人の問題ではなく政策の問題ととして捉えるところなど米国共和党と真逆の考え方であることも良く分かる。 背景となる主張はとても共鳴するのだが、冗長かつエキセントリックな表現が多く主旨が分かり難いのが難点、その辺りは訳者解説がとても分かりやすく纏められているのでとても理解の助けになった。グルーグマンの主張を手っ取り早く理解したいなら訳者解説だけ読むのも良いかも知れない。 本書を手本としたのがアベノミックスと言われていますが、グルーグマンの主張するようにさっさと不況を終わらせて欲しいですね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者のポール・クルーグマン氏は2008年ノーベル経済学賞を受賞した経済学者であり、世界銀行やEC委員会の経済コンサルタントとして活躍されています。 世界的に停滞が継続していることについて著者は、経済学者ケインズの言葉をかりてこう語っています。 「回復も見せないが、完全な崩壊に明らかに向かうこともなく、通常以下の活動状態で慢性的に、ずいぶん長い期間とどまり続ける」 この現状を打破するために、どうすればいいのかの答えを本書は明確に表しています。 それは大きな財政出動と大胆な緩和的な金融政策を実施するということです。つまり、昔ながらのケインズ的な政策を行うということが本書の主張となっているようです。 本書には、日本についての記述は登場しませんが、長期デフレ基調での不景気、ゼロ金利近い流動性の罠など多くの部分が日本の現状に当てはまります。 著者の考えによると、日本も一過性でない思い切った財政出動と大規模な金融緩和によってこの状況を脱出できる、ということなのでしょうが、今の日本の現状をみると著者の主張とは反対の方向へ進んでいるような気がします。 公共工事の減少、財政支出を減らす、消費税増税などがそうです。その流れを変えるのは容易なことではありませんが、本書を読んで一人でも多くの人が現状の各種政策の愚かさに気付いてくれればと語っています。
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